
2017年8月6日の朝日新聞の「書評」が目に留まった。
兄からシカゴ大学教授藤田哲也先生の話はよく聞いていたからだ。

40年ほど前、兄はシカゴ大学(医学)に留学していた。
コープ で奥さん同士が知り合い懇意になったのだという。
ノーベル賞受賞者を89名輩出している大学だからそんな偶然がなければ知り合うこともなかったのかもしれない。
亡き父母も藤田先生に招かれ楽しい一時を過ごしている。

二人の甥と卓球に興じる気さくな人だった。

兄も竜巻を人工的に起こす装置を見学したという。

僕等は「竜巻の先生」と言っていた。
その頃だろう。
先生はもう一つの大発見である

「ダウンバースト」に取り組んでいたのだと思う。
今では「ダウンバースト」は辞書にも載っている。
「ダウンバースト」積乱雲などの下部に発生する強い下降気流。地面に当たって水平に広がり、突風災害をひき起こす。
離着陸時の飛行機にはきわめて危険。(日本国語大辞典)
『Mr.トルネード』~藤田哲也 世界の空を救った男~・佐々木健一著は、藤田哲也教授の生涯を詳細に追った素晴らしいドキュメンタリーである。
一人の天才気象学者の実像が見事に浮かび上がってくる。
それは兄の話す「竜巻の先生」に重なる。
「とにかく私の人生は面白い」