あおしろみどりくろ

楽園ニュージーランドで見た空の青、雪の白、森の緑、闇の黒の話である。

チャリンコ野郎達 8

2010-05-31 | 
楽しい時はあっという間に過ぎる。
出発の日が来た。
数日間、家の前で休養をしたリオの自転車も荷物を満載、準備万端である。
ちょっと持たしてもらったがとても重い。原付スクーターぐらいの重さはあるだろう。
これをこいで旅をしているのか。すごいな。
車で峠の上まで送ってあげることを考えたがやめた。
これくらいの峠でヒーコラ言うぐらいなら自転車で旅をしないだろうし、車で楽してそこへ行く代わりに大切な何かを見落としてしまうかもしれない。
「じゃあな、ガンバレよ。タイによろしく」
「ハイ!聖さん、本当にありがとうございました。」
リオはそう言うと、ボクを抱きしめた。男同士のハグなぞ普段はあまりやらないが、ヤツの熱い心が伝わってきた。
リオは家の前の上り坂をゆっくりと、しかし確実に登って行った。
ペダルを漕がなければ進まない。
自分で行動を始めなければ、何も始まらない。
ボクはやんちゃな弟を見守るような心境でリオを見送った。



後日、タイのブログにリオの話が出た。
想像通りフォークスのタイの家に転がり込み、カヤックや氷河ハイクを楽しんだようだ。
http://blog.livedoor.jp/coasterlife/archives/51487143.html
http://blog.livedoor.jp/coasterlife/archives/51487197.html
タイも又アウトドアガイド流のもてなしをしたことだろう。
人と人との輪がつながり、そしてその輪は大きく強くなっていく。


コメント
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