あおしろみどりくろ

楽園ニュージーランドで見た空の青、雪の白、森の緑、闇の黒の話である。

8月18日 Broken River

2013-08-20 | 最新雪情報
この日の仕事はスキー場から空港までお客さん一人の送迎。
日曜日だったので娘を連れていった。
娘は今シーズン初のBRだ。
そしてもう一人、タイの弟子のアキラも山に戻るので送り届ける。
アキラはアウトドアガイドになりたくてニュージーランドにやってきた。
以前タイが出たテレビを見て感化され、弟子入りを申し込んだ。
同時に自分でブロークンリバーのボランティアを申し込んでシーズンインから働いていた。
タイに頼るのではなく自分で行動を起こしたというところが先ず良い。
そして話を聞くと、スキーの経験が全く無く道具も何も持っていないで山に来てしまった、という若さゆえの無鉄砲さがこれまた良い。
今まで何人もの人がブロークンリバーでボランティアをしていたのを見てきたが、彼のようなケースは初めてである。
「何も持っていなくてどうするの?」と人は聞くかもしれないが、そこはそれ、何とかなってしまうのがニュージーランド。
道具を選ばなければ古い物はどこかにある。
アキラもスタッフの昔の道具を借りて滑っているうちに、なんとか滑れるようになった。
家のガレージで埃をかぶっていた古い山道具もアキラにあげて、もう一度日の目を見ることになった。

山に行くと顔なじみのチケットオフィスの女の子が嬉しそうに言った。
「アキラを連れて来てくれたのね。今日来なかったらどうしよう、なんてみんなで話していたのよ」
そう言って渡されたリフト券には wlcm back akira と印刷されていた。
wlcmはwelcomeの略、リフト券には毎日違う言葉を入れるのだが、今日の言葉はこれ『おかえり、アキラ』。
そりゃリフト券にこんなの印刷して、本人がいなかったら笑い話だ。
昼前ぐらいにパーマーロッジに着いたのだが、日曜日のお昼時とあってかなりの混み具合。
今年から始めたピザのサービスもオーダーが立て続けに入って、帰ってきたばかりのアキラが忙しげにピザを焼いていた。
おかえり、とはこういう意味なのだな。

天気は霧雨、ガスが濃く視界も悪い。雲の切れ間を狙って何本か滑った。
深雪のナッツクラッカーのかけ方がさまになっていた。
ラグビートーもメイントーも一人で乗れるようになった。
後ろから見ているとプリー(滑車)のかわし方もスムーズだ。
いつのまにか大きくなったものだ。
親父、感無量の1日。


もう牽引をすることも無いと思うとちょっと寂しいな。


日曜日のパーマーロッジ。


帰ってきたそうそうピザを焼くアキラ。


ガスの切れ間を狙って3本滑った。今日はもういいや。


帰りは仕事なのでコーヒーを飲む。インスタントではないぞよ。豆を持ってきてプランジャーで淹れた。


このリフト券は最高の記念品になるだろう。


雨のパーマーロッジ。


そして帰路。


下部は雪がないのでこの道を歩く。


雨に煙る山が神秘的。
コメント (1)
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