月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

411.雄弁すぎる彫刻師の二文字(月刊「祭御宅」2023.3月2号)

2023-03-15 20:25:22 | 屋台・だんじり・神輿-装飾の工芸、新調、改修、修復-
令和四年一月八日九日、祭職人展、一年以上たって振り返る
昨年、イーグレ姫路で祭職人展が盛大に行われました。管理人も「播州祭馬鹿」の一員として、作品解説やパネル作成に微力ながら携わらせていただきました。
自分なりに精魂込めて解説文を書いたつもりですが、わずか二文字に管理人は惨敗しました。
 
下の写真は管理人が解説を書いた作品ではありません。展示されていた飾り金具と狭間彫刻です。
 
 
●ボンクラ祭ブログ管理人、あれこれ屁理屈こねましたが。。。
「我、名文を書いたり」と思って、いざ展示をしてみました。が、名だたる名作を補足するにたる文章を書けたかどうかは、かなり疑問です。特に、場面解説ではない表現方法の解説。実際に作品を作っていない人間、しかも、彫刻、金具、大工仕事、刺繍、すべてにおいて周りの若い人や先輩に教えてもらう立場の人間の言葉にはやはり限界があるように感じました。
 
 
●雄弁すぎる二文字
下の作品を見てください。
これは、貳代目小河義保師が彫られた作品です。
 
そこに書かれていたのは「カニ」。
の二文字。
いや、「見たらわかるがな。」
と心の中でつっこんだのですが、
「見たら、わかりすぎる」ほどカニです。
木なので動かないのですが、動き出さない方が不思議なほどカニでした。
作品のすごさ、小河師の腕を語るには、実物があれば二文字でことたりるようです。みたまんまシンプルにかくことで、その作品のよさは十分に伝わるのでしょう。
ご高齢の小河師の実演、観客にまじって若い彫刻しさんたちがじっとみていらっしゃったのが、印象的でした。
 
 
●編集後記にかえて-職人さんの語り-
この展示の中で、職人さんたちが実際に語るという企画も行われました。漆塗り職人の名工としても知られる砂川師は、この日ばかりは、みのもんたもびっくりの名司会者ぶりで、それぞれの職人さんたちの生の声を笑いも交えながら、届けてくれました。
その中でも、そのマイペースぶりでひときわ大きな笑いをかっさらったのが、錺金具職人の北角師です。北角師には、独立される前からわれらが明石町屋台も非常にお世話になっております。
マイペースぶりに笑いにつつまれながらも、さすがは、名工として知られる北角師。自らのことを「まだまだ」とおっしやいました。この言葉を聞いたとき、自分達の屋台が、常に高みを目指すこの方のお世話になっていることが誇らしくおもえました。
管理人にとっては、自町がお世話になっている北角師が誇らしく思えた会となりました。そして、同じような思いを、それぞれの屋台関係者がそれぞれお世話になった職人さんを誇ることができる会になったと思います。
この会に携わるきっかけとなった播州祭馬鹿、姫路市商工会青年部、推薦してくれた某氏に御礼申し上げます。
 
-最後に管理人も名解説にチャレンジ-
多分、生きているなかで一番の作品解説ができると思います。
 
 
 
 
 
 
 


北角師製作
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