昨夜は入浴後、ベッドに入って日付が変わる頃に眠った。殆ど動いていないし日中もウトウト眠ってばかりだから睡眠は足りていたようで、今朝、目だけは覚める。
けれど、起きて動き出す元気はなし。新聞を取ってベッドで横になったまま読みながらぐずぐず。なんとか午前中に薬を飲まなくては、とリビングに行った。
空腹は殆ど感じない。ヤクルトでナウゼリンを飲んでから4日連続でチョコクロワッサン1つ、初物の桃を一切れ、佐藤錦2粒、ピンクグレープフルーツを1房。バナナスムージーはグラス4分の一。紅茶はマグカップ半分。胃痛防止の青いアロエのヨーグルトは数日ぶりに頑張って1つ頂いた。
とにかく気分が悪い。不機嫌そうに不味そうに目の前で食事をされている夫は本当に気の毒。
起きてただ朝食を摂っただけなのにとても疲れて、食後は迷うことなくソファと一体化。ビデオやテレビを流し、ウトウトウトウト。
直ぐに昼は過ぎて午後。申し込んでいたオンラインフォーラム「がんと生きる~こころとからだ 私らしく~」があったことを思い出して、ヨタヨタしながら書斎に移動する。
昨年の9月に東京発、10月に長野発、今年1月に神奈川発に参加して、今回は4回目愛知発だ。オンラインだからこそこんなに全国のフォーラムに参加させて頂けるのだから本当に有難いこと。
今日のプログラムは第1部がスペシャル対談 “大島康徳(元プロ野球選手・プロ野球解説者)×町永俊雄(福祉ジャーナリスト)”で「がんになっても人生フルスィング」だった。
大島さんは2016年に大腸がんステージⅣが発覚、現在も抗がん剤治療を受けながら仕事を続けているとあった。夫に訊いたら、つい先ごろ息切れしながらTVで大リーグの解説をしていたとのこと。残念ながら先日入院され、今日は参加が叶わず。元気にお仕事されている様子がビデオで流れるとともに、奥様がご自宅からオンラインで登場され、寄り添い方等についてのお話をされた。その間20分ほどだったろうか。体調に波があると仰っていた奥様の涙が辛かった。
第2部はパネルディスカッション。“がん情報”を味方にする・”寄り添う“ってなんだろう?という2本柱で堀田知光国立がん研名誉総長、三嶋秀行愛知医科大学教授、NPO法人ミーネット理事長花井美紀さんがそれぞれお話をされた。
がんの情報はどこから得るか、という参加者への質問には病院、患者仲間や家族、テレビや新聞、ネットの4つの選択肢のうち「ネット」からという参加者が51%でトップだった。私もしかり。もちろん玉石混交、9割とすらいわれるインチキ情報には注意しなければならないけれど。
また、主治医に黙って独自の治療法をしたことがあるか、という質問には「なし」が84%だった。「黙って」とか「治療法」という言葉がネックになっていて、実際には食事療法やサプリメント等も含めてあれこれ試している人はもっと多いのではないかとのことだったが。
一番心に残ったのは“寄り添いハラスメント”という言葉。
9年前にGISTを患い今も治療中の谷島さんが放った言葉だ。一見相容れない二つの言葉を結び付けたことで色々な反響があったという。善意の言動(善意だからこそ)で傷つく患者、わかってほしい、でもわかってたまるかという正反対の気持ちがあるという部分にはとても共感出来た。
人として生きているうえで男性、夫、父親、会社員等々色々なタグが付いている筈なのに、一旦がん患者とになってしまうとそのインパクトが大き過ぎてがん患者というラベルのみになってしまう複雑な気持ちにも頷ける。患者って我儘なのである。
2時間半、机の前で半ば頽れながら視聴したらかなり疲労困憊した。リビングで横になりながら視聴すればよかったとちょっと後悔。
そんなわけで、朝食後殆ど飲まず食わずで夕方になった。夫も何も食べていないと言う。私に付き合って何も食べないのでは夫が身体を壊してしまうではないか、と思うが、付き合って何かお腹に入れる元気が出ない。
薬を飲むために昨日に続いてナウゼリンを飲んで冷凍のスープを頂く。今日はミネストローネ。味がイマイチわからないのだけれど、香りだけは分かる。食後は疲労止めのエルカルチン。
ぐったりしてソファに横になったらまた夜になってしまった。夫は、夕食は一人で一汁三菜、ちゃんと作って食べていた。ちょっとほっとした。
一昨日の在宅勤務日から丸3日間籠城蟄居。また靴も履かない、一歩も外にも出ない治療後の週末。母にDuo通話でご機嫌伺い。以前はこんなに具合の悪い顔を見せることは決してなかったのだけれど、それでもスマホのおかげでお互いの顔が見て話せるようになったのは、大きな進歩だ。
明日は夫が休務日。今日は一日雨の予報だったので洗濯機も廻さなかった。当然掃除はパス。休務日の夫が掃除機をかけてくれるのに頼るのみ、の体たらくだ。この3日間で出来た家事といえば初日の夕食の支度(レトルトとレンチンで支度と言えるのか)と昨日、今日のお風呂掃除だけ。
明日からまた新しい1週間が始まる。何より明日は仕事だ。週の後半には早くも7月がやって来る。
この体調不良が収まってくれるのを祈るしかないけれど、エンハーツほぼ1年、17クールを続ける間で学んだことは、数日で復調するという奇跡は起きないということだ。急に元気になるわけもなく、ひたすら1週間から10日を経てその時を待つしかないのである。