土曜日に用事があり東京に行ってました。今日は時間がありましたので船の科学館に行ってきました。見たかったのは初代南極観測船の宗谷です。
南極観測船は現在「しらせ(2代目)」が南極に向けて初めての航海をしている最中ですが、初代の宗谷が南極に向かったのは1956年のことです。氷に閉じこめられたりと様々な苦難をくぐり抜け、6回も南極へと旅立ちました。この宗谷は南極観測船として新造された船ではなく、1938年にソ連籍の貨物船として竣工しています。国際情勢によりソ連への引き渡しがされず、日本籍の地領丸という名前になり、さらに海軍の特務艦(戦闘を主目的としない艦船)宗谷となった船です。何度攻撃を受けても奇跡的に生き残って終戦を迎えた船です。南極観測船に起用されたのは宗谷が元々ある程度の砕氷能力を持っていたことと、この船の強運に賭けたのだと言われています。宗谷の生涯は『奇跡の船「宗谷」』などの本になっていますので一度読んでみると面白いです。
この宗谷は後任の「ふじ」「しらせ(初代・2台目)」と決定的に違う点があります。
宗谷の煙突にはこのようなマークが。これは海上保安庁の所属を示すマーク(ファンネルマーク)です。各地に配備されている現役の巡視艇にも同じマークが入っています。宗谷は海上保安庁所属だったのです。PL107という記号も保安庁の規程で入っているそうです。
一方「ふじ」や「しらせ」にはファンネルマークが入っていません。これらの船は海上自衛隊の船なのです(非戦闘用の砕氷艦という扱い)。国際的に軍所属の艦艇はファンネルマークを入れず海軍旗もしくは国旗を掲揚するのだそうです。
お隣に展示されている青函連絡船の「羊蹄丸」と比べると小さな船で、見て分かるとおり何度も受けた改装工事でつぎはぎだらけの船体をしています。よくこの船が南極に行ったなぁと思える船です。ちなみに内部も展示されており、通信室なんかもガラス越しに見学できます。撮影に失敗しましたがクラシックな無線機が並んでおり、一見の価値があります。
これからの受験シーズン、キットカットなんかの判じ物よりこの船の強運にあやかる方が効果があるかも知れませんねHi