あおしろみどりくろ

楽園ニュージーランドで見た空の青、雪の白、森の緑、闇の黒の話である。

静かな朝

2018-02-22 | 日記
前回のツアーでホテルに泊まった日のことである。
その日の朝は、自分たちのグループと別にもう一つのアジア人のグループが泊まっていた。
朝食のレストランでそのグループと一緒になった。
どこの国かその時は分からなかったのだが、なぜかその時のレストランは物静かな雰囲気が流れていた。
とにかく静かなのである。
かと言ってヒソヒソ話をしているわけではなく、皆普通に話しをしているのだが、静かなのだ。
「ああ、いいなあ、こんな朝」と思いながら僕は朝ごはんを食べた。
この時期、たぶん世界中どこも同じだろうが、あの国の人がこぞって海外旅行へ出かけるのでとにかくウルサイ。
なんでこんなに、と思うぐらいにやかましい。
それは音量だけでなく、言葉の波長に人を不快にさせる何かがある。
それはたぶん、自分だけよければ良い、という心の奥のエゴから来ているものだろう。
それが会話だけでなく、すべての行動に現れている。
朝食後、そのグループのドライバーと話してみたら、台湾人のグループだそうな。
僕は妙に納得してしまった。
台湾には行ったことがないが、好感を持っており、いつかは行ってみたい国の一つである。
詳しいことは知らないが、人種的には同じような人達でも隣の大国とはここまで違う。
それは土地が作り上げる人格というものだと思う。
ニュージーランドの中でも住む場所によって人格というのは変わってくる。
日本だってそういうのはある。
土地が人を変えるのだと思う。

家の近所に豆腐屋があり、たまにそこで買い物をする。
豆腐は新鮮さで味が変わる。
アジアのスーパーでも同じ豆腐が買えるのだが、その豆腐屋に行って直接出来たての豆腐を買う。
出来立ての豆腐はすこぶる旨い。
そこは中華系の人がやっていて、「どこの国から来た?」と問われ「日本だ」と言うと、「義理の娘は日本人だ」などという話になる。
毎回気持ちよく買い物が出来る。
また近所には韓国人経営の肉屋があり、よくそこで肉を買う。
娘は韓国語を勉強中で、一緒に行くとかたことの韓国語で会話をする。
肉屋の韓国人は家族でやっていて、親父もおかみさんも娘も人柄の良さそうな顔をしている。
毎回毎回、気持ちよく買い物をする。
ニュージーランドでは、と言うか僕の周りの小さな範囲だが、日本人も中国人も韓国人も仲良くやっている。
こういう所では豆腐屋の中では中国語を、肉屋の中では韓国語を話しているのだが、その会話の響きが耳障りではない。
たぶんいい波が流れているのだろう。
日本語だってケンカの時には、嫌な気と言うものがついてまわり、気持ちよくない。
その人や場の持つ『気』で印象は変わるものだ。
言霊というものは存在する。
それは人の心とも密接に繋がっている。

それにしても台湾の人は見かけには中国の人と見分けが付かない。
間違われることもあろう。同情する。
大国の近くの似ている小さな国というものは、えてして人柄が良い。
中国の近くの台湾、アルゼンチンの近くのウルグアイ、オーストラリアの近くのニュージーランド、小さな国ではないがアメリカの隣のカナダ。
どこかしら共通するものがある。
カナダ人がアメリカ人に間違われないようにバックパックにカナダの国旗をつけるのは有名だが、それ以外の小国は国旗も似ているのでそうもいかない。
お人好しの国の人達の苦悩は続くのである。



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