創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

新カラマーゾフの兄弟・亀山郁夫著

2016-01-31 16:13:12 | 読書
新カラマーゾフの兄弟・亀山郁夫著を読み終わりました。
読む原動力は原作だったのは間違いないですね。
この部分は、原作のあの部分だという興味でページをめくるスピードが加速したのです。
それがなければ読了できなかったでしょう。
結局、原作の再読みたいでした。
この本を読む時間があれば原作を読むなり、読み返すなりした方がいいですね。
それでも読み切ったのは、ドストエフスキーの死によって書かれなかった2部を、作者がどう書いているかという興味です。
それも見事に裏切られました。最後まで読んでも何にもない。
学者のお遊びの範囲を超えなかったのではないかと思います。
「カラマーゾフの妹」も不可解な「父殺し」から13年。時代設定を1995年にした必然性もピンとこない。
あえて言えば、作者が読み飛ばしてもかまわないといっていた「Kの手記」が面白かった。
それも、ノラの登場の部分だけ。
それにしても、「ドストエフスキー未完の傑作、ついに完結! 」は誇大広告です。
下の四氏の絶賛も。「ノンストップ・ミステリー巨編」にいたっては、いやはや。
もう一度言います。
「この本を読む時間があれば原作を読むなり、読み返すなりした方がいい」
誰だ読んでしまったのは……。
こっちの方がミステリーです。
このキャラ気に入ってます。
追記
翻訳は、「カラマーゾフの兄弟」・亀山郁夫訳(光文社)がお勧めです。せめてもの罪滅ぼしに。

女は存在、男は現象

2016-01-29 09:51:30 | 身辺雑記
朝日新聞の「福岡伸一の動的平衡」が面白い。
生命の不思議をエスプリの効いた文章で綴る。
いつもなるほどと感心する。すぐ忘れるけれど。実に逆説的だがうまい文章ほどすぐに忘れる。
今回はその9回目。哀れ、「男という「現象」2016/01/28」
―生命の基本形は女性である。そもそも38億年にわたる生命進化のうち、最初の30億年は女だけでこと足りた。
男は必要なかった。誰の手も借りず女は女を産めた。その縦糸だけで生命は立派に紡がれてきた。
(中略)遺伝子の運び屋としての。単なる使いっ走りでよいので、女をつくりかえて男にした。
要らないものを取り、ちょいちょいと手を加えた急造品。
たとえば男性の機微な場所にある筋(俗に蟻の門〈と〉渡りなどと呼ばれる)は、その時の縫い跡である。―
ほんまかいなと思うが、学者先生の言葉だ、根拠があるのだろう。
(中略)で続く。
―敬愛する多田富雄はこう言っていた。女は存在、男は現象。―
そんな男を「哀れ」と感じるかどうかは人それぞれだが、ある種の実感があるのも確かだ。
男は、自分の子供に自分を感じることはあっても、自分の存在を感じることはないと思う(多分)。
女は、産んだ子供に自分の存在を感じているのかも知れない。いわば分身なのだ。
そう思えば腑に落ちることも沢山ある。
うろ覚えだが、詩人田村 隆一は「って凄い。人間を産むんだぜ」と言っていたと思う。
確かに男は現象だから、子供を産まない。
俺は現象か……。急に自分が映画の中の人のように思えてきた。

もう一つの風景

2016-01-28 16:48:51 | 創作日記
ハードディスクの中をうろうろしていると「もう一つの風景」という小説に出会った。
140枚ほどの分量がある。何年前に書いた小説だろう。20年以上前だろう。ご丁寧に「未完」のフォルダーに入っている。
とても懐かしい。この小説は未完だが、後に書いた小説の源流になっている気がする。
いくつにも枝分かれして、いくつもの小説が出来た。それは私の人生とよく似ている。
そして、いつの間にか70才の老人になった。
人生もまた未完なものかも知れない。
最初の部分を紹介します。
 
もう一つの風景
季節の移ろいに年の流れが重なる。
早見庄造はぼんやりと店内を見ていた。まるでスーパーマーケットの一角を覗いている気がする。
中央の背の低いアルミの棚。壁を背にした網棚。コンクリートの通路。客は誰もいない。                
三十年前の店の面影は何処にもない。あのころは店の奥の小さなカウンターに、安い酒を求めて常連が集まったものだ。
レジの机に両肘をおき、両手の甲に顎をのせ、目を細めると、彼らの愚痴や溜息や沈黙が蘇ってくる。
一升瓶を抱えてコップに盛り上がるまで酒をいれる。客は口で酒を迎えにいく。
少し啜り、コップを引きよせ、受皿に零れた酒を丁寧に戻す。
長居する客がいると妻の出番だ。
「えらいすんまへんなあ」そう言って煤けたはり紙を指差す。
そこには庄三の下手な字で、「立呑は10分以内でお願いしマス」とある。
人の気配に目を開けると、店の前に置いてある自動販売機にサラリーマン風の男が小銭を入れているのが見えた。
しゃがんで酒のカップを取り出す。馴れた手つきでアルミの蓋を外すと一気に流しこんだ。
昼間から彼のような男を見るのは稀ではない。
三十年前の人々と異質なのか、同質なのか庄三には分からない。
只、彼は、「毎度」の言葉もかけられない処にいる。
彼だけではない。庄三を取り巻く全ての人や物が、庄三から遠ざかって行くような気がする。
七十年間の歳月が掌の一握りの空気のように思える。季節が移ろうように自分は七十才の老人になった。


枕草子の現代語訳にとりかかっています

2016-01-27 13:18:02 | 枕草子
枕草子解読を脱稿して以来、急に何もすることがなくなった。
退屈って辛いですね。
二、三日前から、枕草子の現代語訳にとりかかっています。
きっかけは、朝日新聞の(惜別)伊吹和子さんを読んだからです。
「谷崎源氏」を口述筆記し、晩年の創作活動を12年間ささえた。
その他、「川端源氏」との関わりについても書かれています。
その記事を読んで自分も俄然やる気になりました。
文豪二人が「源氏」なら、僕は「枕草子」だ。清少納言もすばらしいのだ。
「枕草子解読」は逐語訳です。正確に言葉を伝えるのを第一としました。
今度は、内容と日本語に重点を置き、楽しい「枕草子」の現代語訳が出来ればと思っています。
キーワードは「をかし」。
その為には自分も「枕草子」を楽しまなくちゃ。
第一段を見せますね。アンダーラインの部分は追加または推敲です。
一段 春は曙 
 春は曙(あけぼの)。
 次第に白んで行く山の稜線は、少し明るく、紫がかった雲が、細くたなびいている。
 夏は夜。
 満月の頃は言うまでもない。また、闇夜もいいものだ。蛍が沢山飛び交っているのは、闇が深いほど美しい
反対に、蛍のほんの一つ二つが、ほのかに光りながら飛んで行くのも、素敵だ。何もなく、ただ雨が降っているのも、静かでいい
 秋は夕ぐれ。
 夕日が落ちて、山の端に大層近づいた頃に、烏が寝床へ行くと、三つ四つ、二つ、三つなど、飛び急ぐのさえ、しみじみとした風情がある。まして、雁などの列(つら)なったのが、とても小さく見えるのは、とても美しい。日が沈み果てると、風の音、虫の音(ね)など聞こえはじめる。また言いようもなくすばらしい。
 冬は早朝。 
 雪の積もった朝は、言うまでもない。霜がとても白いのもよい。そうでなくても、とても寒いので、火などを急いで熾(おこ)して炭を持ち運ぶのは、実に冬の朝らしい。昼になって、暖かくなり、寒さが和らいで、火桶の火も、白く灰がちになってしまうのは、つまらない




小銭の整理

2016-01-24 10:12:37 | 身辺雑記
どうも小銭が余ってくる。
計算が面倒だから、大きい札で払うからかも知れないが、レジで後ろに並ばれると、慌てるのも大きな原因である。
要するに気が小さい。
そして、今日。40年来の寒波の日、寒風の中スーパーに行った。
ひょっと思いついて、先に小銭を数えずに出してみた。
店員は、小銭勘定スリットにじゃらじゃらと放り込む。そして、買い物をレジに通した後残りを払う。
誰にも迷惑をかけずに、確実に小銭は減る。気がつかなかった。

事故!

2016-01-16 16:30:07 | 散歩
朝のウォーキングの途中の出来事。
背後で車の轟音がしたので、道の端によると、ものすごいスピードで追い越して行ったと思うと、ドーンという大きな音。
ありゃ、事故りよった。
あんちゃんと小さなおばさんが車から降りてきた。
あんちゃんは車の前大破、おばさんは右ドアぼこぼこ。どちらも体は大丈夫みたい。
僕を追い抜いていったのはあんちゃんの方。
あんちゃんは何故か、悠然と煙草を吸っていた。
人間って、こういう時は落ち着こうと思うんだろうね。
拘わりたくないので、すっと横を通り抜けた。
僕が大破じゃたまらない。

日本テレビ系・スペシャルドラマ「刑事バレリーノ」・堤幸彦監督

2016-01-12 09:49:57 | テレビ
端々に「トリック」のユーモアが点在しています。
背景で場違いな人が色々なことをしています。
キーワードは「オモチャ買ってくれないの?」。
堤幸彦ワールド炸裂です。
だが、テーマは深い。
罪のない子供へのレクイエムです。


晩ご飯! おでん

2016-01-11 14:39:46 | 男の料理
晩ご飯! おでん
妻は新年会で、私が晩ご飯!
覚えているうちに。
すじ肉の串とコンニャクは別々に湯通し。
大根、人参、すじ肉とコンニャクは水(+お酒を30mlぐらい)から炊きます。
その間にゆで卵を作ります。
煮立ってから30分間弱火。
ゆで卵と煉り物を入れて、12分。
出汁の素、醤油を少し入れます。
野菜から出汁が出ているのでほんの少しでいいですよ。
キッチン布巾を鍋の中に敷いて、5分。
キッチン布巾を鍋の外に出すとガスの火があるので危険。
たき終わったら、4時間ぐらい置きます。
食べる前に味を確かめて、いただきます。
一番失敗の少ない私の得意料理です。

朝食!

2016-01-10 15:31:31 | 男の料理
オムレツの具にキムチを入ました。
そこに刻んだ葱があったので一緒に。
思った通り美味しい。
刻んだ葱はパックに入って売ってます。
葱を刻むのは結構じゃまくさい。
それに一束買うと、すぐにしおれます。