2020年12月12日(土)
郵便受けに大ぶりな紙包みが届いた。中から出てきたのは「日刊スポーツ」12月11日号、それも同じものが二部。芸能人カップルの電撃婚を伝える一面の頭越しに、二本の付箋が送り手の意図を伝えている。
18面はレジャー面、「大洗ヒラメ解禁」からずっと下、「キラフォレ5人卒業」の横に並んだ「情報」欄、これだったのか。
以下、転記:
”魂の詠唱” 本田歩さん作品集刊行
統合失調症を患い、47歳で他界した本田歩さんの作品を集めた「ケセラセラ 統合失調症患者の作品集」(文芸社・本体1400円税別)が命日である12月9日、刊行された。
本田さんは20代後半に統合失調症と診断された。同じ頃、父親の病死、精神科閉鎖病棟への入院、離婚、離転職を経験した。そのようなつらい経験の中でも、日々の何げない情景や家族への思い、人生の機微などを写真付きの俳句や詩にしてスマホに残していた。しかし、2019年12月に急死。生前、本田さんが「生きているうちに小説でも出版したい」と言っていたことから、スマホに残された200点近い写真付きの俳句と詩、スケッチブックにあった水彩画から遺族が抜粋して出版した。
本田さんは働きながら放送大学で学んでいた。同大教授で精神科医の石丸昌彦氏(63)は「統合失調症があっても、病があっても、こんな作品が残せるという励みになってほしい」と語り、”患者の作品集ではあっても、病ゆえの作品集ではない。「月の夜に生きる喜びケセラセラ」から「秋深し気高く燃やせこの命」まで、この世に自らを開いて歩みきった魂の詠唱である”と推薦文を寄せた。
アマゾン、楽天市場、または全国書店での取り寄せで購入できる。
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書いたとおりで、仔細や背景ゆえでなく作品そのものが星屑のように輝かしいのである。写真もよいし、詩句もよい。御家族の依頼により帯の推薦文を書かせていただいたこと、光栄の一語に尽きる。
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スポーツ新聞という存在を大いに見直した。その他いろいろ思うところがあるが、今はただ作品集の広く読まれることばかりを、ひたすら願っている。
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