JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

FT-817のバッテリについて考える④(ニッケル水素編)

2010-01-21 | JF4CAD技研

FT-817で使うバッテリについての4回目はニッケル水素です。

 

なお、ニッケル水素等の電池においては慣例で容量をmAHで表現しています。1000mAH=1AHです。

 

[ニッケル水素の特徴]

かつてのニッカド電池に近い製品です。標準電圧が1.2Vというのもニッカドと同じです。それでいてニッカドより大容量な製品が作れます。なお、ニッカドは原料のカドミウムが環境問題を引き起こすため、現在は特殊用途を除き製造されていません。

 

アマチュア無線ではそれほど歴史がありません。もちろん、ユーザーレベルではそれ以前からチャレンジした方がいましたが、最初の頃は容量抜けなど製品が安定せず、苦労したと聞いています。現在のニッケル水素は改良が重ねられており、三洋電気のエネループなど大衆向けでも使用されるようになっています。

 

長所としては、

・乾電池サイズもあり、扱いやすい(単1~4、006Pもある)

・最大で13000mAHまで存在するため、選択の幅が広い

・シールドバッテリより軽い

 

一方、短所としては

・そのままではFT-817に使えず、何本かを組みあわせて使うことになる

といったあたりでしょうか。

 

なお、「メモリー効果が怖い」的な記事が今でも見られますが、ニッケル水素におけるメモリー効果は対策が重ねられており、現在の製品ではほとんど気にしなくていいです。

 

 

[選定のツボ]

単3サイズ(~2500mAH前後)

ニッケル水素には単3電池サイズの製品があります。これだとFT-817の電池ボックスにそのまま入ります。FT-817の電池ボックスは単3が8本入りますから、9.6Vとなります。標準品のFNB-85と同じ電圧ですが、電池の容量が大きくなりより長い運用時間を実現してくれます。なお、メーカー非推奨ですが電池ボックスの緑色の線をカットすればFT-817での充電が可能になります。

 

FT-817の電池ボックスに入れて使うのではなく、外付けで電池ボックスを作ったり、タブと呼ばれる薄い金属片が電極に付けられているタブ付き電池を組み合わせて組み電池にして使う方法もあります。これなら内蔵のFNB-85とどちらか電圧の高い電池を自動切換で使ってくれるので運用時間を延ばせます。電池の組み合わせによってFNB-85より高い電圧を実現でき、HIモードを維持できる電圧を実現することもできます。しかし、電圧を上げても容量自体は2AHクラスのシールドバッテリのときと同じです。HIモードでは電池の負荷が大きすぎますから、L3モードでの使用にとどめた方がいいでしょう。

 

単1・2サイズ等(4500~13000mAH)

HIモードを使うならこのクラスになります。サイズ的には外付けのみになります。9000mAHの11個でもケース等込みで2kg前後とシールドバッテリより軽量です。なお、このクラスの急速充電は危険ですので電池の資料をよく読んで行ってください。

 

メーカーGP社のサイトを見ると、13000mAHの製品まで揃えています。これで約12~13時間前後の運用時間を確保できますが、この辺が容量の上限と思われます。さらに容量が必要でしたら複数のバッテリセットを用意するかシールドバッテリになります。

 

 

[何本組み合わせるのがいいか]

1本1.2Vのニッケル水素を組み合わせてFT-817のHIモードで使用することを考えると、

10本(12V)

11本(13.2V)

12本(14.4V)

が選択肢となります。

 

10本の場合はシールドバッテリの充電回路を転用すれば簡単に充電できます。その代わり、HIモードを維持する11.5Vまでの余裕があまりありません。11本や12本ではHIモードの維持がしやすい半面、充電器を自分で設計するなり見つけるなりが必要です。12本の場合は電池の重量やコストも気になってきます。単純に「電圧は高いほうがいい・容量は大きい方がいい」とはゆかないのが現実です。ご自分の用途や技術力、財布の中と相談して決められるのがベターです。

 

私は9000mAHを11本にしていますが、これはそこそこの容量を確保しながら重量を抑えたいという考えによります。1本900円の電池ですから1本のコスト差も結構大きく、11本がいいだろうとの判断に至りました。

 

 

[入手方法]

シールドバッテリ同様、秋葉原の秋月電子が比較的種類を揃えています(通販可)。同店では台湾のGP社製品を中心にタブ付き・タブなしとも取りそろえています。しかし、必ずしも容量が大きいものが高いという風になっておらず、経済的なものもあれば割高なものもあります。個人的には4500mAHのタブ付き(@600円)と9000mAHのタブなし(@900円)、11000mAHのタブ付き(@1300円)がコスト的に良さそうに思います。

 

また、大阪の共立電子では組み電池を製作して納品してくれます(電池の実費+作業費が必要)。

 

 

[充電器]

各種の充電器が市販されています。しかし、組み電池用のものは市販品が限られます。最適なものはキットを応用するか自分で設計するとかになります。簡易的には0.1Cの電流を流して18時間で充電するのがいいです。

 

価格的にも性能的にもニッケル水素が一番扱いやすいと思います。飛行機への持ち込みでも断られたことは一度もありません。

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FT-817のバッテリについて考える③(シールドバッテリ編)

2010-01-20 | JF4CAD技研

FT-817で使うバッテリについての3回目はシールドバッテリです。

 

[シールドバッテリの特徴]

自動車用の鉛バッテリを改良したもので、原理は同じです。倒しても中の硫酸が漏れないようになっており、補水も不要など手軽に扱えるようになっています。パソコン用のUPSやバッテリ式の非常電源に使われたりしていますので大量に生産されています。

 

アマチュア無線では20年ほど前から使われているようです。当初はジャンク屋に中古バッテリが安く流れており、移動好きな局長さんの口コミで広まっていったように記憶しています。当時ジャンク屋には電電公社のミニファクスの中古流れ品もあり、これをアマチュア無線で使うことも流行っていました。現在はロボット等にも使われるため、パーツ店などでシールドバッテリの新品を購入することができます。

 

長所としては、

・技術的にこなれており、大量生産されているので価格が安い

・2AHクラスから30AHクラスまで各種容量が揃っており、選択の幅が広い

・12Vの製品があり、そのままFT-817に使える

 

一方、短所としては

・電極が鉛、電解液が硫酸で重い

・放電状態で放置すると使用不能になることがある

といったあたりでしょうか。

 

前にもちらっと触れましたが、シールドバッテリの12VではHIモードにはなっても真値の「5W」は出ません。念のため。

 

 

[選定のツボ]

2AHクラス

シールドバッテリは重いため、1kgを切る重量の軽い2AHクラスのバッテリに目が行きがちです。しかし、このクラスのバッテリはFT-817のHIモードには向かないのが現実です。細かいことは割愛しますが、このクラスのバッテリにとっては受信時の消費電流が0.5A前後になるFT-817は受信だけでヘビーな負荷なのです。ましてやHIモード送信時の消費電流たるや…ということなのです。そのため前回説明した「希望運用時間×1000mAH」の目安よりかなり短い運用時間しか確保できません。かつてのFT-690mkIIならばこのクラスのバッテリで軽く3時間以上は運用できましたが、FT-817ではL3モードにしても3時間の運用は困難かと思われます。あくまでL3モードで短時間の運用向けと割り切ってください。

 

5~8AHクラス

このクラスになるとようやくHIモードが使えてきます。しかし、7.2AHのバッテリで2.7kgと結構な重量です。以前6AHのシールドバッテリを持っていましたが、かなり重かった記憶があります。とはいえ朝から昼過ぎまでの運用にはこのクラスが必要です。L3モードで使用するのでしたらかなりの長時間運用が可能です。

 

20AH以上のクラス

このクラスの容量はニッケル水素やリチウムイオンでは実現が困難で、シールドバッテリならではの容量と言えます。HIモードを使っても1日好きなだけ運用できます。もっとも重量は7kgとかになりますので、バッテリだけでかなりの重量です。このクラスですと自動車での移動とか何局かでまとまって担ぎ上げるとかでないと無理だと思います。

 

なお、同一サイズのバッテリを2個直列にして24Vにし、そこからDC-DCコンバータなどでDC13.8Vを作るという方法もあります。電圧変換効率が悪いため大容量バッテリでないと実用になりませんが、電圧が安定しHIモードで5Wを確実に出せます。

 

 

[入手方法]

秋葉原の秋月電子が比較的種類を揃えています(通販可)。同店ではGSユアサの製品と台湾のLONGブランドの製品を扱っています。LONGはGSユアサより安くて容量が大きめですが、「スペック通りの性能ではない」というレポートも見たことがありますのでどちらがいいかは微妙です。値段重視ならLONG、安定性重視ならGSユアサでしょうか。

 

 

[充電器]

秋月電子で充電キットを販売しています。完成品はなく、自分で組み立てて調整する必要があります。お金をかけても既製品の充電器が欲しい方はお近くのGSユアサ製品の取扱店から同社製の充電器を取り寄せてください。20時間充電タイプの製品があるようです。

 

なお、私は0.1C(容量の1/10の電流。8AHのバッテリなら0.8Aのこと)の電流容量を持つACトランスとブリッジ整流器で充電器を自作して使っていました。最初は低い電圧で電流を多めに充電し、電圧が上がると徐々に電流が少なくなります。これでじっくり充電すればいい具合に充電できました。ACトランスタイプのACアダプタでも同様に充電できそうです。

 

 

[シリコンバッテリ]

中国で発明された硫酸を使用しないシールドバッテリで、内部抵抗が低いようです。日本では秋月電子が扱っています。詳細はこちら。10AHと12AHが入手できるようです。硫酸を使わないだけで電極は鉛で変わりありませんから、重さはほとんど変わりません。

 

 

[注意点]

シールドバッテリの飛行機への持ち込み(預け手荷物含む)については見解が分かれています。通常の密閉されてない自動車用バッテリは中の硫酸が「腐食を及ぼす可能性がある品」であるため預けることもダメなのですが、密閉型のシールドバッテリや硫酸を使用していないシリコンバッテリは判断が微妙です。ご利用予定の航空会社に事前に問い合わせることをお勧めします。なお、空港の保安係員(手荷物検査をしている警備会社の係員:多くがアルバイトなので指導が行き渡っていないのが現実)によっては誤った判断をする場合もありますので、心配な場合は航空会社に一文出してもらうのも一つの方法だと思います。

 

重いですが、値段で選ぶならシールドバッテリだと思います。

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愛・地球博コンテストと東海マラソンコンテストの結果発表

2010-01-19 | シャック便り

バッテリの話の途中ですが、JARL東海地方本部コンテスト委員会より昨年開催された「愛・地球博記念コンテスト」と「東海マラソンコンテスト」の結果が発表されています(TNX JS3OMH局)。ここは相変わらず早いですね。

  

それではコンテスト毎に結果を見て行きましょう。

 

愛・地球博記念コンテスト(2009/9/22~23開催)

22日は今ひとつの天気でしたが、23日は好天に恵まれました。加えて3エリアのXPO記念とのコラボ企画がヒットし、参加局数は前年の1.5倍超となる466局だったそうです。大成功ですね。確かに前の年よりも局数が多くて楽しめました。

 

いつもお世話になる各局では以下の方が御入賞です。おめでとうございます。

JN4VOX局(X50 3位)

JP1LRT局(X50 5位)

JA6DOU局(X144 3位)

JG2CNS局(XQRP 4位)

私はPVUで4位となり賞状を頂けることになりました。当日QSO頂きました皆様ありがとうございました。

 

このコンテストは結果を見ていただければおわかりかと思いますが、表彰規程のあやにより部門最下位でも(エリア1位なら)賞状が出るといった不思議なケースがしばしば見られます。当日のQSO結果のみならず「どの部門にログを出すか」が大きく影響するコンテストだと思います。

 

 

東海マラソンコンテスト(2009/11/1~7開催)

毎年オール大阪コンテストと重なるので3エリアの局でも戦いやすいコンテストだと思います。しかしながらオール大阪の当日は大荒れの天気となり、私も短時間で退却しました。その後3日に乙訓郡で追加でQRVしました。こちらの参加局数は昨年より若干多い161局だそうです。

 

いつもお世話になっている各局では以下の方が御入賞です。おめでとうございます。

JA3RK局(X-P 3位)

 

私はX-Pで4位でした。JA3RK局が144点、私が128点でした。もう1日QRVすれば逆転でしたHi

QSO相手を見つけるのに苦労しましたが、裏を返せば2エリアに対して相性のいい場所からQRVして確実に相手をゲットすれば入賞しやすいコンテストのようですね。

 

愛・地球博の躍進ぶりはすごいですね。今回のコラボ企画で3エリアでの知名度が一気に上がりました(XPO記念の参加局数は512局で前年比+9%ですから愛・地球博の1.5倍がいかに大成功かよく分かります)。今後もXPO記念とのコラボ企画は続けて欲しいです。こういったポジティブな競争は大歓迎です。

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FT-817のバッテリについて考える②(市販バッテリ編)

2010-01-18 | JF4CAD技研

FT-817で使うバッテリについての2回目は市販バッテリです。

 

[スタンダード FNB-85]

ご存じFT-817添付の純正バッテリです。メーカー純正品のためほとんどのハムショップで在庫があるか取り寄せ可能であり、最も入手しやすいですが、9.6V,1400mAHの容量ではHIモードでは使い物にならず、L3モードでも1時間ちょっとしか持ちません。もう一つ問題なのが交換性の悪さです。FT-817のバッテリ部の蓋は開けにくく、バッテリの電源コネクタもあまり頻繁につなぎ変えるのに向いていません。

 

どうしても純正品でないとダメという方以外には向きではないと思います。定価は7,350円です。

 

 

[湘南FM FM-817SB]

神奈川県のハムショップ湘南FMのオリジナル商品です(50台限定だそうです)。国内メーカー品ではこれが唯一かも知れません。詳細はこちら。容量は5400mAHですから、5時間はもつと思われます。FT-817本体より一回り小さく、重量も710gと持ち運びにも便利です。価格はバッテリ。充電器込みで31,500円です。

 

問題はどの資料にもFM-817SBの電圧が書かれていないことです。HIモードで使えるかどうかは分かりません。HIモードでの利用を考えている方は購入前に湘南FMに確認を取るのがいいと思います。自作に自信がないという方にはいいかも知れません。

 

 

[MEGA-817]

海外に目を転じるとこのような商品が見つかりました。詳細はこちら。ニッケル水素で容量は何と10000mAHだそうです。重量は3.25ポンド(約1.5kg)ですから持ち運べそうです。しかしながら電圧は9.6V。HIモードでは使用できません。L3モードでこの容量なら朝から夕方までぶっ通しで使っても使い切れないでしょうね。

 

充電器込み209ドルだそうです(送料別)。

 

このほか海外にはFNB-85を置き換える大容量のバッテリもあるようです。しかしながら、FT-817付属の電池ボックスに容量の大きな単3型のニッケル水素電池を入れればほぼ同等の性能になりますから、個人輸入して使うまでもないと思われるため省略します。

 

 

ご覧の通り市販品だけですと選択肢は極めて限られます。HIモードでの使用には向かない製品もあり、自分の運用スタイルに合わない方には自作がベターかと思います。

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FT-817のバッテリについて考える①(概論編)

2010-01-17 | JF4CAD技研

以前書いた「FT-817のバッテリについて考える」が書いてから3年ほど経ちました。その間に技術の進歩や新製品の投入などがありましたので、書き改めたいと思います。

 

FT-817NDを担いで移動運用しています。QSO中に出てくることが多いのがアンテナの話題とバッテリの話題。ということで、何回かに分けてFT-817の移動用バッテリについてお届けしたいと思います。

 

なお、ネット上でも同種の情報が飛び交っていますが、「5W」「2.5W」の表現が真値(電力計で計測した値)としての「5W」なのかFT-817のHIモードを意味する「5W」なのか明らかでなかったり、混同されているケースが多いようです。混乱を避けるため一連の書き込みでは「HI」「L3」という表現を使わせていただきます。

 

 

[FT-817のバッテリ 概論中の概論]

現在販売されているFT-817NDには標準で「FNB-85」という9.6V,1400mAHのバッテリが添付されています。このバッテリはオプションとして別途購入することもできます。FNB-85はメーカーの公式オプションですが、このほかにもわずかながらFT-817用を謳うバッテリが販売されています。

 

もちろん自作もできますが、それは充電器も自分で調達するしかないということも意味します。従って、ハンダ付けや電流計測のための工具類を揃えるべきです。「ハンダ付けは一度もやったことがない」という方もおられるでしょうが(ハムとしてハンダ付けはできて当然、と言われるOMさんもいますが、現実できない方も結構おられます)、そういう方は少々選択肢が限られると思います。できればハンダ付けを習得して頂きたいと思います。

 

 

[意外に難しいHIモード]

純正バッテリのFNB-85はその性能上、HIモードでの運用はできません。もちろん、強制的にHIモードに設定してやれば動作はしますが、すぐに容量を使い果たしてしまいます。電圧も低いため、HIモードとはいえ電力計で計測すると5Wは出ないことが分かります。容量・電圧とも不十分なのです。

 

ではHIモードでの運用にはどの程度必要なのか、ということですが、

電圧  12V以上(自動でHIモードとなる電圧は11.5V以上といわれています)

容量  希望する運用時間(H)×1000mAH

がひとつの目安になります。これはSSBモード・送信:受信を1:2程度にした場合です。FMモードでQSOする場合や送信が長くなるような場合にはさらに大きな容量が必要です。なお、真値で5Wを出すには13.8Vが必要なようです(リグの個体差で変動します)。私の作った13.2Vのバッテリでは真値での5Wが出ていない可能性がありますが、実用上全く影響のない範囲内です。

 

自動車で大型バッテリを運び上げるのならあまり問題になりませんが、人力で担ぎ上げできるようなバッテリでこの条件を満たそうとすれば結構高いハードルだと思います。

 

ということですので、L3モードでの使用にとどめるという選択肢も当然出てくると思います。「5Wの方が飛ぶ」とばかりにHIモードにこだわる方も多いのですが、現実にHIモードが必要かな、と思うのはHFのローバンドでの運用時であり、HFでもハイバンドやV/UHFの場合は効率のいいアンテナを使えばL3モードでも実用になると思います。実のところ私もある程度呼ばれるとこっそりHIモードからL3モードに落としています。これでも全然影響はないです。呼ばれなくなったらまたHIモードに戻せばいいのです。

 

パワー信仰の根強い世界ですが、アンテナを含めた総合的な通信設備の中でパワーを考えるべきだと思います。

 

[具体的な方法は?]

ではどのようなバッテリを揃えればよいのか、ということになりますが、現実的な案は以下の5つだと思います。

①市販の専用バッテリ

②鉛シールドバッテリ

③ニッケル水素電池

④リチウムイオン電池

⑤乾電池(充電できない一次電池)

 

この順番にアーティクルを分けて以降ご紹介してゆきたいと思います。

 

余談になりますが、標準添付のFNB-85は予備バッテリとして使えます。QSOに夢中になってバッテリを使い果たしてしまった時などに力になってくれるでしょう。ちゃんと充電して移動に出かけるのがいいと思います。

 

あ、外付けバッテリを作る場合は万一のショート時のためヒューズなどの保安装置を付けるようにしてください。「予備のヒューズをストックするのが面倒」などと言われる方がいますが、ショートしたときは火災や爆発等の危険があります。特に大容量バッテリの場合は保安装置が必須だと思ってください。

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オール三重33コンテストが今年から5月開催に

2010-01-16 | シャック便り

毎年1月下旬に開催されていたJARL三重県支部主催オール三重33コンテストが今年から5月のGW(5/4~5)開催に変更されました。詳細はこちら

 

このほか以下の点が変更されています。

・県人局部門の新設

 三重県出身または在住経験者が県外で運用する場合、従来から県内局に

 準じた形で「県人局」として扱われてきました。

 (県外局は県内局または県人局との交信が有効との扱い)

 この県人局に対し、新たに県人局部門ができるそうです。

 従って「県内局」「県人局」「県外局」の3部門になります。

 

・名誉県人局の扱いを新設

 過去にこのコンテストで入賞した県外局を「名誉県人局」とし、県人局と

 同様の扱いとするそうです。

 本年は第22回(1998年)以降のコンテストで入賞した局を名誉県人局の

 扱いにするそうです。

 

・コンテスト中の移動場所の変更を認める

 

 

1月下旬というローバンド以外には厳しい季節の開催で、参加局が非常に少ないコンテストでしたから、開催時期の移動はよいのではないかと思います。東京コンテストが5/3ですから日程が重ならないようですね。

 

また、県人局の設定は県内局の少ない県では非常に有効だと思います。交信対象局があまりに少なくてどうしようもないコンテストもいくつかありますので、名誉県人局の設定も含め参考になるのではないかと思います。

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北海道の支庁再編が確定

2010-01-14 | シャック便り

昨年8月に少しだけ書きましたが、長年北海道の道政出先機関であった支庁が今年4月1日から再編されることが確定しました。概要はこちら

 

かいつまんで説明すると、現在14ある支庁が総合振興局もしくは振興局(いずれかの総合振興局の下に入る)となります。(格下の)振興局となるのは石狩・檜山・留萌・日高・根室です。網走支庁がオホーツク総合振興局となるのを除けば名前は全て現在と同じ、数も同じで、事務所の所在地も変更がないそうです。

 

さらに、現状に合わない以下の2町の所轄振興局が変更されます。

・雨竜郡幌加内町 空知支庁→上川総合振興局

・天塩郡幌延町 留萌支庁→宗谷総合振興局

 

 

気になるのはアマチュア無線でどう影響するのかですが、4月1日以降は以下の通りになります。詳細はこちらをご覧ください。

・オールJA等、現在支庁単位になっているマルチ(以下マルチと略)は番号含め変更なし

 (総合振興局または振興局単位 ただし網走の呼び名はオホーツクに変更)

 従って管轄する振興局が変更になる以下2町以外はマルチへの影響はありません。

 オールJAの規約がまだ変更されていませんが、読み替えになると思われます。

 

・幌延町は天塩(留萌)郡 JCG 01045 から天塩(宗谷)郡 01046に変更されます。

 01045は遠別町・天塩町

 01046は豊富町・幌延町 になります。

 幌延町のマルチは102(留萌)→101(宗谷)になります。

 

・幌加内町は雨竜(上川)郡となり新たなJCGコード01081が与えられます。

 従来の雨竜郡 01014は雨竜(空知)郡 01014になります。

 01014は妹背牛町・秩父別町・雨竜町・北竜町・沼田町

 01081は幌加内町 になります。

 幌加内町のマルチは105(空知)→103(上川)になります。

  

 

ちなみに幌延町は留萌支庁のある留萌市までは国道を2時間以上走らないと行けませんが、宗谷支庁のある稚内市へは半分以下で行けます。留萌へは鉄道・バスとも現在はなく、稚内へはJR宗谷本線で行けます。幌加内町も上川支庁のある旭川市の方が便利で、空知支庁のある岩見沢市ははるか遠くです。

今回新郡となる幌加内町は内陸にある寒冷な町でソバの栽培が盛んです。東京で「藪」「更科」と並び称されるそば店「砂場」の系列では幌加内産のそば粉を使っていることが多いです。町の人口は1,400人台で、どうやらアマチュア局は1桁、その中でJARL会員局は1局のみという話も出ています。とんでもないレア郡が出現することになります。移動しようにも冬季は-10度を下回る日も珍しくないそうですから、くれぐれもご注意ください。

 

北海道の支庁は約100年前にできたもので、その後の道路や鉄道の開通、域内の町の盛衰で現状と合わなくなっていろところがあります(典型的な例が小樽市ではなく倶知安町にある後志支庁)。行政のスリム化も求められているため、支庁改革は高橋はるみ北海道知事の道政改革の目玉であったのですが、(特に振興局に格下げになる地域の)住民の反対でほぼ現状維持の骨抜きになってしまいました。

 

以下は愚痴に近いですが・・・

当初の支庁再編案では檜山+渡島などいくつかの支庁が統合される予定でした。北海道は支庁をマルチとするので支庁再編でマルチが減る=相対的に8エリアのマルチの影響が減るということで戦い方にも影響が出るのかな、と思っていました。支庁再編が事実上骨抜きになったことでマルチへの影響はなくなったのですが、北海道のマルチは他の例と比べると優遇されすぎの感がします。沖縄なんか北海道並みに東西南北広いのに1つですよね?小笠原(別マルチの上 南鳥島と沖の鳥島はさらに別)と伊豆諸島(東京都本土と同じ)との扱いの差もバランスが悪いと思います。他とのバランスを考えれば北海道に与えるマルチは「道南」「道央」「道東」「道北」の4つでもいいと思うのですが。

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JH3YKVさん「自作名人」、本年はクラブ員限定に

2010-01-12 | シャック便り

毎年2月に大阪府池田市で開催されているJH3YKVさんの「自作名人」ですが、本年は残念ながらクラブ員限定で開催されるとのことです。

 

自作名人は「自作機を何とか見せびらかしたい、誰かに誉めて貰いたい」という自作名人の願望を叶える場として毎年開催され、とらやの羊羹とお茶を頂きながら和気藹々とした時間を過ごすことのできるイベントです。

 

世話役のJA3AAD 渡辺OMによると、

昨年の自作名人終了後の反省として、外部ゲストをお招きして開催するには、
いささかJH3YKV自作メンバーが疲弊しており(質、量の低下)会を
運営するホストクラブとしては、ゲスト参加者に失礼な状況だろうと考え
ます。

原因として、企業現役の方々は組織の中にあって年々責任の重い立場に移行す
る事、つまり自作に傾注できる時間がとれない。
シルバー世代は過去の遺産も底を付き、かと言って新規自作には昔ほど情熱
が注げない。などあり、物理的に難しい時期に差し掛かったと推測しています。

とのことで、クラブ員限定のイベントにされたのだそうです。

  

  

自作名人は各分野のエキスパートが集まっており、自作を巡る話題だけでなくDXや移動運用をはじめ様々な話題が出てきて楽しく参考になるイベントでした。いいイベントであっただけに残念ですが、会場費をYKVさんが負担されたクラブのイベントという立場上、仕方ない部分がありますね。

 

来年以降自作に限らず各分野のエキスパートとの話ができる場があれば参加したいな、と思います。

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近着QSLより

2010-01-11 | シャック便り

お正月に常置場所に帰った際に届いていたQSLを引き取ってきました。

 

5月の沖縄移動は今回でほぼ回収できました。粟国・渡嘉敷と珍しいところを回ったせいかびっくりするほど高い回収率ですHi あとは7月の前原市・糸島郡移動をはじめ、8月のFDまでが送られてきています。厚さで8cmと前回よりはだいぶ減っていますね。

 

今回もいくつかピックアップしてご紹介します。

Qsl01_1 

東京都府中市のJJ1VKF 織田OMのQSLです。渡嘉敷村移動のときに50MHzでQSO頂きました。RAC(琉球エアーコミューター)でかつて活躍したDHC-6です。19人乗りのプロペラ機で、南西航空(現在の日本トランスオーシャン航空)が導入し、のちに子会社のRACに移管されたものです。機体番号はJA8802で「あじさし」という愛称がありました。JTAグループのDHC-6は他の3機も「さしば」など沖縄の鳥の愛称が付けられており、主力機YS-11は「ゆうな」「あだん」など植物の愛称でした。現在はJALなんかも含めJA8877とかJA010Dとか機体番号でしか呼ばれないので少々味気ないですね。

 

DHC-6は与那国・多良間・波照間・南大東・粟国などマイナー離島向けの飛行機でした。RACでは2002年に引退、最後に残った全日空系のエアー北海道(現在は解散)でも2006年に引退し日本からは姿を消しました。

 

 

Qsl01_2

沖縄県中頭郡西原町移動のJR6YTG局のQSLです。覚えておられる方もおられると思いますが、昨年5月の私の沖縄移動と同じ時期にJS6SBE局(お元気でしょうか?)から情報をいただいた琉球大学での公開運用の局になります。当日私は渡嘉敷に渡っており、Esのオープンが終わったあとの13時台に50MHzでQSO頂きました。渡嘉敷島の中でも東(本島方面)に開けている場所でしたので59でよく聞こえていました。いろんなリグが並んでいて楽しそうですね。皆様お疲れさまでした。今年も飛行機の予約が取れたら沖縄に行きたいです。

 

 

Qsl01_3

西原町つながりで同じ西原町のJJ1APX/6 青柳OMのQSLです。7月に池田市移動でQSO頂きました(21MHz)。青柳OMは沖縄にお住まいとお聞きしました。これは中城城址です。沖縄戦の被害をあまり受けなかったので美しい城壁が残っています。中城村とお隣の北中城村は移動運用に適した場所があまりなく、本島中南部ではQRVが少ないようです。

 

 

Qsl01_4

長崎県南島原市のJA6GPV 神島OMのQSLです。5月の粟国移動でQSO頂きました(18MHz)。浜辺を掘って遊ぶ愛犬でしょうか?デザイン・機能が大変よくまとまっており、自作QSLの好例としてご紹介させていただきました。

  

ハムログのデザインそのままでちょっと味気ないQSLが近年少なくないのですが、QSLのデザインも立派な「自作」だと思います。アマチュア精神を発揮してみてはいかがでしょうか?

 

今回はここまで。またQSLが到着しましたらご紹介します。

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大阪府泉南郡熊取町(JCG 25002)移動運用報告

2010-01-10 | 移動運用結果報告

1/10に大阪府泉南郡熊取町(JCG 25002)永楽ダム展望台に移動運用に行ってきましたのでご報告します。

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今年は開局25周年で2,500QSOの目標を立てていますので、目標に少しでも近づこうということで月曜日のオール兵庫に続き出かけることにしました。

 

冬ですので7MHzをやってみようということで場所は7MHzのできそうな熊取にしました。ご覧の通り展望台があり、沖縄移動でよくやるように展望台から斜めにアンテナを張れそうです。あとは50MHzの3エレと430MHzのハンディ機用ホイップをもって行くことにしました。

 

 

今日は朝のうち曇っていたおかげであまり寒くありません。ふもとの永楽ダムまで到着。__2

何と季節はずれの桜が咲いていました。梅もまだなのに気が早いですね。

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ダムを通り登山口に行きます。この先は相変わらず荒れた山道です。登り切って展望台に到着です。

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お天気はそこそこ。しかし風が強いです。展望台の風下で設営することとしました。まずは7MHzのZA-721を張ってみました。早速つなげてワッチしてみたところS9のノイズが。どうしてもノイズが取れず7MHzは諦めざるを得ませんでした。残念。

 

仕方ないのでZA-721は片づけて50MHzのアンテナを設営します。

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この展望台、コンクリートがあちこちはがれて鉄骨がむき出しになっており、傷んでいます。月曜の小野アルプス展望台も木製のためか老朽化が激しく、階段や欄干が危ない状態です(小野はきっちり修理しないとあと5年持たないと思います)。作るのはいいですが管理はしっかりお願いしたいです。

 

ということで9時30分からスタート。50MHzもスノーノイズらしきノイズがあるものの2エリアの移動局が聞こえるなどそこそこのようです。先のオール兵庫でQSOできなかった方との新年のご挨拶もしながら最初の1時間は10QSOでした。この時期なのでのんびりQSOで、アンテナについてのアドバイスなども交えながらになります。次の1時間も13QSOですからペースはあまり変わらずです。

 

お昼からは430MHzにQSY。ハンディ機の1/2λホイップですが、見通し距離は飛んでくれるみたいです。今日は登山中の移動局が多かったです。皆さん風が強くて寒いとのこと。私も展望台の風下にいるものの、回り込んでくる風もあり寒いです。来月の京都コンテストはもう少し防寒対策が必要かも知れません。

 

明日も休みのため13時で終了予定を1時間延長して14時で撤収しました。2エリアもそこそこ聞こえてこの季節にしては悪くなかったのですが、やはりQRVする局が少な目ですね。

 

 

本日は50MHzで30局、430MHzで13局の計43局でした。もくろんでいた7MHzはノイズでQSOできなかったのですが、なんとかそこそこのQSOsになりました。お呼びいただきました皆様ありがとうございました。

コメント (4)
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