Radix社のV形ダイポールRD-S106を手に入れましたのでレポートします。
ご存知の方も多いと思いますがRadix社は移動運用に特化したアンテナを販売しています。独自のアイデアでコンパクト化や軽量化の工夫がされており、使い勝手の良さで移動運用局の愛用者が多いです。最近は他社も類似の商品を投入しており、あのナガラ電子もDO-3BというHF用V形ダイポールを発売しています(重量はさすがナガラですがHi)。
私もRadix社の50MHz用3エレHB9CVを使用しており、軽さと組み立てのしやすさで重宝しています。2エレよりよく飛ぶので便利です。
私の常置場所ではアンテナを常設しておらず、使うときだけ伸縮ポールで上げるようにしています。7MHzなんかはコメットのHA750BLという状態(しかも借り物)です。HA750BLも50W入れれば国内QSOでは使えるには使えるのですが、ハイバンドでは今一つですし、いい加減返さないと悪いので新しいアンテナを買うことにしました。
隣の家や道路にはみ出ないようコンパクトにするため選んだのがRD-S106です。28/50MHzのフルサイズV形DPですが追加でコイルセットを買うと7~24MHzの各バンドにも対応します。エレメントは片側2mしかないため、先端に50cmのハットエレメントを取り付けて効率を上げています。映画「崖の上のポニョ」でJA4LL局が使っていたアンテナのモデルとも言われます(私も4エリアだしいいか)。ハットエレメントで少し長くなっているとはいえ7MHzでは短縮率が高く、効率は高くないのですが、国内向けで50Wで使うなら少しは使えるのではないかと思います。
Radixの製品は通販専用品を除けば秋葉原の富士無線でほぼ扱っています。10%ほど割引もあるのでメーカー直販より安く手に入ります。7MHz用のコイルセットも合わせて買いました。秋葉原なので帰りは飛行機に載せて伊丹まで空輸ですHi
試しに組み立ててみました。場所はいつもの猪名川調整場です。
上からバラン(クロスマウント付き)、エレメント、7MHz用コイル、ハットエレメントです。収納時の長さは60cm弱、重量はコイル込みで1.2kgと軽量です。
エレメントは中空のアルミ製で釣り竿のように伸ばして使います。先端のハットエレメントはステンレス棒です。かなり軽量化されています。
短縮コイルを使う場合はバランにこのマッチングケースを取り付ける必要があります。調整時にワッチしていたらマッチングケースを取り付けないとSがかなり弱くなりました。中身は謎ですが取り付けの確認は要注意です(逆に28/50では付けるとSWRが落ちない)。
猪名川調整場での調整風景です。ここだけフェンスがあり、伸縮ポールを簡単に設営できます。RD-S106はカメラ用の三脚でも設営できるようクロスマウントに取り付け穴がありますが、地上高が低すぎて実用にはなりにくいかな、と思っています。画像をクリックしてもらうと分かりやすくなりますが、先端のハットエレメントが見えています。
このアンテナはエレメントの伸縮で同調点を調整します。標準寸法のところに小さい穴がありそこで当たりを付けます。7MHzでは7055kHz付近に同調点がありました(実は12/23のJS3OMHさんの能古島迎撃で一度組んでみたときはSWRが5~7で下がりませんでした。原因不明)。SWRが1.3前後なので問題ないでしょう。
短縮形ですのでSWR<1.5の幅は狭く、実測で20kHz前後(カタログでは15kHz)しかありません。SSBとCWでは調整点を変える必要がありそうです。
2.5Wで7エリアの局を呼んでみたらコールが返ってきました。とりあえず使えているようです。
先日の大阪府泉北郡移動で5Wにして使ってみました。QRMの激しい7MHzは苦労しましたが何とか9局とQSOできました。7045kHzに調整してみたところ、20kHz離れた7065kHzではSWRが3以上あり苦しい感じです。50MHzは標高の高い山やEsでは有効とは思いますが、それ以外(低山や平地)では苦しい感じでした。
コンパクトで軽量、伸縮ポールがあれば簡単にQRVできる手軽さが一番の売りでしょうね。資金をためて21MHzのコイルも買おうかと思っているところです。