創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

愛を読むひと

2010-02-28 14:35:00 | 映画・舞台
せめぎあい
この映画には戦争が深く関与していると思います。ハンナの罪を軽くする可能性のある彼女の秘密をマイケルが言わないのはハンナの犯した罪を許せないからだと思います。パッシングの嵐を受けるハンナを助けることは自分の保身かもしれませんが。「彼女の名誉のためだ」と言いますが非常に含蓄のある科白です。複雑な葛藤が伝わってきます。面会に行って引き返すのも、手紙をぞんざいに扱うのも、返事を書かないのもその延長にあるといえます。罪と愛がせめぎあい、戦争の深い傷跡が垣間見られます。ただ、本を読むことでしかマイケルはハンナへの愛を表せないだと思います。最後は娘に伝えることにより、次世代へ伝えるメッセージとしてこの切ない物語は終わります。

-祈りの廻廊-奈良大和路 秘宝・秘仏特別開帳

2010-02-27 15:04:58 | お出かけ
法隆寺と中宮寺のスナップ写真です。


法隆寺で通常は年に1日しか公開されない国宝・伝法堂(でんぽうどう)の特別開扉もみてきました。2月いっぱいで終了です。中宮寺の特別開帳は表御殿です。これも2月いっぱいで終了です。 しだれ梅がとても美しかった。
とにかく法隆寺は広い。中宮寺にたどり着いた時はへとへと。仏像がいっぱいで終わったらなにをみたのか分からない。3月からは-祈りの廻廊-奈良大和路 秘宝・秘仏特別開帳が本格化します。この機会に是非お越しを。

法隆寺と中宮寺に行ってきました

2010-02-26 19:37:44 | 身辺雑記
法隆寺と中宮寺に行ってきました。中宮寺は法隆寺のお隣ですけど……。遷都1300年の特別開帳もあります。「祈りの廻廊」第一歩です。10時半から説明があります。
よかったらどうぞと言われ説明を聞きました。とても分かりやすく、聞かずに巡るとはずいぶん違ったと思います。建物も国宝、仏像も国宝、国宝のオンパレードです。中宮寺で菩薩半跏像(ぼさつはんかぞう)と再会。
佇みし 仏の姿 春の夢 
細かい雨が降っています。 
五月雨に 仏の姿 春霞
しだれ梅 いにしえの塔に 小雨降る
五月雨に 石段怖し 我がいる
陶器と家庭会席のお店「辻花」は今回もダメ。前日の予約が必要なようです。敷居が高いなあ。でもしばらくは行かないなあと思います。

「1Q84・BOOK3」

2010-02-24 14:32:31 | 読書
amazonからのメールで村上春樹さんの小説「1Q84・BOOK3」(1995円)が4月16日に発売されるのを知った。直ぐに amazonに注文。.BOOK1、2は初版本を手に入れたけれど、BOOK3も初版本がほしいと思います。春が楽しみです。

源氏物語・大塚ひかり著 四十七の巻 総角(あげまき)

2010-02-21 15:07:03 | 読書
140頁にわたる長い総角(あげまき)の巻を読み終えました。薫と姉姫の壮絶(よく使うなあ……)な恋が語られます。それも最後まで二人は男女の仲になっていません。姉姫はそれを拒み続けます。濃密な死の匂いさえする恋愛です。これまでの物語とかけ離れた世界です。宇治十帖の作者別人説が出るのももっともだと思います。でも、紫式部が書いたと私は思います。物語の天才が同時代に二人も出るとは思えないのです。清少納言みたいな才女はいたかもしれませんが。各巻の前に至極簡単なあらすじがついていますが、これからは読まないようにしようと思いました。物語を楽しもうと思います。

劔岳 点の記・木村大作監督

2010-02-20 15:53:06 | 映画・舞台
素晴らしいの一言。自然の映像が美しい。CGになれた目には新鮮だ。香川照之が演じる寡黙な山男が特にいい。風景とよく解け合っている。久しぶりに素晴らしい映画を観た。映画館で観るべきだった。新田 次郎原作。名前は知っているが本は読んでいない。

源氏物語・大塚ひかり著 四十七の巻 総角(あげまき)

2010-02-20 10:17:58 | 読書
桐壺院の八番目の子八の宮はさえないおじさんです。出家したいのに二人の姫のためにできない。とか、娘たちに矛盾した小言を言います。うじうじしています。場所も宇治。そして死去。二人の姫が残されます。女房たちのエゴと身分差が逆転するような壮絶に仕打ちに姫たちは怯える毎日です。薫はそんな姉姫の元に通ってきます。そんなある夜に事件が起こります。女房たちが薫を姫たちの部屋によびこむのです。薫に気づいた姉姫は逃げます。妹姫はすやすや眠っています。姉姫の心情はただ怖い。薫と妹姫が関係してもいいではないかと気持ちも少しありそうです。ここでこれまでの源氏物語に全くなかったことが起こります。薫はなにもせずに出ていきます。実父の柏木は源氏の妻の女三宮を犯します。その結果源氏にいびり殺されてしまいます。柏木の子である薫は真逆の性格をしているといえるでしょうか。私はそうではないと思います。出生の秘密を知った薫。柏木の血が彼にそんな行動をとらせたのだと思います。それにしても女房たちのエゴはすごい。主従関係なんかないに等しい。これからどうなっていくのでしょう。源氏物語は面白い。大塚ひかりさんの解説も絶妙です。