創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

源氏物語第三巻・大塚ひかり著

2009-03-28 20:10:13 | 読書
瀬戸内寂聴さんが朝日新聞で「源氏物語」の魅力は登場人物の一人一人が活写されている点であるという主旨の発言をされていた。全く同感である。カラマーゾフの兄弟は亀井郁夫さんの訳によって初めて読めた。「源氏物語」は大塚ひかりさんの訳で初めて読めそうだ。私は文学の素人である。でも、彼等が描き出した世界は、わくわくする魅力的な世界である。ふっと思う。出会えてよかったと。

叙述トリック

2009-03-28 10:17:44 | 読書
叙述トリックとは「ミステリー小説において、文章上の仕掛けによって読者のミスリードを誘う手法。具体的には、登場人物の性別や国籍、事件の起きている時間や場所などを示す記述を意図的に伏せることで、読者の先入観を利用し、誤った解釈を与えることで、読後の衝撃をもたらすテクニックのこと。→(はてなキーワード) 。」と言うことらしい。道尾秀介著の短編集「鬼の跫音」と長編「シャドウ」を続けて読んだ。私は「叙述トリック」という言葉も知らなかった。しかし、二つの作品は「叙述トリック」を使っていると言ってもいいだろう。だが、読後感がまるで違った。「鬼の跫音」は鮮やかな印象を残し、「シャドウ」は後味の悪い印象だった。長編を読んだ充足感もなかった。昔、高木彬光著「能面殺人事件」を読んで本を投げつけたことがある。でも、何故だかもう一度読んでみたくなった。ノスタルジアかも知れない。図書館になかったのでセブンイレブンに注文した。合計金額1500円(税込)以上は、国内配送料無料だからアマゾンに注文。「能面殺人事件」は意外に面白い。読後感も悪くない。だが、叙述トリックの長編はもう読まない。ミステリーは島田荘司だけにしよう。どんな騙され方をするのかとドキドキする作家は彼しかいない。

「猫を抱いて象と泳ぐ」・小川洋子著

2009-03-06 11:25:56 | 読書
図書館で文学界を借りてきて読んだ。読み終わるとすぐにAmazon.co.jpに注文した。翌日届く。速い。恋しい人に会ったような気持ちになった。私は小川洋子さんのファンではない。でも、この本は素直に脱帽した。素晴らしい世界を紡ぎ出した著者に感謝します。