保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

震災の‘あの日’に思う・・・生きること。

2009-01-17 23:24:37 | 船頭の目・・・雑感・雑記
また‘この日’がやってきました。。

14年前の今日、多くの尊い命を奪った「阪神淡路大震災」。

毎年、この日が来るたびに当時のことが
思い出され私の心を強く締め付けます。

14年前の‘あの日’前日、私は‘あの場所’にいました。
震災最大の被害があった神戸市長田区に。

成人式の振り替え休日を利用し、長田区にあった
親類の家に一泊で遊びにいっていたのです。

前夜は皆で近所の居酒屋に繰り出しワイワイ一杯
やりながら楽しい会話に花が咲きました。
その後起こる悲劇など頭の片隅にも想像できず、
楽しいひととき。
柱が剥き出しになった町家造りの店内は確か満員。

一杯飲んだ後の九州ラーメン屋さんの味も忘れられない。

近所の銭湯へも行き、一日の疲れを癒しました。
年季のある絵が描かれる壁タイル、ライオンの給水口、
レバー式のシャワーなど昔懐かしい情緒ある湯に
身も心も温まったことを思い出す。

ごく当たり前の日常、楽しく幸せな時間・・・
その約30時間後にやって来る悲劇など
想像すら出来ませんでした。

約18時間後には崩壊することになる「JR新長田駅」
から電車に乗り京都へ帰った私はその悲劇から逃れた。

その数時間後、テレビの画面に映し出されたのは
確かに数十時間前に自分がいた神戸市長田区でした。

崩れた駅、黒い炎をあげ燃え上がるアーケード商店街、
そして倒壊する住宅地、目を覆いたくなる様な映像。

そこには昨日いった居酒屋やラーメン屋、銭湯があり、
なにより親戚の家がある。

泊まらせてもらった親戚の家は、地震から数十秒で
2階部分が崩れ倒壊したそうです。

遊びにいくのが一日遅ければ・・・
いや地震が一日早く起これば・・・

私は間違いなく今この世にいないだろ・・・、

楽しく語らい飲んだ町家風の居酒屋も美味しかった
九州ラーメン屋も、そして昔情緒いっぱいの銭湯も、
この世から永遠に消えてなくなったことを、あとから
知りました。

当たり前に来ると思っていた「明日」が実はとても
不確実であること‘生きている’ということのは
けして当たり前の事ではないと初めて実感したあの日。

いのちの大切さと生きていること素晴らしさよ。

人生の価値観を大きく変えた‘あの日’のことを、
私はけして忘れることはでしょう。

震災前に見た、あの長田の風景とともに・・
しあわせはこべるように

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
忘災にさせないために・・・ (瑞穂)
2009-01-18 17:32:26
またこの日が訪れましたね。
あらためて犠牲になられた方々のご冥福をお祈り
致しますm(__)m

人生の価値観が大きく変わる・・・
はっちんさんは前日までその場にいらしたので、
尚更その思いは強いことでしょうね。

震災を乗り越えて生き抜いてこられた皆さんの
ご苦労とご心労はどれだけ壮絶なことだったで
しょう。

経験していない私が簡単に発言することは、本当に
申し訳ないことだとは思いますが、そのご努力に
只ただ頭の下る思いでいっぱいですm(__)m

今私たちがしなければならないことは、生きている
ことに感謝し、震災を忘れないこと・・・。
亡くなられた方々の犠牲を無駄にしないためにも
また起こるかも知れない大地震に備えるために、
あの大震災で得た教訓を風化させないように
しなければいけないですね。
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生きるということ。 (はっちん)
2009-01-19 21:01:20
瑞穂さんへ。

毎年、この1月17日がくるたびに
自分の人生について考えます。

人生にifはないのですが「もし、あの時・・・」
と思うと「今、生きているだけでも幸運」です。

人は生きていると、いろんな希望が欲が生まれ
自分の願い通りにいかないと、絶望し生きる気力
すらなくしてしまうことがあります。

よくよく思案すると何とおろかな考え方でしょう。

人はいのちあればこそ、生きていればこそ、
いろんな人生芝居を演じることができる。
人生芝居より大事なものは、いのちの舞台だと
思います。舞台という土台があってこそ、
芝居は花を咲かすのだと思います。

生きているということを当たり前だと
考えず、今、生きている’という事実に
感動し、感謝する心が大切だと思いたいです。

ややもすると世情の価値に流されそうになる
私に、もう一度、そのことを気づかせてくれる
日が、私にとっての1月17日です。


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