研究者も研究の場を離れれば一人の生活者である。生活者としてのモラルを守ることは当然である。ところが、これが意外と難しい。とりわけ、大学をずっと仕事と生活の場にしてきた者は---日本では、ひとたび大学教官になると定年まで外の世界に出ることは極めてまれ。
外の世界を知らないだけに、世間一般の生活者としてのモラルを守れないことが多いように思う。そこにこそ個性があり、アイデンティティがあるとも言えるし、とりわけ横ならび意識が強い日本社会ではむしろ希少価値もあるとも言えるが、研究者が世間---研究者の生活の中にも「世間」(1)が実はあるのだが---と接触するようなところでは、軋轢が発生してしまうことも多い。
外の世界を知らないだけに、世間一般の生活者としてのモラルを守れないことが多いように思う。そこにこそ個性があり、アイデンティティがあるとも言えるし、とりわけ横ならび意識が強い日本社会ではむしろ希少価値もあるとも言えるが、研究者が世間---研究者の生活の中にも「世間」(1)が実はあるのだが---と接触するようなところでは、軋轢が発生してしまうことも多い。