創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

『秘書奇譚』『今昔物語集』

2022-01-28 14:28:02 | 読書
『秘書奇譚』ブラックウッド・南條竹則訳
『今昔物語集』作者未詳・大岡玲訳
短期間で二作読んだ。
どちらも読み切れるかどうか自信がなかったけれど楽しく読めた。
『秘書奇譚』はミステリーと言うよりは恐怖小説と言った方がよいかもしれない。
江戸川乱歩がブラックウッドについて書いていたのを覚えている。
いずれの短篇もブルッとくる。
『今昔物語集』は収穫だった。
本当に面白くて一気に読んだ。
中世の人々が縦横無尽に活躍する。
大岡さんの現代語訳も秀逸である。
図書館で借りたが、手元に置きたいと思った。
楽天で買おう!(決心がいるのです)
買いました。

『七夜物語(ななよものがたり)上・下』川上弘美著

2021-10-28 16:16:11 | 読書
2009年9月10日から2011年5月5日まで朝日新聞朝刊に連載されたものです。
私は毎朝読んでました。
単行本になったのを直ぐに買ったのですが、読まずに書棚に仕舞ったままになっていたのです。
9年後に取り出して読み始めたら、止まらない。
あまり覚えていないのにも啞然としました。
「単行本化にあたって大幅に加筆訂正をしました」とあり、そのためかもしれませんが……。
話は変わりますが、日曜美術館で谷内六郎氏を取り上げてました。
「週刊新潮」の表紙が懐かしいです。
その谷内六郎さんの長女の方の言葉「知らないけれど知っている世界」が『七夜物語』にピッタリです。
『七夜物語』は、怖い作品です。
一般のファンタジーと異なります。
『七夜物語』の世界から戻って来られない恐怖が絶えずあるからです。
今の世界も自分の夢かもしれないと疑う私にとってかなり怖いのです。
『七夜物語』は異次元の世界ではなく今の世界と「パラレルワールド」なのです。
すごい小説です。
行きつけの図書館で『七夜物語』を検索してみて下さい。

「老いる意味」森村誠一著

2021-09-29 15:23:12 | 読書
私は今年「後期高齢者」になつた。
誕生日の7月頃から 急に「しんどい」日が増えた。
いつもは一週間ぐらいで全快した風邪がずっと続いているみたいだった。
これが「老い」なのかとふと思った。
そんな時この本に出会った。
米寿を迎えた先輩のポジティブな「第二人生論」である。
「余生」は「第二の始発駅」。
未来に目を向ければいまの自分が「一番若い」
老いて行く「私」に寄り添ってくれる本である。

岬一郎の抵抗上・下(半村 良著)

2021-06-24 15:37:27 | 読書
図書館で『岬一郎の抵抗』を検索した。
1988年発行の上下およそ1200頁の超大作は、書庫に眠っていた。
とても申し訳ない気がした。
寄贈したのは私である。
もう一度読んでみようと思った。
今読んでみてもとてつもない作品である。
全く色あせていなかった。
このブログを読んでいる人は、近くの図書館で『岬一郎の抵抗』を検索して欲しいと思う。
運よく出会うことが出来れば、至福の読書を楽しむことが出来る。
私が請け合う。

『三度目の恋』川上弘美著

2021-04-17 14:32:58 | 読書
あとがきに、
『伊勢物語』をモチーフにした作品であり、『高丘親王航海記』の大いなるオマージュでもあると書かれています。
『高丘親王航海記』は*両手読みをしています。
『伊勢物語』は川上弘美訳で読みました。
見事に何も覚えていない。
『三度目の恋』は楽しく読み終えました。
江戸時代、平安時代と現代との交錯が楽しいです。
『枕草子』を訳していた頃を思い出します。
最後は鮮やかな着地です。

*「両手読み」は造語です。目次毎に原作と漫画を行き来しています。
参照ブログ1
参照ブログ2

『死者の書』原作折口信夫・漫画近藤ようこ(2)

2021-03-19 10:54:10 | 読書
舞台になっている二上山は私の散歩コースで見えます。
大和三山も私の散歩コースで見えます。
毎日古代ロマンの中を歩いているのです。
五十年近く住みながら、畝傍山と耳成山の区別があやふやです。
多分向かって右が畝傍山、左が耳成山、その左に写っていないが、香具山があると思います。
大和三山は見る位置によっても形が変わりますので思いのほか区別が難しいです。
その点二上山(ふたかみやま)はかんたん。
西を向けばいつもあります。
春分と秋分には雄岳と雌岳のちょうど間に夕陽が落ちるとのこと。
『死者の書』を読んでいて初めて知りました。
春分はもうすぐです。
明日!






『死者の書』原作折口信夫・漫画近藤ようこ

2021-03-17 15:37:45 | 読書
折口信夫の名前だけは知っていました。
読みは「おりぐちのぶお」。
まるっきり違ってました。
「おりくちしのぶ」
原作と漫画の両読みで楽しもうと。
だが、「高岳親王航海記」とは違い原作が難しい。
少し読んだが、頭がガンガン。
それでは電子本で読もうと画策しました。
まずは愛機LAVIEに青空文庫「ビューアAd」「 Yom!青空文庫」インストール。
『死者の書』は簡単に見つかりました。
すごく見やすい。感動しました。
さあ読もう。
ルビの大きさまで指定できるのは驚きです。


『われもまた天に』古井由吉著

2020-11-12 14:58:26 | 読書
古井由吉氏の小説を読む度に、自分が古井由吉氏の小説をどこまで理解しているか怪しいもんだといつも思う。
作家の最後の小説集は、74歳の私にとって読むのがつらい小説である。
しかし読んだ。
義務のように読んだ。
あまりにも自分に近い。
老は辛い。
衰えながら、ひとりで一本道をとぼとぼと歩いていく。
その先がふっと途絶えるのは知っている。
だが……。
生きる以外道はない。

👀『死神の棋譜』奥泉光著

2020-10-18 10:26:16 | 読書
私はいわゆる『観る将』です。
俗に、自分では将棋を指さずに、プロ棋士などの対局の観戦を楽しむ将棋ファンのこと。(デジタル大辞泉)
将棋フォーカス(NHK Eテレ)も毎週録画にとって観ています。
藤井聡太君の実況も観ています(ABEMAテレビ将棋チャンネル)。
状況をコンピューター判断させたり、大盤解説なんかもあり楽しいですよ。
だから、将棋界のことは大体知っています。
大体……。
小説は大変面白いです。
ずんずん引き込まれます。
身を削る(頭を削る)戦いと幻想のミックスは時間を忘れて奥泉ワールドに引き込まれます。
以下ちょっとネタバレです。
最後が頭の悪い小生には分からなかった。
「それがわからへんだら何を読んどってん」と言われそうですが、分らへんもんは分らへん。
書評を読んでも分からない。
そのうち一つのネタバレ感想に行き着きましたそういうことやったんか。
ほんまにそういうことやろか?
とにかく小説は面白かった。
今朝は散歩のコースを変えました。
駅前の『図書ポスト』に『死神の棋譜』を返却するためです。
予約が入ってました。
次はどんな人が読むのだろう。