創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

六月句会  池窪弘務

2023-07-07 10:10:08 | 俳句
兼 題
㊀季語:更衣・衣替え
㊁漢字:水
㊂感覚:短夜あるいは夜に関すること一切
㊃当季雑詠

六月句会  池窪弘務
㊀更衣香久山探す散歩道(持統天皇万葉集)
㊁五月雨や人も地球も水となる
㊂短夜の短き夢や父に会ふ
㊃祖母といる長い縁側夏休

私の家から少し歩けば大和三山を望めます。
畝傍山と耳成山はすぐに分かりますが(どっちがどっちかはアホな私はすぐ忘れますが)、天香具山は丘のようでよく分かりません。
でもよく見えるポイントを二箇所知っています。
とても優しい山です。
初めて詞書をつけました。
「春過ぎて 夏来にけらし 白たへの 衣干すてふ 天の香具山」
とても好きな和歌です。
あの頃に日本が出来たんですね。
㊂この頃何かにつけて父のことを思い出します。
年令が近くなり、知らないうちに今の自分と比較しています。
夢にもよく出て来ます。
㊃父の実家は当時かやぶきで家の正面の庭に面して長い縁側がありました。
祖母は頂き物のお菓子を孫のために貯めているような人でした。
私はそんな祖母にトンボ釣りの道具を作らせたり、ほんまにしょうもない孫でした。

鴻風俳句教室五月句会  池窪弘務

2023-05-21 14:55:39 | 俳句
鴻風俳句教室五月句会  池窪弘務
兼  題 
㊀・新茶
㊁・漢字: 声 
㊂・ゴールデンウイークで体験したこと一切
㊃・当季雑詠

五月句会投句   池窪弘務
㊀名人戦ペットボトルの新茶かな
㊁メーデーや声なき声に満ち溢れ
㊂なおざりになおざりにして昭和の日
㊃針仕事すつと糸ひく春の果

一番気に入っていたのは、㊂です。
先の敗戦を総括せずに日本は来たと思います。
なおざりにして、一寸先しか見ずに(見えずに)。
『なおざりになおざりにして』のリフレインは村上春樹氏の『一人称単数』の短歌。
『たち切るも・たち切られるも・石のまくら・うなじつければ・ほら、塵となる』
一点でした。

鴻風俳句教室四月句会

2023-04-14 16:01:53 | 俳句
鴻風俳句教室四月句会  池窪弘務
兼  題 
㊀季 語:山笑ふ//笑ふ山
㊁漢 字:万//満
㊂季 感:入学//入社
㊃自 由:当季自由作品

㊀三輪山の一歩近づき山笑ふ
㊁満開の桜の下の地蔵かな
㊂遠き日の入社の友や今どこに
㊃清明やキトラの里に蛇眠る

㊁毎日のウォーキングで手を合わす地蔵を詠みました。
雷に撃たれ、幹が真っ二つに割れています。
今年も健気に満開です。

㊂誰も付き合いなしです。
㊃明日香の里にまた大発見がありました。

鴻風俳句教室三月句会

2023-03-09 13:45:49 | 俳句
鴻風俳句教室三月句会
兼 題
㊀:季 語:早春・浅春に係ること一切
㊁:漢 字:旅
㊂:雛祭り
㊃:当季詠

三月句会投句  池窪弘務
㊀早春の河原に遊ぶ石叩き
㊁浮き浮きと仲良き母娘春の旅
㊂雛まつり三人官女は玉子なり
㊃眠りさへ薬に頼る春憂

㊀石叩き((たえず尾を上下に動かす習性から)セキレイの別称。〈[季] 秋 〉)はよく見かける鳥です。
一瞬もじっとしていない鳥です。
チャチャチャと歩いて、パッと消えてしまいます。また次の瞬間に現れます、その繰り返し。
いつもつがいで、なかよしです。
一年中います。点数は点。
㊁長女と妻が蟹を目当ての旅行。
私は留守番を務めます。
「仲良き」は「気の合う」の方がよかったかも。1点
㊂これには思い出があります。
「娘さんが三人ですね。お雛様はされますね。これ作りました」。
それが玉子の雛。
心が騒いだ、お・も・い・で。1点。
㊃実感。1点。
合計3点。だんとつの最下位です。
「いやだいやだ」。
どうする! ヒロム。
口直しに最近感動した名句を紹介。
水とりや氷の僧の沓の音  芭蕉
凧きのふの空の有りどころ 蕪村
 
「水とり」は奈良のお水取り。「凧(いかのほり)は凧(たこ)。

鴻風俳句教室二月句会

2023-02-10 13:09:34 | 俳句
鴻風俳句教室二月句会

兼 題
㊀ 梅 。
㊁ 節 (季語ではありません。季語はご自分で。節の漢字が入ること)
㊂バレンタインデー・バレンタインで。
㊃自由題 (当季(大寒など)雑詠で一句

二月句会投句  池窪弘務
㊀探梅やこの町今はふるさとに
㊁節電のリモコン構へ冬菫
㊂バレンタイン娘のチョコのおすそ分け
㊃我もまた小さき命寒雀

㊀結婚を機に奈良県の田原本町に移ってきて五十年。
両親が奈良県出身だからと言う理由でした。
その両親も今は亡くなり、ここが故郷のように感じます。
㊁兼題に苦労しました。そして、0点でした。0点はこたえます。
㊂長女は一生懸命手作りしてました。
㊃自信の句。作品別三席に入りました。今回はこれだけです。
自分の俳句は50句作って、一つか二つが俳句かなあと思う程度です。
口から出る言葉が五七五の人は尊敬します。

一月句会

2023-01-13 09:55:23 | 俳句
一月句会
兼 題:
㊀:去年今年
㊁:松
㊂:新年のお飾り一切
㊃:当季雑詠
一月句会投句  池窪弘務
㊀去年今年昭和大正遠くなり
㊁元旦の障子開ければ松光る
㊂パソコンに小さなしめ縄年用意
㊃針供養見えない糸を通しけり


㊀私は昭和。父母は大正。段々遠くなって行きます。
㊁この兼題、なかなか俳句が浮かばなかった。
ふと窓を見ると庭に松があった。
1メートルもなかったのに……。
それにしても、日常に溶けて殆ど気にすることもない。
50年……・。長いですねえ。
松竹梅の庭だったんですが、最初に竹が根をはり、家が傾きそうで抜いてしまい、
去年は、梅が虫にやられ、毎年の梅見が終わり。
今はお前だけなんだなあ。
㊂今年初めて飾りました。
一年間ご苦労さん。
㊃良い句だと思うですが、点は入らなかった。

十二月鴻風俳句教室句会

2022-12-26 09:37:51 | 俳句
十二月鴻風俳句教室句会
兼 題:
㊀季語:年の暮
㊁漢字: 星
㊂「冬至」に関する土地の風習を
㊃当季雑詠

十二月句会投句  池窪弘務
㊀おやじギャグ笑ふ人なし年の暮
㊁冬の星あれは父なりあれは母
㊂ゆずかぼちや金婚式の冬至かな
㊃寒菊の小さく揺れて憂国忌


㊀現役中は駄洒落ばっかり飛ばしてました。
仕事場は美女ばっかり。
みんなよく笑ってくれました。
でも、仕事は合っていなかったなあ。
今でも悪夢に出て来ます。
㊁兼題にかなり無理をしています。
㊂金婚式で、コロナで殆ど会えなかった全員がそろいました。
三人の娘・孫その旦那。
私たち夫婦を入れて14人。
出発点は二人。
不思議なものです。
㊃今年も憂国忌が巡ってきました。
段々感慨も薄くなってきました。
やっぱり自殺だったんだなあ。
老人になるのが怖かった。
癌になるのが怖かった。
死ぬのが゜怖かった。
年を重ねるにつれ、その気持ちは分かります。
車谷長吉さんは、「小説を書けなくなった」のが原因と書いておられたと思いますが、それはないと思います。

鴻風俳句教室十一月句会

2022-11-08 10:06:08 | 俳句
鴻風俳句教室十一月句会
兼 題:
㊀季語:「神無月」とその傍題
㊁漢字:「湯」
㊂「文化」:11月3日は「文化の日」です。これこそ「文化」と思えるもので。
㊃当季雑詠:

十一月句会投句  池窪弘務
㊀戦争の終りの見えぬ神無月
㊁新米の湯気つややかな朝餉かな
㊂辻ごとの地蔵に出会ふ文化の日
㊃生も死も私の中に寒椿


㊀神様はどこへ行ってしまったのだろう。
㊁最近新米を買いました。10kg買うと半年ぐらい持ちます。半分ずつに分けて貰ってます。食卓に出るのはまだまだ先です。
㊂地蔵様は文化だと思っています。『おん かかか びさんまえい そわか』と三遍唱えています。
㊃みんな私に起こること。

鴻風俳句教室十月句会

2022-10-13 16:13:43 | 俳句
鴻風俳句教室十月句会
兼題
㊀季語「花野」
㊁漢字「 笑 」
㊂十月十日は「スポーツの日」なので、「スポーツに関わること一切
㊃当季雑詠
十月句会投句  池窪弘務
㊀花野みち亡き父母と歩きけり
㊁落ち鮎やふふふと笑ふ父がいる
㊂体育の日少し遠くへウォーキング
㊃誰偲ぶ明日香の里の思草


㊁何かにつけて父を思い出す事が多いです。
年令が近づいてきたからだと思います。
今まで気づかなかった、心の綾が分かるような気がします。
今頃は落ち鮎の季節。
父は含み笑いで「ふふふ」。
酔っ払うと大笑いしますが……。
今の自分と一緒です。
㊃明日香は近場にあります。
子供らとよく行きました。
ローカルニュースで「ナンバンギセル」の動画を見てなるほどと思いました。

鴻風俳句教室九月句会

2022-09-17 14:51:11 | 俳句
鴻風俳句教室九月句会
兼 題
㊀処暑
㊁文
㊂秋の野山一切
㊃当期雑詠

池窪弘務 投句
㊀七十も半ばを超えて処暑の空
㊁秋彼岸俳句の多き母の文
㊂野を巡り行く先先に秋桜
㊃山ほどの迷惑メール残暑かな

㊁俳句が好きだった母。
僕と同じであまり上手じゃなかったけれど……。
今ならもっと話せたのになあと思います。