Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

本『1Q84 Book3』

2011-05-11 07:57:26 | Book
村上春樹著『1Q84 Book3』を読了。
じっくり時間をかけて少しずつ読みました。書評家の大森望さんがBook3についてあまり良い評価をしていなかったので、つまんないのかなあと思いながら読みましたが、後半あたりからかなり面白かったです。
でも最後まで読み終わって、なんか憮然としてしまいました。青豆と天吾のストーリーラインはいいんだけど、牛河が…。Book3で章を持つキャラクターに格上げされたと思ったら、こんなことになってしまって。親近感を持てない、人から目を顰められる類の人物として描かれているけれど、それってこの人自身の容姿に大きな問題があるわけで、それはこの人にはどうしようもないことで、それはそれで受け入れて、この人なりに人の迷惑にならないように生きているわけで…、なんかかわいそうな気がしました。
パラレルワールドという設定はわかるし、そういうのが少しトレンドなんだとも思いますが、作者が何を伝えたいのかという点で、それがどういう意味を持つのかと考えると、難しくてよくわかりません。
村上春樹独特のワールド感はとてもよくでていて、登場人物が誰も彼もちょっと面倒な修辞を使いがちなところなど、読みながらニヤリとしてしまいます。でも、「…みたいな」という表現が目に付きだすと、またか…と思うこともあって。
この本を読んでいる途中で大震災があって、その後1ヶ月くらいは本をじっくり読む気になれませんでした。最近また読書を再開しています。村上春樹が大震災後にどんな小説を書くのか興味があります。
体調は良好です。