昨日は仕事を終えてから、一旦帰宅。夫が宴会で夕食不要（さすがに4月だけあって頻繁である。）というので、洗濯物やら何やら片付け、1人で簡単に冷凍食品（また出た！）の食事を済ませて、家を出た。
ずっと気になっていた映画「グリーンブック」を観てから病院最寄り駅に近いホテルに向かった。観て良かった。時にニヤリとし、時に心を揺さぶられる演技と台詞にじーんとして涙ぐみ、ピアノトリオの即興演奏部分もノリノリで愉しんだ。ラストはとても幸せでハートウォーミングな気分になって満足。いい映画だった。
ホテルにチェックインした後はゆっくりお風呂で温まって眠りについた。
夜中に一度お手洗いで目覚めたが、すんなり寝直し、モーニングコールが鳴るまで目が覚めなかった。よく眠った。春眠暁を覚えず、でまだ眠い。夫から「起きています」とLINEが入る。バスソルトを入れた浴槽足湯を楽しみ、身支度を整えてレストランへ。かつら生活ももうすぐ1か月。大分慣れてきた。和食の朝食を済ませ、新聞を読み、朝の連続テレビ小説を視てからチェックアウト。
外はやや曇り空。それでも気温は20度以上になるという。今月2回目の通院である。到着後、IDカードを通すと、「読みこめません」表示が出てしまい、受付で磁気を入れ直してもらう。再発以来かれこれ11年以上通っているので、磁気再読み込みは2回目か。ちょっぴり時間をロスして採血へ。待合い椅子は今朝も一杯で溢れている。15人近く待っており待ち時間は9分と出ている。態勢を整えて待つと、ほぼ時間どおりに採血室に入れた。今日は久しぶりに検査技師のベテランYさん。マーカー等の測定も含みフル検査なので5本。針刺しはごくごく普通にチクリとして抜く時はそれほど痛まず無事終了。止血したままエスカレーターで2階のレントゲン受付へ移動する。
ここでもスムーズに受付が済み、中廊下で座るとほどなくして呼ばれた。検査着を出して頂いたけれど、今日はブラトップとプレーンなニットを着ていったので、着替えは不要。
正面と左横から2面撮影して無事終了する。
再びエスカレーターで1階に降りて、腫瘍内科へ移動する。
珍しく定位置が空いている。まずは席を確保して、腫瘍内科の受付に並ぶ。すぐに受付が終了した。
本日のお伴、1冊目は原田マハさんの「ロマンシエ」（小学館文庫）。
帯には「ラスト50ページから、切なさの魔法が炸裂する。乙女な美・男子がパリの街を、恋に夢に全力疾走！」とある。「楽園のカンヴァス」の著者の新たなる代表作！というので、原田さんの本なら面白いに違いない、と手に取った。果たしていきなり乙女の妄想！あれよあれよ、という間にその世界に引き込まれた。そして大昔にしばしストゥディオ暮らしをしたパリの街の描写が懐かしくも楽しく頁を繰った。
それにしてもノートルダム寺院の火災事故には胸が痛む。尖塔崩落はショックだった。美しい薔薇窓にどれほど心癒されたことか。
待っている間にOkさんがヒアリングに来てくださった。「イメンドダメでした～。翌日午前中は大丈夫かな、と思いましたが、午後からどんどん悪化して金曜日はイメンドを飲んでも気持ち悪さが酷く、午後は早退して寝込み、土曜日は一日中寝込みました。ようやく日曜日の夕方頃から動き始めましたが・・・」とお話しする。「それは大変、（先生によく）相談しましょうね」とのこと。
採血してから1時間経つか経たないかで「中待合いへどうぞ」の番号が出てしまい、急いで血圧測定。127-75、脈拍は80。薬のせいか、最近、私にしてはやや高めが続いている。5分ほどで先生から声がかかった。病院到着からまだ1時間。順調である。
「さて、どうでしたか？」と訊かれ、”過少申告はなし”をモットーに2週間の状況をご報告する。「イメンドがダメでした・・・」から始まってOkさんにお話ししたことを繰り返す。食事だけでなく水分も摂るのがしんどく、苦しかったこと、後半はアロキシが効いて吐き気は収まったもののだるくて貧血っぽくて寝てばかりであったこと。などなど。
「うーん、それは困りました。話を聴くと予測性嘔吐ではなさそうなので、やはりイメンドにステロイドを足してみましょう。翌日、翌々日と飲みます。ステロイドで眠れなくなるとのことですから、安定剤ワイパックスを足しましょう。これを飲むと眠くなるので、ステロイドから来る不眠と悪心で眠れないのを緩和する一石二鳥です。今日から寝る前に3日飲みましょう。」となる。
「採血の結果はいかがでしたか。」と訊くと、「やや低めですが、大丈夫です。」とのこと。白血球3,600、好中球1,260だという。前回よりは低いけれど問題なしである。「次回はもうそれほど下がらないと思います。」と仰るので「前回は初回投与の翌週酷く下がりましたが、どういうことでしょう？」と問うと、「3週間に1度の治療サイクルと患者さんの好中球の上下にずれがあるようです。」と仰る。好中球の戻りは3週間よりも遅いそうだ。だから、次週は好中球が今回より上がるのではないか、と。「ということは、あえて3週間の治療をずらしても意味がないので、このままのペースで続けるということですね」と確認。
PCには肺の画像が2枚並んでいる。「明らかに効いています。」と仰る。右の大きな影は大分薄くなっているし、ポート回りを囲んでいた腫瘍も小さくなっている。そしてグラフを見ると、マーカーも2割5分ほど下がっている。これまでずっと上がり続けていたグラフが2か月連続かなりの角度を以て右下がりになっている。2月に比べて半減まではいかないけれど、前回から3週間しか経っていないので来週測定したらもっと下がっているかもしれない。
思わず「よし！」と声が出てしまう。そして図々しく、「あまり先んじるのはいけないのですが、この調子で奏功して、ハラヴェンを休んでパージェタ、ハーセプチン2剤にするタイミングはどのくらいになりますか。」と訊くと「わかりません。」と一言。まあ、そうだろうな、とは思うが、しつこく食い下がろうとすると「まあ、辛い時はハラヴェンをお休みして2剤ということもあります。」とのこと。「よし！」である。
「それでは予定通りやりましょう。」と。診察室での体温は6度8分。
吐き気止めに明日、明後日とイメンド＋ステロイド、就寝前に安定剤3日間、ロキソニン、タケプロン、ドンペリドンを3週間分処方して頂いた。今日はOkさんがずっと診察室で陪席してくださっていた。安心する。
ご挨拶をして診察室を後にし、化学療法室へ入る。珍しく1番乗り。お手洗いを済ませ、いつものように夫やお友達にLINEで報告し、呼んで頂くのを待っていると、「イメンド飲みましょう。」とお薬が届く。すぐに飲んで、外側の奥のリクライニング椅子に案内される。
身支度を整え、読書再開。イメンドが効くまで点滴は始まらないので、1時間ほど待つ。今日はケア帽子を持ってきてかつらを外してリラックス。最初の脱毛をした時に大人買いで3色揃えたもので、普通の正ちゃん帽子でなく、後ろで緩くリボンを結ぶようになっているものだが、看護師Kwさんから「フェルメールみたい！」とお世辞を頂いた。
ヘルプのKさんが針刺し。ちょっと痛んだが、今日は点滴時間が長いのでテープも紙で固定してくださったので安心。
その後ほどなくしてMさんから薬が届く。3剤併用の治療3クール目スタートである。
今日も点滴棒に5本の薬がぶら下がる。パージェタ、ハーセプチン、吐き気止めのデキサート・アロキシミックス、8割減量ハラヴェン、生理食塩水である。
パージェタ、ハーセプチンはそれぞれ1時間で、吐き気止め2剤混合は15分、ハラヴェンは5分、ラストの生理食塩水は15分。ということで合計2時間半強の予定だったが、今日も3時間近くかかった。
抜針もMさん。GWの予定等話をしながらだったが、今日は結構衝撃があり、顔をしかめてしまった。終了時の血圧は121－71。
途中とても眠くなり、ウトウトを2回ほど繰り返したので、ラスト50ページが楽しみだった1冊が読み切れなかった。
化学療法室に滞在した時間は4時間。針を抜いて頂いてすぐ、慌ててお手洗いへ。
ご挨拶して部屋を後にする。会計へ移動して受付。待合い椅子は今日もかなり混んでいる。受付番号を頂いて、今日も薬局に処方箋を送信。すっかりルーティンになった。
15分ほど待って、会計番号が出る。今日も点滴代だけで50万円相当の点数。レントゲンがあったので支払いは15万を少し超えていた。
病院を出ると、曇り空だけれど、風は暖かい。病院前の桜並木はすっかり葉だけになっていた。
薬局へ到着して、「病院内から処方箋を送りました。」と申告。数人の方が待っており、今日は受付番号を頂いた。20分ほど待って顔なじみの薬剤師さんに呼ばれる。「やはり吐き気が大変だったのですね。」と言われ、「はい、イメンドだけではだめでした。」とお話しする。薬局では4,000円弱でカード払い。
本日の病院と薬局の滞在時間は合計で6時間半弱。なんとなくお腹がもったりした感じで、もうお腹が空きすぎたのかあまり食欲を感じない。高層のレストラン街に行く元気がなくて、１階で暖かい麺を頂いた。とりあえず頑張って時間をかけて完食。
JRに乗る。まだ早めだったし、乗換駅止まりだったので、空いていて席も確保。もう少しで読み終わるところだったのに、疲れていたのかとにかく眠くて溜まらず、ずっとウトウト。
乗換駅のスーパーで夫のお弁当と私のサンドイッチ等を購入し、最寄り駅では迷わずタクシーに乗る。既にフルタイムで仕事をして帰宅するのと殆ど違わない時間になっている。生協から配達された食品を運び入れ、一通り収納を済ませる。くたびれてリビングで横になったらあっという間に3時間近くウトウトしてしまった。
夫が帰宅してからも全然起きられず、お腹を空かせた夫から「支度出来たよ～食べるよ～」と起こされる。
強力な吐き気止めのおかげで気持ち悪さは殆どないが、あまり食欲もなく、サンドイッチを夫に半分託した。
明日は定例の会議があるが、出張はない。週末までなんとか踏ん張りたい。
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