2018年1月2日(火)
昨日、縁側の手水鉢で水浴びしていた百舌君と、今日はずいぶんお近づきになった。
午後の陽射しの中、青空を横切って冬枯れのケヤキの梢に止まり、首を傾げてあちこち見回している。やがてアンズの枯れ木に場所を変え、次に地面に刺した棒杭のてっぺんへ、さらには灌木に逆さに立てかけた熊手の先まで降りてきた。2メートルほどの至近だが、こちらを警戒する様子は全くない。スマホカメラを向けると、さすがにケヤキの高枝に退いた。しばらくするとまた降りてきて、首を傾げ、尾を上げ下げしてあたりを見回している。
そのうちサッと地面に舞い降りて、すぐまた飛び立った。頭上のサザンカの梢で空の青を背景に、小さな土色のトカゲが細い嘴からぶら下がって見え、次の瞬間には呑み込まれてしまった。枝や農具に止まってあたりを見渡すのは酔狂ではない、高みから昆虫や小動物を探査し、見つけるが早いか最短距離で捕獲するのである。LINEの画像を見た息子たちの言う通り、丸っこくて白・茶・黒のパステルカラーの親しみやすい風貌とはミスマッチな小猛禽ぶりである。門を出て木小屋跡の🍊畑で作業していると、そこでもまた目が合った。好かれているかと錯覚しそうだが、先方は自分の行く先々について回るこの人間を怪しんでいるかもしれない。
← わが家の訪問者 / Wiki の画像(左:雄、右:雌)→
この鳥が雄であることは上記の通り確認ずみ。陽が傾いてきた頃、敷地の西端の柿の木のあたりでチュンチュンという鳴き声が聞こえた。こう書くとスズメのようだが、ずっと張りのある強い連続音で、明らかにもっと大きな体から出ている。すると、これに応じるようにキッキッキッキッという鋭い高鳴きが寒空を切り裂いた。こちらは東側のケヤキの梢が発信源。 鳴き交わすこと一、二合、いつの間にかどちらの鳥も消えていた。
百舌はつがいを作って子育てするというが、連れ合いが夕暮れ時に呼びに来るということがあるだろうか。ありそうもない、むしろ縄張り争いの高鳴きだろう。いずれにせよこの鳥は鳴き囀りのパターンが多く、それで「百舌」と言うのだそうな。これまで春・夏・秋の帰省を繰り返しながら見ることのなかったこの鳥を、昨日来しきりに見かけるのも面白い。樺太や朝鮮半島の百舌は中国南部まで南下して越冬するという。このあたりのものは、山間から里へ降りてくるパターンだろうか。四国の山は険しく深い。
冬はモズ夏はツバメを迎えけり(桃蛙)
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