創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

『覚えておきたい虚子の名句200』その2

2020-01-23 20:49:38 | 俳句
暇にまかせて選句してみた。
遠山に日の当たりたる枯野かな
金亀子擲つ闇の深さかな
白牡丹といふといへども紅ほのか
流れゆく大根の葉の早さかな
もの置けばそこに生まれぬ秋の陰
*大寒の埃の如く人死ぬる
万才の佇み見るは紙芝居
冬ざれや石に腰かけ我孤独
わが眉の白きに燃ゆる冬日かな
蝿叩手に持ち我に大志なし
蜘蛛に生れ網をかけねばならぬかな
灯をともす指の間の春の闇

大寒近く、思いがけない訃報。
若い親戚の逝去だった。
2時間少しかけて近江に行った。
道中自分の老いを思い知った。
自分の死は怖い。
後ろ姿が父に似てきたと、弟が言ったそうな。

亡き父に背中の似たり冬菫

『覚えておきたい虚子の名句200』角川書店編

2020-01-21 16:32:03 | 俳句
覚えておきたい芭蕉の名句200』の次は、虚子である。
まず、芭蕉との落差に驚く。
生涯に20万句(現代確認出来るのは2万2千句らしい)を超える俳句を詠んだとされる。
一日十句で年四千句。五十年。
一日十回屁をひねって五十年。
屁のような俳句だというつもりはないが……。
とにかくこのシリーズは読みやすいです。
意味ばかりを求める現代、無意味は尊い。その先は、「虚」なのかと思ってしまう。

「謝肉祭(Carnaval)」・村上春樹著(2019年文學界12月号)

2020-01-13 15:59:57 | 読書
「彼女は、これまで僕が知り合った中でもっとも醜い女性だった-というのは……」で始まる冒頭は、ショッキングである。
「差別」という言葉がすぐに浮かぶ。
しかし、それはより深いところに読者を誘うための作者の手管である。
それ以外の言葉がなかったのかもしれない。
もともと人間の美醜とは何だろう。
F*で語られる女性は語り手の「僕」にとって「性」を越えたところに存在している。
醜いことが、「彼女独自のダイナミズムを立ち上がらせるのだ」と「僕」は語る。
シューマンの「謝肉祭」で意見の一致した二人は、性も美醜も離れたところでお互いを理解する。
シューマンの「謝肉祭」を聴き、語ることでより深くシューマンの世界に降りていく。
仮面舞踏会の世界へ。
勿論私は、音楽に無知である。
だが、何かしら分かる世界である。
もう今では、新作を心待ちにするのは、村上春樹だけになってしまった。
昔は、三島由紀夫や安部公房、つげ義春をはじめ沢山いたのに。

井岡一翔対ジェイビエール・シントロン戦感想

2020-01-01 21:13:26 | テレビ
挑戦者は逃げながらパンチを打っていた。
その原因は井岡の左にある。
左のジャブ(ストレート)である。
数は少ないが効いていた。
テレビで確認できたのは、四、五発か。
ボディも効いたが、左のジャブ(ストレート)で挑戦者は、腰が引けてしまった。
井岡はもっと打てばいいと思うが、挑戦者が打たせなかった。
高度な技術が交錯していた。
様々な要素が絡み合うボクシングは、実に論理的なスポーツである。
今年は小説を書きたいと思います。
一日一行でもと思いながら、元旦から挫折。