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ヴァイオリニスト五嶋みどりと京都市交響楽団を聴く

2016-09-12 00:20:03 | 音楽
11日の午後二時から京都コンサートホールにて
ヴァイオリニスト「五嶋みどり」と広上淳一指揮
創立60周年記念 京都市交響楽団の演奏会がありました。
 
みどりさんには2005年11月に富山のオーバード・ホールで
マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団との共演で
シベリウス、ヴァイオリン協奏曲ニ短調,op.47を聴いたとき
以来11年ぶり、2014年にはグラミー賞を獲得されており、
現在44歳、音楽に深みがさらに増していることでしょう。
心をときめかしてきかせていただきます。

京都北山駅をおり、久しぶりの昼の北山通りは蒸し暑く感じ、
京都市植物園前には花は少なく15日の中秋の名月に案内板が
  
コンサートホールへの遊歩道脇の萩は、刈られてしまい
反対側では葛の花が、覆い尽くしておりました。
   
今日のプログラムには、午後1時40分からなんと
広上さんとみどりさんのプレトークという粋な計らいも。

モーツァルトの歌劇「後宮からの逃走」序曲から始まりますが、
なにか広上さん一人がはしゃいでいる感じ、アンバランスさが
最後にはなんとか一体化されてきており、次への期待が膨らみ、
編成が少し小さくされ、お目当ての「みどり」さん登場。
笑みの中にも音楽へのあくなき追求者的なオーラが醸し出され、
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲ニ長調op.35が始まり、
出だしは第一ヴァイオリンの問いかけに全体が答える問答形式に
「みどり」のヴァイオリンが答えます。
前から3番目以前NHKで拝見した練習風景からもっとすごい撥指と
思いきや、指板を押さえておられる左手の指の小さなこと。
さらに考え抜かれたボーイングと弓の位置まで目にはいります。
研ぎ澄まされた弱音と荒々しい強い音との
対比が素晴らしく、一途な強さと美しさを保ち、彼女の内面に
深くはいって行くようにも感じました。
身体を左右に前傾させ、激しい動作が連獅子だと言われますが、
魂が揺さぶられるような演奏で、客席からは拍手の嵐と
ステージからは楽団員の足踏みの音がドド・ドーンと響きます。
アンコールは二曲、何も告げずにはじまりました。
・バッハ無伴奏パルティータ2番サラバンド
 2番は「シャコンヌ」を終曲にもつも、「みどり」風の表現で
 先ほどとはやや押さえたボーイングで静かに心に響きます。
・バッハ無伴奏パルティータ3番プレリュード
 丁寧に厄介な分散和音を、やさしくかつダイナミックに
 演じ分けておられました。
拍手し過ぎで大変。コンサートマスターになにかささやかれ
休憩に入り、楽屋への後姿が今日の見納になりました。

後半リムスキーコルサコフの交響組曲「シェエラザード」op.35
コンサートマスターの豊嶋泰嗣さんは、本当に大変でしたね。
「みどり」さんの後のヴァイオリンの独奏の連続、でも最後の
長い連続したフラジオ、きっちりと勤め上げられました。
感想としては、演奏自体は総花的ですが、広上さんの指揮する
後ろ姿や横顔が見ていて非常に楽しくなりました。
アンコールは、武満徹さんの映画音楽「他人の顔」から?
可もなく不可もなくですね。
終演後のサイン会は長蛇の列で、入り口まで続いており
あきらめましょう。
今度、いつ出会えるのでしょうか?