創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

「枕草子」考 六 枕草子と笑い

2015-11-02 06:04:02 | 枕草子
枕草子解読上・中・下からダウンロードしてお読み下さい。
―枕草子を現代語訳しながらいろいろ考えたことです―
とにかく、枕草子の登場人物はよく笑います。二段の「ころ」には七回笑います。櫛が折れたと言っては笑い。馬を驚かしては笑い。お粥(かゆ)を炊いた木でおしりの叩きっこをして笑います。人生のよろこびは笑うこと。

モナドの領域・筒井康隆著・新潮2015.10

2015-11-01 19:35:21 | 読書
まず自分という生き物を考えてみよう。心臓は正確に打ち(少々頻脈気味ではあるが)、脳細胞はなにかを考え(少々……)、目はディスプレーの文字を追い、鉛筆の先で指をつつくと痛い。何しろ何10兆という細胞が自分の中にある。シロアリは巨大な蟻塚を築き、木々は落葉し、来年になるとまた芽吹くのだろう。隣の犬はなにを考えているのだろうか。改めてとても不思議なものだと思う。小説を読みながらそんなことを考えていた時に、「プログラム」という言葉が出て来た。「プログラム」という言葉が出てくると、ふと腑に落ちる。作成者が神であろうが、モナドであろうが、宇宙であろうが、勿論、そんなものを想定しなくても腑に落ちるのである。

「枕草子」考 五 雪(ゆき)間(ま)の若菜摘み

2015-11-01 08:54:42 | 枕草子
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―枕草子を現代語訳しながらいろいろ考えたことです―
二段の「ころ」に「七日。雪(ゆき)間(ま)の若菜摘み」とあります。七日=七草の節供。
「雪(ゆき)間(ま)」にはいろいろの解釈があります。①雪のやんだ間。②(春になって)雪の消えたところ。③積雪の中。旧暦一月七日は今の二月中頃にあたります。どれも不自然ではありません。だから現代語訳も三つあります。こういう例が「枕草子」には沢山あります。訳者の大きな悩みです。解決法は原文を精読することに尽きると思います。私は、雪(ゆき)間(ま)=①+②+③だと思っています。でも、話の中心は雪の白と若菜の青の鮮明な対比です。冬と春の対比とも言えます。