Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

映画「Never Let Me Go」

2011-05-01 11:41:31 | Movie
晴天の日曜日、映画「Never Let Me Go」(わたしを離さないで)を観に行きました。
今年のロッテルダム映画祭で上映されていて、観たかったのですが、スケジュールが合わずに観ることができませんでした。この映画の原作者カズオ・イシグロ氏の作品が好きで、原作本も数年前に読んでいました。原書だったと思います。とても良い印象があって、映画化されるということも知っていたので、いつ出来上がるのかと楽しみにしていました。
映画は1970年代のノスタルジックな雰囲気のイギリスにある寄宿舎から始まります。そこに暮らすキャシーとルス、そしてトミー。友情や愛情の感情を育みながら、ちょっと不思議なその寄宿舎生活を18歳まで過ごし、また別の場所に移っていきます。この3人を人生を描くドラマです。
小説はとても美しい印象を受けたのですが、映画も美しかったです。イギリスの美しい風景をうまく挟み込んでいく感じは、ハリー・ポッターの最新作や「ノルウェイの森」を思い出させました。
キャシー役のキャリー・マリガンは役にぴったりでとても良い演技でした。ルス役のキーラ・ナイトレイもうまくはまっていました。私として、残念だったのはトミー役のアレックス・ガーランド。原作の印象と違うんですよね。トミーの子ども時代を演じていた子役は、雰囲気的にぴったりだったのですが、青年になったとたんにまったく違った雰囲気になってしまって、びっくりしました。私の中では、トミーって、もっと控えめな雰囲気の容姿で、朴訥さのある不器用なイメージなんですよね。例えば、ハリーポッターのロンのような。
映画だけ観て、内容が十分伝わるのかどうかは、私にはわかりません。寄宿舎での子ども時代についてのエピソードがもっとあってもよかったかなあ。小説では独特な雰囲気がびしばし伝わってきました。映画では、どうかなあ。
すごくかわいそうな運命を負った人たちだけれども、文句を言わずに、その人生をまっすぐに引き受け、完遂していくところに崇高さを感じました。
別の世界観をふわっと見せてくれる、こういうタイプの映画、好きです。
体調は良好。