昨夜はオンライン同窓会後、部屋の露天風呂で再び汗を流した。ボディトリートメントの心地よい余韻が身体を包んでいて、ちょっとけだるい。涼やかな気持ち良い風に吹かれてベッドに入ったら瞬く間に眠りに落ちた。
朝まで熟睡。お手洗いに起きるまで一度も中途覚醒がなかった。
外は快晴。素晴らしいお天気だ。青い海、青い空、刷毛でさっと描いたような雲も美しい。この天気なら、やはりもう一度!と息子は最初に皆で入った海岸に一番近い混浴の露天風呂に行くと出かけた。私は往復の階段の昇降がしんどいし、備え付けの大きなスリッパでは足元が怖かったので、部屋の露天風呂に再度入ることにした。
心地よく汗を流す。夫も身軽に入れるお風呂は便利だったようで(つまり、遠くまでわざわざ行くのが面倒臭いようだ。確かにマスクをつけたままエレベーターに乗ってあちこち移動するのは結構大変だ。)私の後に浸かって息子の帰りを待った。聞けば、一人で昨夜とは別の貸し切り露天風呂(3つあるようだ)にも入ってきたという。本当に温泉ラブな息子である。
昨日は夕食が早かったし、私は夜食も頂かなかったので、すっかり空腹である。昨夜はトリートメント帰りで作務衣姿のままレストランに行ったが、今朝は糊の利いた新しい浴衣で朝食会場に向かった。
今朝は3人とも和食をチョイス。これまた少量多品種で色とりどりのお皿がテーブル一杯に並んだ。
鮪のお刺身が美味しい。3種類の魚も小さな網で焼けるようになっている。お味噌汁も小鍋で提供される。普段は簡単洋食でご飯は頂かないのに、おひつに入ったほかほかのご飯の美味しいこと。野菜ジュースも赤いヨーグルトドリンクも気が利いている。すっかり満腹になって部屋に戻った。
チェックアウトまで1時間半。食休みを経てパッキングを済ませ、今日の予定を相談する。こんなにいいお天気ならせっかくだから綺麗な白良浜を見てから帰ろうよ、ということに。
チェックアウトしてすぐのバスに乗れば、帰りの特急まで大分時間の余裕がありそうだ。来るときにキャリーサービスを使って荷物を宿まで届けて貰ってとても助かったが、帰りも同じサービスがあるというので、駅までキャリーケース等大きな荷物を運んで頂くことにした。
とてもいいお湯でした、と支払いを済ませ、研修中の名札をつけたまだ若い可愛い仲居さんたちに中庭で3人揃った写真を撮って頂き、宿を後にした。
白良浜は、ちょっと外国に行ってきました、といえるような美しい浜だ。ハワイのワイキキビーチとダイヤモンドヘッドを彷彿とさせる。昨日と打って変わっていいお天気だからか、結構な人たちが浜辺で遊んでいる。白い砂は本当に細かくてさらさらだ。マスクをしたままであまり海の香りを楽しめないのが残念。
子ども達は早くも海水浴、付き合っているお父さんやお母さんも大変だ。やはり海辺は風が強い。かつらが心配で、私は砂浜より一段高い階段に腰を下ろしただけであまり遠くまで歩かなかったけれど、夫と息子はハンマーヘッドのような形に飛び出しているテトラパック状の人工岬を歩いてきた。
海水はかなり冷たいらしい。どおりで海水浴後に唇を青くした子ども達が、足湯に顔まで埋めていたけど、大丈夫なのだろうか。
睫毛の殆どない私はとにかく白い砂が眩しくて、とても目を開けていられない。サングラスが欲しい。海風に吹かれて大分疲れてきたので、予定より一台早いバスに乗って駅に向かうことにした。それでも小一時間は散策したようだった。
当初、楓ちゃん観覧の抽選に今日の午前中の分まで応募していたので、それに合わせて息子に特急を予約してもらっていたけれど、結果として落選したので1台前の特急に繰り上げ、息子の地元に帰ることも可能になった。ただしかなり綱渡り的なスケジュール。
それでは、ということで3人の連携プレーで、まずはキャリーサービスを頼んだ荷物が無事に到着していたら(宿で頼んだ時には1時間後の特急を申告していたので、まだ到着していない可能性もあった。)夫がOKサインを出し、それを見た息子が特急券を変更するため駅の窓口に走る、その時間は僅か5分という状況だった。
ラッキーなことに荷物は届いていて、息子が走る。
そもそも乗る予定だった特急は、期待していたパンダくろしお号ではないことがわかり、その1台前は息子が小さい頃から慣れ親しんでいたけれど、いまだ乗ったことのなかったオーシャンアロー号を転用したくろしお号。その先頭車に乗れるならそれがいいのでは、と。無事乗車変更が叶い、今度は夫が駅ナカのコンビニでお昼を調達(コロナ禍のせいか、特急の車内販売も自販機もないのだ。)し、ぎりぎりに改札を通って、滑り込みセーフで乗り込んだ。
希望通り、息子と夫はパノラマカー1号車の1番前の2人席。その隣の1人席はあいにく男性一人客がおられ、私は2列目の一人席だった。ちょうどゆっくり読書が出来るのでベストである。
乗ったと思ったら列車は発車、ああ、無事間に合って良かった、良かった。ちょっぴり残念だったのは鮮やかなアロハシャツが制服の白浜駅の駅員さんたちと写真が撮れなかったことか。
朝あまりに沢山頂いたので、殆どお腹が空かない。夜は息子が誕生日ディナーに招待してくれるということにいなっているので、しっかりお腹をすかせて臨みたい。途中人身事故の影響で到着が20分ほど遅れるというハプニングはあったが無事、終点まで戻ってきた。
そして今日のホテルにチェックイン。ピュアウエルネスルームというコロナ対策万全?の部屋に今夜は夫と2人で宿泊である。
お茶で一服して、1時間半後にはスーツに着替えた息子とホテルのロビーで再集合した。
メトロに乗って3駅移動し、梅田のホテル高層階のメインダイニングでフレンチフルコースのディナーである。この旅行中は普段からは信じられない飽食、胃拡張状態。
アルコール類は提供されないため、まずはノンアルコールシャンパンとロゼのブドウジュースで乾杯。アミューズからお皿をパレットのように美しく彩った前菜が三皿。眼福口福のお料理に舌鼓を打つ。普段は、フルコースはとても頂けないのに、美味しさのあまりするすると喉を通っていく。息子に招待して頂けるとは幸せなことである。
大きな窓の外、西の空はブルーからピンク色に変わってくる。マジックアワーを経て高層ビルの夜景が美しくなってくる。メインのお肉は夫と息子とは違うものにして頂いたので、それだけ2人にちょっとシェアしたけれど、ほぼ完食。
口直しのデザートの後には、「お母さん還暦おめでとう」のメッセージと、可愛いろうそくが2本立ったグラスが添えられたデザート皿が運ばれてきた。スタッフの男性に3人でテーブルを囲む写真を撮って頂く。
食後の紅茶はホテル特製ブレンドを頂いた。さらにサプライズ。「父の日も忘れていないよ」と息子のキーケースと同じブランドのキーリングが夫にプレゼントされた。夫はびっくり。3時間の贅沢なディナータイムは夫婦揃って忘れられない日曜日の夜になった。
お腹は一杯、心も一杯に満ち足りてホテルに戻ってきた。いい一日だった。
明日も休みを取ってくれている息子と一緒に朝食を摂る予定である。