昨夜もお茶をするタイミングを逸し、ビデオを視ながら何となくウトウト。夫は明日が休務日なので、夜更かしを決め込むようだ。付き合わずにさっさと入浴してベッドへ。
そして、今朝、金曜日。夫が休みだと思ってすっかり気が緩む。いつも通りの目覚ましが鳴ってもしっかり消して、BS朝ドラの時間には起きようと寝直したのが運の尽き。気づくとなんと9時である。
夫が「まだ寝てるの~」と起こしに来る。いやはや、なんという体たらく。
今日も良いお天気だ。朝食を済ませて食後の薬を飲んだらもう10時を回っている。嗚呼。なんと一日が短いことよ。相変わらず食事をすると腹痛になって、あっという間に緩くなる。
夕飯の下ごしらえを済ませ、新聞を読み、ネットで各紙をチェック。瞬く間にお昼になる。
今日は、7月、9月と参加してきた、通院先の病院が主催するオンラインがんサロンの3回目。前回も前々回も参加者が少なく、後半の“語り合いの会”に残ったのは私一人。結局流れてしまっていた。
今日も正午から1時間の予定で前半が講演、後半は語り合いの会だという。予め両方参加と回答していたが、さて、今日は語り合いの会が成立するのかしら等と思いつつ入室。
ホスト側の病院関係者以外に参加者は私を含めて10人。前回よりも増えている。今日のテーマは「がんと心の手当て」で、病院の公認心理士Tさんが講師だ。
まずは2013年に静岡がんセンターが4,000人を超える患者の声を集めた研究結果が紹介される。がん体験者の悩みは、心の苦痛が4割近くでトップ、続いて暮らしの負担、身体の苦痛は各々2割強、診療の悩みが2割弱という結果であるという。
サイコオンコロジー(精神腫瘍学)という言葉は心理学と腫瘍学から成っている。
がんが心に与える影響、即ちがんになると心がどのような状態になるか、だが、一般的には告知、再発、病状進行等が起こった時、通常は2週間から1か月ほどで心は日常生活に支障のない状況に戻るが、それ以上長く続く時、うつ病、適応障害等が起こるとされている。
逆に心ががんに与える影響として、英国で乳がん術後3か月の人達を5年間追跡調査した結果を例に出された。
それによると、がんとの向き合い方には大きく分けて4つあり、①がんには絶対負けない!勝ってみせる、②がんになったのは事実、淡々と治療に取り組もう、③もうだめだ、絶望しかない、④がんであることを考えないようにしよう、だったという。講師から、このうちがんの進行に悪い影響を与えないのはどれだったと思うか、と質問された後、答えが示される。
③は進行が速かったというが、①②④は進行の度合いが変わりなかったという。私は②が一番良いのかな、と思ったが、①と④も変わりないという結果にはそうなんだ、と思った。
そのため、もうだめだ、絶望しかない、というような考えに飲み込まれないように工夫しよう、と話は進む。
絶望しないために自分で出来る心の手当てとしては、風邪の時温かくしたり、ケガをしたときに消毒したりするのと同様に行う。そのために知っておくと良いこととして、(1)心の仕組み、(2)ストレス対処法、(3)ソーシャルサポートの3つを挙げられた。
(1)私達の心の仕組みは、身体→気分→考え方、行動→身体・・・と各々が各々に影響を与えている。
例えば、(身体)だるいな→(気分)憂鬱→(考え)がんが悪化したのでは→(身体)ますますだるい・・・となった時に、いや、昨日寝不足だったのかも、と考えてみる。考え方や行動は簡単に変えられる。
脳の特性を知って「頭を使う」ことが大切。
脳の特性の1つ目:人間の脳はネガティブな考えを生み出しやすい→当初から最悪なことをイメージして、たとえどんなことが起きたとしても「想定内」にしたい。対応:「Aで もある、でもBでもある」という考え方を練習する。だるいのはがんが悪化したから?でも昨日寝不足だったかもしれない、と考える。
次に「体を使う」こと。
脳の特性の2つ目:脳は1度に1つのことしか集中出来ない→対応:集中を要する活動:料理、片付け、掃除、運動、お喋り等
(2)闘病、療養生活にはストレス対処法が必要。
「動」のストレス対処法としては、体を動かす(ウォーキング等)、読書、買い物、美味なものを食べる、映画、カラオケ等がある。
これからは「静」のストレス対処法である、呼吸法、自律訓練法、マインドフルネス瞑想。リラックス状態を自分で作り出せるようになれば、免疫機能にも良い影響がある。いつでもどこでも1人でも出来てお金もかからない。
(3)ソーシャルサポート 孤独感は心にダメージを与える。連帯感=繋がっている感じは心を元気にする。
ソーシャルサポートには次の4つがある。1人が全てを担うのは負担、色々な人に色々なことをお願いしよう
① 情緒的ソーシャルサポート:話を聴いてくれる、慰めてくれる
② 道具的ソーシャルサポート:金銭的援助、病院への送迎
③ 情報的ソーシャルサポート:知識、情報を提供
④ 評価的ソーシャルサポート:ほめてくれる、フィードバックしてくれる(肯定的声掛け)
続いて、ご家族へ:家族として患者を支えるには?
・腫物に触るようにしない
・話を聞いてあげる ささいなこと、ちょこっとしたお喋りでよい。アドバイスはあまり必要ない
・支える側も無理しない 患者が申し訳ないと思わない程度に→日常生活を保つことが支えになる
「ありがとう」の言葉はエンドルフィンの分泌に繋がる
今まで以上に「ありがとう」を伝える。余裕のない現実の中でもよい関係を保つことが出来る
ご家族は第二の患者さん、心のケアは家族にも必要なケースがある。
病院における窓口は主治医、看護師に加え、がん看護外来、心療内科、メンタルヘルスセンター、メール相談等沢山ある。辛い時にはノックをしてみましょうと紹介された。
今日の話のまとめとして、
がん→一時的に気持ちが落ち込むが、長期間続くなら主治医に相談する
絶望に陥らないよう自分でも心の手当てを(Aでもあるが、Bでもあるの考え方、身体を動かしストレス対処、呼吸法、瞑想等にもトライ)
周りの人との日常生活を大切に、「ありがとう」がコツ
家族も無理は禁物、遠慮せず医療者に相談を
30分の講演後、質問タイム。
Q1:心療内科はハードルが高いが、がん看護専門外来はアポが必要か、料金は?
A1:6人の看護師が相談を受けている。時間をゆっくり取って話すので予約制。主治医や外来看護師に言うか、直接病院に電話を。診察と同じ扱いで3割負担で1回600円ほど。
Q2:心療内科は予約がかなり先になるようだが・・・
A21:実際混んでいる時はあり、申し訳ない。我慢しないで近隣のクリニックで、というのも一案。
Q3:呼吸はどんな感じで?
A3:自分の身体を自分でコントロールするのは難しいが、呼吸は唯一コントロールが出来る。「4カウントで吸い、6カウントで口から吐く」を2回皆で実践した。吐くカウントの方が長いのがポイント。
最初に画面共有トラブルがあって遅れたこともあり、15分弱時間が押していた。
次回は来年1月、理学療法士さんによる「がんリハビリテーション」がテーマとの周知があった。
終了予定時間まで残り15分で果たして「語り合いの会」が出来るのだろうか、とちょっと不安になったが、これからは顔をお見せくださいというアナウンスがあり、前回までのように何となく皆さんが退室されるのかしら、と思いきや、次々とカメラがオンになる。4人が退出されて、6人になっていた。
ここで、ルール確認、約束事項の画面共有がある。
・参加者の考えを尊重し、相手を思いやって発言 ・どのがん種、どの病期にも共通するテーマを ・個人的相談や助言をするのは控える ・プライバシーを守り、SNSへの投稿は禁止 ・サプリ等の話題、宗教的、政治的発言等は控える 発言はリアクションボタンで、等々。
まずは自己紹介、本日参加しようと思ったきっかけ、話したい事、聞いてみたい事等を、と担当のHさんが参加者へ自主的発言を促される。
皆さんがそれぞれご自分の状況を話され、最後に私の番になった。これまで何度か参加してきたが、語り合いの会が成立したのは初めてで、嬉しい。この病院には再発以来14年半、化学療法でお世話になっている。こんなに長持ちするんだということを知って頂ければ元気になって頂けるのでは、と思う、と発言した。
Tさんからはご自身のがん種と手術時期、病期等が語られ、励まされたというリアクションがあった。
子どもの受け止め方として、家族として参加されたAさんは中学生の時に聞かされ、衝撃が大きくて車の中で泣いた。情報を隠されるより言ってほしいという発言があった。
私は初発の時はまだ息子が8歳だったこと、治る気満々だったので当時は詳しいことは言わなかったが、再発し、中学受験が終わった段階で、脱毛なども始まることから話をした。
思春期に学校でがん教育の授業があった時、乳がん検診を家族に進めましょうと言った先生に「ぼくのお母さんは現に治療中で、大変です」と発言し、クラス中が凍り付いたというエピソードも話したが、その息子も今は社会人4年生となり、離れて住んでいるが、よく帰省し、大人同士として話せるようになったこと。死ぬ死ぬ詐欺と言われつつ、良い関係が保てているので、話してよかったと思うとお話した。この段階で1人が退室され、残ったのは5人。
Sさんは私とはがん種が違うが、薬が変わると副作用も変わるのかと私に質問があり、これまで沢山の薬にお世話になってきたが、薬が変わると副作用は変わる。私は副作用が強く出る質で、先生と相談しながら、減量したり、期間をあけたり匙加減でこれまで命を繋いできた。2005年に罹患した時に比べて医学の進歩は素晴らしいので、もちろん経過観察になればその方が良いが、万一ずっと治療しなければならない状況になっても諦めずに治療を続けていけると思う、とお答えする。
すると、乳がんは一般的ながんで薬の選択肢も沢山あるが、自分のがんはそれほど薬もなく、特に自分は特殊なので・・・とのお答え。初対面でオンライン、がん種もそれぞれ、病期もそれぞれのメンバーが短時間で語り合うことは難しいと思わざるを得なかった。
最後に講師から一言。主治医とのコミュニケーションを遠慮せずに思いを伝えてほしいとあり、遅れた分13分を押して語り合う会がお開きになった。
この後、ヨガクラスを受講する予定があり、25分遅れたら間に合わないので諦めようと思っていたが、13分遅れだったので、お昼抜きでそのまま家を飛び出し、T先生のストレッチングヨガのクラスに向かった。
いつもは30分前にチェックインするのだが、今日は15分前になった。定位置確保は難しいかな、と諦めていたが、思いのほか参加者が少なく、定位置も空いておりラッキー。参加者は14名だった。
仰向けで腰を緩め、座って首筋を伸ばし、呼吸観察。再び寝ポーズで肩を大きく廻す。立ちポーズはチェアポーズ等も含め、基本ゆったり。再び仰向けでワニのポーズ、シャヴァーサナが短くて残念だったが、しっかり汗をかけ、シャワーでさっぱり。
さすがに空腹で、夫とアウトレットモール内のカフェで合流して軽食とおやつタイム。少しお店を冷やかしてから帰宅した。一服して、掃除を。夫は掃除機をかけてくれて、私は拭き掃除を。
母にMeet通話で、御用伺いをすると、薬用酒がもうすぐ無くなるというので、ネットで注文することにした。
ゆるゆると夕食の支度をして、食事を済ませ、こうしてブログを書いている。
とんでもない朝寝坊で始まった金曜日だったが、昼からは精力的に動けて結果として充実した日になった。
明日は朝からオンラインで予定が、午後からはリアルな予定が詰まっている。
治療前の最後の土曜日、頑張りすぎず、動けるときに動かなければ。