保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

保津川下り乗船場の紅葉を眺めながら・・・

2007-12-01 16:34:34 | 船頭の目・・・雑感・雑記
今日から12月、好天に恵まれた今日の保津川下りには
まだまだ、大勢の観光客がお越し下さっております。

その観光客のお越しを出迎えてくれるのが‘乗船場の紅葉’です。

葉は毎年深い赤色の染まり、これから船で下る
保津川峡谷の紅葉風景を予感させるもみじです。
今年は今が見頃で、きれいな‘紅’に色づいています。

乗船時間まで間、このもみじの下で記念写真を撮る
家族連れやカップルも多いです。

秋の乗船場を紅く彩るもみじは、私達の保津川遊船企業組合が
設立された昭和44年に植えられたものだと聞いています。

大手鉄道会社の所有であった保津川下りを、船頭の手に
取り戻し‘自主運航’に漕ぎ付けた昭和44年。
船や事務所、乗船場など施設を会社側に押さえられ
使用できないようにされていた船頭たちは、自分達で
資金を寄せ集め、今の乗船場と船を造りました。
その時、新たな乗船場にこのもみじを植えたのです。
それが38年の歳月を経て、今年も多く訪れる観光客の
目を楽しませ、記念写真を写せるほどの美しい場所に
もなっています。

時代を越えて、人は次の世代に何を残していくのだろう?
そのヒントをこの‘もみじ’は教えてくれている様に感じます。

我々「保津川エコ・グリーン委員会」でも今年から
保津川峡谷に‘もみじ’や‘桜’など渓谷を美しく彩る
植樹を実施していく「プロジェクト」を進めています。

私達の時代ではまだ小さな木々たちですが、
これらの‘木々’たちが今の乗船場のもみじの様に
30年、40年もしたら全国いや、全世界から
保津川に訪れる人々の目にとまり、その人達の
心に多くの癒しや感動を与え続ける。
そしてなにより、これこそが、保津川の川下りを
守り継承していく後輩達への先輩からのささやかな
プレゼントにほかなりません。

‘人間は生きている間に、何を後世に残せるか?’

この答えをこれから「保津川峡谷の大自然に求めていきたい!」
乗船場のもみじを眺めながら、そう思うのです。