気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

月見ずの十五夜は「芋名月」で

2016-09-15 00:40:54 | 主菓子とお干菓子
秋雨前線と台風で、変な天候が続いております。
虫の音を聞きながら、パソコンに向かっていると、
あっという間に、日が変わり、旧暦の八月十五日に。
今日15日は、中秋の名月で真ん丸?のお月様のもと、
”お団子を作りますので、ススキでも採ってきて下さい。
 夫婦二人だけのお月見をしませんか?”
と思っているのですが・・・どうでしょうか?
降水確率20%、もしかして見られるかも。
台風16号の影響があるそうなので、今日を逃すと
月を眺められるのは21日(水)以降のようですね。

お稽古での主菓子は、先日の大先生の月一回のお稽古で頂いた
萬々堂通則 の「芋名月」、
 
中秋の名月は芋名月とも言われており、
秋の収穫に感謝する収穫祭がもとになります。
中国の文化の影響で平安時代から里芋などをお供えしており、
江戸時代より少し前になると、丸い白い団子に変わります。
昨年の自作
また里芋で平安時代の女性の笠を表した「きぬかつぎ」は

里芋を蒸しただけで、上部1/3を剝いたものを
白味噌に酒と砂糖入れたものに浸けていただくそうです。
江戸時代前期の俳諧撰集「犬子(えのこ)集」で松永貞徳は
『雲霧や芋名月の衣(きぬ)かつぎ
と詠んでおります。

関西では、漉し餡を真ん中に施す月見団子もありますね。
昨年の自作
雲間に隠れる月をあらわしているのでしょうか?

茶祖、村田珠光さんの名言の一つに
月も雲間のなきは嫌にて候
侘び茶の美意識を表しているのでしょうか。
でもその200年前、吉田兼好は徒然草(137段)で同じ境地に
「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは。
 雨に対ひて月を恋ひ、垂れこめて春の行方知らぬも、
 なほあはれに情け深し。」と
今日の天候では雲間に隠れる中秋の名月が見られるかも
本当に、月が恋しくなりますね。
でも月齢では15日は満月ではなく、17日(土)ですが、
少し欠けた月も良いものになりますね。

なお15夜の月だけ見る「片月見」は良くないそうで、
旧暦の9月13日、10月13日の十三夜(栗名月)も
楽しむこととしましょうか。