橋本製作所は原発のそばにあった。原発向けのロボットを作っている。ムッシュは危険な場所で働かされているのだろうか。受付で、柳原という人を呼んでもらった。痩せた童顔の男が出てきた。
「ロボ・ボーイの事で来られた村瀬さんですね?」
「はい」
「譲ってもらえますか」
「まあ、倉庫にいますが。改良の方が高くつくんですよ。でも開発費が結構かかっていますから。何に使われるんですか」
私は黙った。
柳原さんはまあいいやという感じで、
「上司と相談して、20万円でいかがですか」
思っていたより安い。10倍でも買うつもりだった。
「結構です」
「それじゃ宅配で送ります」
私は住所を書いた。彼は振込先を書いた。
「すぐに、送りますよ」
「えっ、振り込むのが遅れるかもしれません」
「全然かまわない。あなたはそんな人じゃないから」
ちょっと上目遣いに私を見て、
「もう一人、あなたと同じことを言ってこられた方があるんですよ。タッチの差であなたの方が先だった。あっ来られましたよ。多分あの人だ」
ドアを開けて入ってきた男に見覚えがあった。ファミレスの店長だった。彼ははにかみながら近づいてきた。
「ロボ・ボーイの事で来られた村瀬さんですね?」
「はい」
「譲ってもらえますか」
「まあ、倉庫にいますが。改良の方が高くつくんですよ。でも開発費が結構かかっていますから。何に使われるんですか」
私は黙った。
柳原さんはまあいいやという感じで、
「上司と相談して、20万円でいかがですか」
思っていたより安い。10倍でも買うつもりだった。
「結構です」
「それじゃ宅配で送ります」
私は住所を書いた。彼は振込先を書いた。
「すぐに、送りますよ」
「えっ、振り込むのが遅れるかもしれません」
「全然かまわない。あなたはそんな人じゃないから」
ちょっと上目遣いに私を見て、
「もう一人、あなたと同じことを言ってこられた方があるんですよ。タッチの差であなたの方が先だった。あっ来られましたよ。多分あの人だ」
ドアを開けて入ってきた男に見覚えがあった。ファミレスの店長だった。彼ははにかみながら近づいてきた。