心の風景 認知的体験

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ハロー効果

2009-04-12 | 心理学辞典
ハロー効果は、判断情報がほとんどない時に、一つの顕著なプラスの特性があると、それに引きずられて、他の特性もプラスに評価されてしまうものです。
見た目の良さなどは、人物評価などの際には、一番、ハロー効果を引き出しやすい特性と言えます。
そのことを私たちは、経験的によく知っていて、見た目を良くすることに腐心するようなところがあります。
こうしたことの累積効果として、見た目の良さとビジネス上の有利な扱いとが関係をもつことになったのではないでしょうか。
ただ、見た目の良さだけに依存した判断には、エラーが含まれます。思い込みエラーです。顕著な特性だけに依存した判断ですから、その人全体のイメージとしては不適切なものになる可能性があります

真実の見た目の良さは、自己表現でなくてはだめで、よそおった見た目はいずれ化けの皮が剥がれてしまいます

定額給付金がきた

2009-04-12 | 心の体験的日記
日曜日の2時頃
ピンポーン
宅急便かと思いきや
郵便局から簡易書留
定額給付金の申し込み書が届いた

書留とはびっくり
コストが心配になる
宅配便にすれば、波及効果があるだろうに
と思ったりしてしまった

さて、それにしても、どうやって使おうと
ちょぴり考えたが、口座振込みなのでそのまま
だろうなー

情報処理 と学習指導

2009-04-12 | 教育
「情報処理」

●情報の伝達から処理へ  
有史以来、情報は伝達する対象であった。しかし、1937年にコンピュータ・ABCが開発されることによって、情報は処理される対象に変わった。つまり、通信系を介して「5+9=」の答を相手に伝達するだけであったのが、コンピュータは「5+9=」の答を出すという計算処理をするようになったのである。  これに呼応して、心理学でも、人間を情報伝達系(通信系)とみなすモデルから、情報処理系(information processing system)とみなすモデルが採用されるようになり、60年代から70年代には、情報処理的アプローチに立脚した認知心理学が隆盛を極めた。

●情報処理をあらためて定義する  情報処理とは,生体,機械,組織など,部分と全体とが有機的関係を保っているシステムにおいて,入力された情報をシステム内に貯蔵されている知識とデータとを使って,目的に適うように変形,加工することである.  情報処理を考える上では,入力情報,処理の目的,システム内に貯蔵されている知識・データ,処理プログラム,処理能力(速度,容量)の5つが問題になる.

●学習指導を情報処理の枠組でとらえる  
子どもの認知システム(知覚,記憶,思考)を,教師の与える情報を選択,分類,関連づける一つの情報処理システムとみなせば,学習指導も情報処理の概念枠でとらえ直すことができる.
1)処理の目的  
情報処理システムはある目的のもとで作動する.教育では、その目的は大きくは外から与えられるが、子ども自身の中に自生的に生まれる発達目標との整合性も大事になってくる。
2)入力情報  
教師の講義内容,教材・教具,伝達メディアなどが,入力情報とその手段となる.子どもの既有知識の量と質,情報の提示チャンネル(目,耳など)への配慮が必要とされる.
3)知識,データ  
これには,「~についての知識(宣言型)」と「認知的・運動的技能を支える暗黙の知識(手続き型)」とがある.最適の学習が生ずれば,処理の結果はより高次の知識構造を生み出す.
4) 処理プログラム  
入力情報を目的に応じて変形・加工するための一定の方式に従ったルールの体系がプログラムである.授業の現場では、どれほど豊富で効果的なプログラムを子どもに提供できるかが勝負となる。
5)処理能力  
大量かつ多彩な情報を効率的に処理するには,認知システムの十全な働きを必須とする.学習指導の結果として,こうした能力(情報活用能力)の陶冶も期待されているのは言うまでもない.

学習指導を情報化社会のキーワードである情報処理の概念枠のなかでとらえ直すことによって,子どもの学習を時代思潮の流れのなかに位置づけて考えることができるようになる。(海保博之)

認知行動療法

2009-04-12 | 心理学辞典

● 認知行動療法(cognitive-behavioral therapy)
行動療法は、20世紀前半の行動主義に立脚した心理学、とりわけ条件づけの心理学の知見を援用して編み出された行動変容の技術を援用する心理療法である。
これに対して、認知療法は、20世紀後半の認知主義に立脚した心理学の知見を援用して編み出された認知、思考変容の技術からなる心理療法である。
この相反する心理学に立脚した2つの心理療法が、1990年頃になって認知行動療法として新たな展開を遂げてきた。
その基本的な考え方は、たとえば、うつ病などでは、自分自身に対するネガティブな評価を自ら作り出してそれに固執する(否定的自動思考=>)ことで、行動も不如意になってしまう。そこで、一つはそうした思考からの解放、もう一つは不如意となっている行動の改善、の両面から治療をしようとするものである。





学ぶ意欲とスキルを育てる 書評

2009-04-12 | 教育
04/6/26海保 「指導と評価」 掲載書評

市川伸一「学ぶ意欲とスキルを育てる;いま求められる学力向上策」小学館 1400円

●「基礎へ降りていく学習」を  
テニスがうまくなりたい。どうすればよいかは自明である。ストロークやバックハンドの基礎に立ちかえってじっくりと練習するばよい。これが基礎へ降りていく学習である。(試合ばかりしていては熟達の域には達しないことは、評者が保証する。)  となると、こういうことをしたいという必要感を子どもに持たせることが大事となる。そんなことを実感させる場として、たとえば、インターネットを使った英語学習などのような「機能的学習環境」(三宅なおみ)や、あたかも研究者が研究をするような「真性の学びの場(reseracher-like-activity;RLA)」を授業にもっと持ち込むことを推奨することになる。


●「教えて考えさせる授業」を  
知識の詰め込みも、教えずに考えさせる授業も極端に過ぎる。教えながら考えさせる授業が基本になれなければならない。  新しい単元に入るところでの典型的な流れとしては、教師からの説明から入って、子どもに「人にきちんと説明できるか」をめやすに理解の確認をさせ、さらに、発展課題を考えながら自己評価活動をさせることになる。  そのことによって、授業の場は、「予習による疑問と、復習による定着」のサイクルと、「表現による共有と、追及による触発」のサイクルとが交差する開いた場となる。

●「認知カウンセリング」を  
できない子どもには、学習相談室や放課後学習チューターなど授業の外で、どこがなぜわからないのか(診断)、どうすればわかるか(学習スキルの指導)、 を個別指導する。  大事なことは、あくまで子ども自身による気づきである。そして、最終的には、一つのつまづきから、より一般的な教訓をみずからが引き出せるようにする(「教訓帰納」)ことである。

●次世代キーワードは「人間力」  
伝統的な学校教育では、学者や芸術家やスポーツ選手をモデルとしてきた。しかし、これからは、健全な生活を営んでいる一般市民をモデルとすることで、市民生活、職業生活、文化生活の3本柱に配慮した学習テーマが大事になってくる。  教科学習は文化生活を、職業理解学習は職業生活を、社会参加は市民生活をより充実したものにするための準備として位置づけることにより、多彩な授業外学習支援活動が組織化できる。  結果として、社会の現実場面で発生する課題をたくましくこなしていける人間力を身につけた子どもが学校から巣立っていくのを期待することになる。

●本書の評価は  
以上が、本書の内容の骨子である。念のため、章タイトルは次のようになっている。
1章 学力と学習をどうとらえ   るか
2章 学ぶの文脈づくり--学ぶ   ことの意味が見える課題   と活動
3章 わかる授業を求めて--   「教えて考えさせる授業」   を基調に
4章 家庭学習を含めた学習ス   キルの育成 5章 授業外学習支援の充実  
認知活動を、学習者と状況との相互交流としてとらえる立場を「状況的認知論」という。現在の認知心理学の潮流の一つである。これに軸足を置きながらも、学習者の頭の中で行なわれる「知識をベースにした認知活動」(これも認知心理学のもう一つの潮流)の特性にも配慮した、バランスのとれた教育論が展開されている好著である。