保津川下りの船頭さん

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「秋桜」?コスモスの花を眺めながら思う・・・

2009-10-28 16:06:01 | 船頭の目・・・雑感・雑記
日に日に秋の深まりを感じる季節です。

初秋から保津川下りにお越しになる観光客をお出迎えしてきた
駅前の「コスモス園」の花たちもいよいよ終焉の時が近づいてきました。

「保津川下り」の下車駅である「JR亀岡駅」周辺の農地では毎年、
観光に来られる方々を気持ちよくおもてなしする為、地元農事組合で
休耕中の農地を利用して「コスモス園」を整備されていて、例年
大勢の見物客が訪れる人気スポット。

しかし、今年はすこし様子が違うようです。

開園間もなくして襲ってきた台風18号の直撃を受け、花の茎がすべて倒れ寝てしまういう事態に陥り、
荒れてしまった園には例年の賑わいはなく人影もまばら・・・

そして終園(終焉)の時を迎えようとしております。

訪れる人の姿もない・・・そんな園内ですが、コスモスはそのいのちの限り
一生懸命に咲き誇り生きています。

「秋」の「桜」と書いてコスモス・・・なぜ、そのように書くのかは
定かではないそうですが、一説によると桜と花びらの形や色が
似ていることから「秋桜」と書かれるようになったともいわれています。

桜のように華やかでもなく、潔く散る花でもない。
小道や山の中にポッと咲く、なんとも素朴な花です。

元は外来種で、たくさん集まってこそ美しさを際立たせる花。

私が感じる桜のイメージとは少し異なるようの思うのです。

秋風に吹かれる細い茎は今にも飛ばされそうな弱々しさを感じさせ、
見ている者を心配を誘い、琴線にふれる哀愁を漂わせています。

しかし本当の姿は少し違うようです。
日当たりと水はけがよければ痩せた土地にでも根を付けることが
できる逞しさを持ち、しかも根が強いのです。

台風の大風を受けても剥がされることなく大地にしっかりと根を張り、
茎は倒されても折れることなく花を咲かせ続けます。

コスモス・・・なんと強い花なのでしょう。

儚く弱そうに見えるものが実は強く、華やかで強そうに見えるものが実は弱い。

この自然界が現す‘逆説’の真理は、私たち人間に
多くの示唆を与えてくれているように感じてなりません。

季節の主役は燃え滾る錦絵のような紅葉へと移り、人々の関心も移ってゆきます

台風で倒れたコスモスの群れを見ながら
「今年のコスモスは美しくないな~」「これでは見に来る人もいないよ~」
などとため息交じりで嘆く関係者。

しかし、コスモスは茎を倒され、荒れながらも枯れることなく、しっかりと咲き、
昨年の花と何も変わっていません。変わったのは観る人の目の方です。

私達の勝手な価値観に関係なく、コスモスは‘終焉’のその時まで、
強く咲き誇っています。

素朴にしてこの芯の強い気高さ。

コスモスやはり「秋桜」なのかもしれませんね。

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