
人間を含めて様々な生き物の生態が琴線に触れる。
嫁舅との微妙な関係にも生き物の生態の影が感じられる。
不思議だがとても現実的な感覚として迫ってくる。
「そうだね。そう言うことは一杯あるね」

ただ、一つ不満がある。
本の構成というか、活字の構成というか。一頁にぎっしりと活字が詰まった文章は年寄りには辛い。
特に会話を続けて書くのはやめて欲しい。
「○○○」「××××」いくつも続く。
改行ももっと増やし欲しい。
適当に頁を開くと、

両面ぎっしり活字である。

抽象画を見ているようだ。
これを作者は自分の文体と考えているのだろうか?
それとも書きやすいからなのか?
谷崎の小説にも、全文カタカナというのがあった。
活字を埋め尽くすことで何かを伝えようとしているのだろうか?
「これが私の小説です」という声が聞こえてきそうな気もするが……。

個人的にはそんな読みにくさを克服して最後まで読んだのだから、私にとってとても魅力的な小説であったことは間違いない。

次には読者のことも考えてね。