こだわりの農業

土作りから栽培・収穫まで無農薬・無化学肥料(自然農法)で露地草生栽培を実践するわが家を紹介します。

農薬のポジティブリスト制

2006-04-21 23:09:54 | 営農のこと
5月29日から、食品の残留農薬に関するポジティブリスト制が始まります。
判りやすく言うといままでは、「使ってはいけない農薬」が作物ごとに決められていた(ネガティブリスト:言い換えれば、それ以外は使って良い)のに対し、今度は、「使って良い農薬」が作物ごとに決められた(ポジティブリスト:それ以外は使ってはいけない)に変わると言うことです。

今回の改正で何が大きく変わるのか?
作物ごとに使って良い農薬といけない農薬が決められたため、例えば隣り合わせで種類の違う作物を栽培した場合、使える農薬が異なってきます。使用が認められていない農薬が一定の残留基準を超えていることが判明した場合、その作物の流通や販売が禁止されることになっています。

意識的に「使ってはいけない農薬」を使うことは論外ですが、隣で栽培している作物には「使って良い」のに、この作物には「使ってはいけない」なんてことが日常的に起こりえます。
この制度では、風などで農薬が隣にかかってしまった(ドリフト)場合も「禁止農薬を使った」と解釈されます。このようにドリフトによる場合は、「禁止農薬」が0.01ppmを超えると流通禁止になります。

うちのように農薬を使わない栽培をしている場合、全く関係のない制度ということになると思われると思いますが、実はそうでもないんです。
お隣の畑や田んぼで農薬を使われた場合、それがうちの作物にとって「禁止農薬」であったりする可能性があります。幸いお隣も農薬を使わないので、とりあえず安心していますが。ただし田んぼについては、用水から水を引いているので、「禁止農薬」を上流で使われたりすると、手の施しようがありません。

どこの世界にも、「わかりゃしない」とばかりに規制を無視する輩が必ずいます。
ましてクスリを使うことが当然と思っている人であればあるほど、うち1件くらい大丈夫という勝手な理屈がまかり通る可能性があります。

以上のことから、農薬を使わないから関係ないがどうも通用しそうにない状況です。まず敵を知ることで、対策も考えることができるというもの。

万が一を想定して、最近は特に「お隣の作物」がやけに気になります。そして、その作物に「使って良い農薬」を調べます。その後、うちの作物にとって「使って良いのか悪いのか」を調べます。あくまでも農薬(それも規定のもの)を使われる前提で最悪、うちにどんな影響が出そうかを見極めています。

「農薬のポジティブリスト制」、一見関係なさそうな無農薬栽培農家にも大きな影響を与えています。
Comments (2)
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