保津川下りの船頭さん

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経験したことのない自然災害に知る逆境観

2018-10-29 08:41:55 | 船頭の目・・・雑感・雑記
今年の夏は、これまで川で生きてきて経験したことない自然災害に見舞われました。

7月の記録的な西日本豪雨にはじまり、超猛暑日が続き、台風のラッシュへ!

20号、21号、24号が近畿に上陸し、その合間にも記録的短時間豪雨が降るなど、
年間降雨量を超える雨が夏期だけ降りました。

川で生業をする我々船頭にとって、台風や豪雨は河川に洪水を生み出し、長期に渡り引かない水量で
仕事ができない日が続く事を意味しています。

今年は7月に約1ヶ月、更に8月から10月までの約2ヶ月、計3か月も仕事ができない日が続きました。
こうなると、会社自体に収入が入らず、出来高払いの船頭にも給料を払えないのです。
数億もの収益が見込めず、苦しい運営の中、一日も早く営業再開を目指して復旧作業の毎日。
やっと目途が立ったと希望が出てきた矢先、次の台風がやってきてすべての希望を押し流していきました。
復旧作業をしては潰され、また作り直したら潰されるの繰り返しです。
もう、修行をしている様な精神状態です。心身ともに疲弊していく日々が2ヶ月も続きました。

この逆境に見舞われ、追い詰められる日々、ドン底の心理状態で洪水の川を眺めながら思考を巡らせ瞑想していました。

ドン底にある人間には、普段では浮かばない思考が生まれるものです。ドン底にいる人間は強いのです。
ある日、はっと気づきました。
ドン底の心理状態の中で自分の心は死んでいた。死んだ心で浮かぶことは、
「なぜ、こんな目にあうのだろう?あんなに好調に走っていたのに・・・」
「こんなことになり、これから、どうなってしまうのか・・・」とため息をつきながら、
思い悩んでばかりいる自分に気付いたのです。
つまり、過去にとらわれ悔しがり、未来の不安に苛まれる心。この心が原因で心身ともに疲弊していったのです。
「これではダメだ!この逆境をどのように解釈するか?その心持ち次第で、今後の展開は変わってくる。」
「それには過去は過ぎ去ったこと、未来は未定のこと、現実にあるのは‘今’このときしかない!」
「あるのは永遠に続く今だけだ!今を生きろ!今を精一杯生きろ!」と心が叫び出したのです!
心の奥底から叫び声は、未熟な自分に何かを掴ませようとされる‘天の声’だ!

この瞬間、自分はこの逆境に意味を持たせたのです。

そう、心を定めた瞬間、まわりの景気が一変しはじめます。
そしてさらに、思考を深める実践の日々が始まりました。
それは人間としての成長への日々の始りだったのです。

逆境から学んだこと。次回はその思考と行動の旅路を書き綴っていきたいです。



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