今日の一句秋の薔薇毎年吾に会ひに来る
「毎年一本だけ咲くんやなあ」
「いいやいつも沢山咲いてるよ。今年は梅の葉が枯れたよって｣
「見えへんだ、だけかいな。毎年一本だけやと思うてた。せやけど、なんで今年は一本だけやねん」
「切ってん」
「……」
今日の一句秋の薔薇毎年吾に会ひに来る
「毎年一本だけ咲くんやなあ」
「いいやいつも沢山咲いてるよ。今年は梅の葉が枯れたよって｣
「見えへんだ、だけかいな。毎年一本だけやと思うてた。せやけど、なんで今年は一本だけやねん」
「切ってん」
「……」
今日の一句秋の薔薇毎年吾に会ひに来る
「毎年一本だけ咲くんやなあ」
「いいやいつも沢山咲いてるよ。今年は梅の葉が枯れたよって｣
「見えへんだ、だけかいな。毎年一本だけやと思うてた。せやけど、なんで今年は一本だけやねん」
「切ってん」
「……」
私の本棚には、村上春樹著の小説が大体揃っている。新作が出ると決まって購入した。
読む本が途切れた夏の日、私は一冊の本を抜き出した。
そして、夢中になって読んだ。
ストーリーは何も覚えていなかった。20年という年月はそんなものかもしれない。
「僕」と「すみれ」は微妙な友達と言ったらいいのだろうか？
お互い深く結びつきながら、恋人の関係の前で踏みとどまっている。
「僕」は本を読み、「すみれ」は小説家を目指している。
「僕」は、二人が恋人まで進めば何かを失うことを無意識に恐れている。
そんな中、「すみれ」は十七才年上で既婚の「ミュウ」という女性と恋に落ちた。
三人を中心に物語（殆ど三人しか登場しない）は巧みな構成で進んでいく。
テーマは人間の孤独だろうか？
人は一人なのだ。
スプートニク2号に乗せられたライカ犬みたいに。
たまさか、星に出会っても、次の瞬間は遙彼方に別れていく。
名作だと思う。
よくぞ私の手はこの一冊を本棚から抜き出したもんだ。今は文庫本で読むことが出来ます。
是非お読み下さい。
夏の思い出が一つ増えます。
今日の一句夏惜しむふたかみ山の雲の舟
二上山（にじょうさん）は2つの山頂のある山です。
その特異な形ですぐに分かります。
あちこちで出会います。「ふたかみやま」とも呼ばれたとか。
通勤電車では車窓に山が迫ってきました。
三十七年間眺めていたなあ。
昔、グリコのキャッチコピーで「一粒で二度おいしい」というのがありました。まさしくその言葉にぴったりのミステリーです。一気に読み終えました。