2016年2月16日(火)
マガリをキカしてブツケたのは良いとして、案の上の上ハネ(Fさんなら絶対そう来ると思った)に対して下へハネ返したのがマズかった。3子を大きく呑み込まれたうえ外側を決められ、何を打ったか分からない。自分が許せないというのは、この図を途中までは予測していたのに、勝手読みで3子を代償に外側を塗れると思い込んでいたことだ。あ~あ・・・
右側の白に累が及ばないよう、なるべく離れて盤側よりで収拾するという発想は悪くなく(逆につながるような打ち方がないとすれば、だが)、それならサガリが良かったようだ。相手の断点を強調する意味では、ヒキでも同じようだが、中央側をオサれるのは切ってしまえば良いとして、断点をツガれた時にサガリの方が収拾しやすい。どちらもマガリを打つことになるが、ヒキからのマガリに上からオサエられると、案外右側の白に負担なのである。サガリからなら上方の白と連絡する形が地の得になるうえ、右側に石が近寄らない利点がある。
ブツカリからサガリなんて、いかにも筋ワルで卑屈な感じがして考えなかったが、最善手は場面によって違う。適応障害の臨床と同じだ。
もうひとつの反省は、右辺の黒を攻めるにあたって準備のモタレを打たなかったことだ。これにも言い分はあって、右辺を攻めるのではなく、右辺にプレッシャーをかけて上辺に打ち込むつもりだったのである。途端に後ろから来られてペースを握られた。そこでむやみに右辺に突っかからず、ガマンして受けたのは良かったかも知れない。できあがり図で右上が20目の地で落ち着いているのはその一着あればこそだし、結果的に右辺の黒は手を抜きすぎて死んじゃうことになる。
それでもやっぱり、右上中央にケイマを一着打つべきだった。隅の補強、上辺の制限、右辺の攻撃準備、一石三鳥の立派な一手だったのに・・・
再度の時間切れで来週へ打ち継ぎ、白番。上辺を手にされたかと一瞬ヒヤリとしたが、6の一にオサえて問題ない。コスんでワタリを見てきたときに、サエギるのではなくオサエてダメを詰めるのが冷静。うっかりサエギるとコウにされて大事になる。その後、黒が左上を取る特大のヨセを打ち、出入り20目以上だがこれでも白が良いらしい。白に先手が回って左辺と下辺のヨセを打って終局。紛れる余地がなく、「クリックミス」でもない限り白が盤面でも10目あまりの勝ちだけれど、これが少しも嬉しくないのである。自分の碁が打てていないからだ。
そもそも朝からどことなく不調、午後も引き続き不調。南相馬の臨床心理士Sさん、「やどかりの里」の連載記事を帰途に読み、深く頭(こうべ)を垂れる。どうも申し訳ない。