月曜日。
金曜日に午前中の勤務を終えて帰宅して以降、靴を脱いだが最後、一歩も外に出ていない。スマホの万歩計を見ると、土曜日は60歩、日曜日は40歩とあった。つまり本当にほぼ寝たきり(寝室からリビングまでスマホを持って歩いただけ)の2日間だったわけで、いきなり通常勤務はちょっと辛い・・・が、そうもいっていられない。
朝は、ガサガサした食感のトーストを飲み下すのが無理なので、しっとりしたバームクーヘンを一切れ。果物はあれこれ一切れずつ、胃痛防止にアロエの青いヨーグルト。
グレープフルーツジュースで薬を飲み下し(本当はよくないのかもしれないが)、紅茶をマグカップ半分ほどで家を出た。とりあえずお通じがあったのでほっとする。今回はマグラックスのお世話にならないでいられるだろうか。
相変わらずしぶとい気持ち悪さ。なかなか退いてくれない。足元がふらふらふわふわするのは、2日半殆ど地に足をつけて歩いていないからだ。加えて足裏の痺れもある。
勤務する大学では、前日保護者参列なしの入学式を終え、今日から新年度スタートだ。
昨年4月、構内からその姿が消えてしまった学生たちがキャンパスに帰ってきた。人気(ひとけ)のない様子に慣れてしまっていて、なんだか落ち着かないほど賑やかだ。
夫は今日も休務日。税務署まで確定申告を提出しに行くのと、市のコロナウィルスワクチン接種予約をするという大仕事があった。
9時受付スタートと同時にログイン出来るように、スマホを構えてスタンバったようだけれど、全くダメだったという。画面はフリーズし、20分したらしれっと“予約終了”と出たと憤っていた。
うーん、なるべくしてなったという感じか。夜のニュースでも随分取り上げられていた。それにしても、いずれは皆受けられますとはいっても、一体どれだけの人たちが朝からスマホやPCの前でイライラしたのだろうか。
午前中は出勤、午後は在宅勤務。夕方からオンラインガイダンスだった。とにかく気持ちが悪くてだるくて苦しくてたまらない。帰宅後、お昼は薬を飲むためにカップ麺。独身の息子の食事より酷いものではないかと思うけれど、時間もないし食欲もないので何か食事を作るなどという気分には全くならない。
ガイダンスを終えたと同時に精魂尽き果てて、ぐったりと横になって動けなくなる。夫が作ってくれた煮物と味噌汁をつつき、主食はご飯が無理なのでレンチンパスタというちぐはぐな夕食。
とにかく眠くてだるくてたまらないけれど、ろくに消化しないまま横になって眠ってしまうと胃がもたれるし、気持ち悪さが余計酷くなる。少しでも消化してから、と頑張って起きていたいのだが、倦怠感に加えタリージェの副作用もあって眠くてたまらない。
火曜日。
スマホのアラームが鳴る前にお手洗いで目が覚める。依然として気持ち悪いことを確かめてがっかりする。そろそろ復調してほしいところだけれど。
夫は5日ぶりの出勤日。さっさと一人で起きて朝食を始めている。本当に手のかからない人である。瞑想もヨガも出来ず、顔だけ洗って食卓に着くが、食欲はない。普段なら朝食を摂る前に夕飯の下ごしらえをするところだが、そういうことすら一切出来ない。
とりあえず今日もバームクーヘンの朝ご飯。昨日は一切れずつだった果物が2切れずつ頂けたのは進歩だ。その分スムージーは飲めなかったけれど、焦らず、少しずつ・・・、である。
夫を送り出して(やはりこれが自然である。)、自分も出かける。今日はかなり肌寒い。厚地のワンピースにライナー付きのコート、ストールを巻いて出かけたが、風が冷たい。
この数日、ひたすら臥せっており、昨日ようやく出勤したものの、覚束ない足元を注意しながら下ばかり見ているうちに、気づけば桜は散り、葉桜も過ぎて、瞬く間にあらゆる木々の若芽が芽吹き始めた。圧倒的な生命力に、弱っている生命体ではとても太刀打ち出来ない。
そんな中、競泳・池江選手の快挙。彼女の流した涙に魂が震えた。辛く長い治療の後、一体どれだけの努力をしてあの場所に戻ってきたのだろう。
3週間毎のエンドレス治療で、毎度日常生活に戻るのさえマイナスからスタートするポンコツおばさんは、眩しすぎて美しすぎる彼女の姿にもらい泣きである。
朝から学生の窓口対応等に終われ、午前中はオンラインのガイダンス。窓やドアを開け放した事務室は想像以上に寒く、一旦薄着になった職員は皆ガタガタ震えてストールや膝かけにくるまっている。
4月からは暖房が入らないのでストーブを点けて対応している。ろくに水分も摂っていないのに、何度もお手洗いを往復するほどの冷え込みだ。
家にいると身体に石の重りが付いているがごとく動けないが、いざ職場に来ると不思議なことに自然に動いている。だんだん復調してくるタイミングなのかもしれないけれど。
無事ガイダンスが終わり、昼は気分転換に外に出た。久しぶりに一番近いカフェで、いつものピクルス多めのホットドッグに蜂蜜トッピングのカフェラテをゆっくり頂く。普通のランチが摂れたことにほっとする。
午後ももろもろ処理した後、夕方からもう一つハイブリッド形式のガイダンスに出席して、今日の勤務は終了。こうした新入生向けガイダンスも残すところ来週の1つだけになった。
明日で治療から1週間になる。毎度のことで織り込み済みではあるけれど、やはり火曜の夕方までは体調不良が続く。明日の朝起きたら、必ずや今日より楽になっているに違いないと信じて過ごす火曜日の夜である。