JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

東海汽船がジェットフォイルを新造

2017-05-15 | シャック便り
伊豆諸島航路を運航する東海汽船がジェットフォイルを新造することになりました。詳細はこちら。来月に正式契約が行われ、2020年7月からの就航を予定しています。建造費は51億円とのこと。

建造後36年となった「虹」を置き換えるため、としています。

そう、つい先日乗ったばかりの「虹」です。


ジェットフォイルは1974年にアメリカのボーイング社が航空機の技術を転用し開発した高速水中翼船で、水中翼により浮力を得るため船体が海面より浮き上がり、40ノット以上の高速で揺れない航海が可能です。1989年に川崎重工がライセンスを取得しており、1974~1985年に建造されたボーイング製と1989~1994年に建造された川崎製とがあります。川崎製のジェットフォイルは主に九州の事業者に営業をかけたようで、九州商船(長崎-五島)・九州郵船(博多-壱岐・対馬)・鹿児島商船(鹿児島-種子島・屋久島)などが採用しています。

しかしながらその後の新造は途絶えています。ジェットフォイルは航空機と同様に部品を交換し長く使うことができるためこの20年ほどは中古船の売買で賄ってきましたし、川崎側も「需要は満たせた」として積極的な営業をかけてきませんでした。東海汽船が2002年に「愛」「虹」「夢」の3隻を投入した際も全て中古の購入でした。

しかしながら初期のボーイング製は耐用年数を迎えており、既に引退した船も出てきています。東海汽船の購入した「夢」も機関不調をたびたび起こすために引退し、JR九州高速船で不要になった1隻を購入し「大漁」として投入しています。「夢」を購入する船会社はなかったようで、川崎重工で部品取りになっているようです。


現状のままでは国内のジェットフォイルはいずれ全て老朽化して運航できなくなってしまいますが、川崎側はこれまで「5隻以上のまとまった注文があれば建造を再開してもよい」との姿勢でした。東海汽船としても「夢」の置き換えで新造を望んだもの川崎側と話がまとまらなかったようです。ジェットフォイルの代替船は他になく先行きが心配されていた矢先の新造話となりました。

「5隻以上」の条件を川崎側が緩和したのか、国内他社に新造の動きがあるのかは不明ですが、他社の動きが注目されます。国内では種子屋久高速船(所有は鹿児島商船)の「トッピー7」が1979年製で最も古く、次いで佐渡汽船の「ぎんが」と東海汽船の「愛」が1980年であり、このあたりの置き換えも考えられます。


ちなみに「虹」の船内はこんな感じです。

手は入れているものの古さは隠せず、「愛」のようにリニューアルも行われなかったためどうなるんだろうと思っていたところでした。

ジェットフォイルの新造は有り難いのですが「さるびあ丸」の置き換えはどうなるんでしょうね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする