Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

竹馬の友、4

2016-11-29 11:54:56 | 日記

 お呼ばれしたからにはお返ししなければ、そんな事を家の大人が取り沙汰して、

程無く私はLさんを家へ招待します。

 当時は私もLさんも共に一人っ子状態、家族も子供の付き合いにとても気を配っていたのでしょう。

公園デビューならぬ、家族ぐるみのお家同士の交際デビューでした。

お菓子を配って挨拶ならぬ、夕餉のテーブルで家族一同総出でご挨拶だった訳です。

両家で共にこうでしたから、どちらも相当気を使っていた感じでした。

 家でLさんが食事をした時にも、テーブルには何鉢もおかずが出され、

それはもう特別に豪華版な夕餉になっていました。

私はこんな夕餉をそう見た事が無く、親戚の伯父家族が来た時以来であったように思います。

私はLさんに、何時もこんなに凄く無いのよと言いながら、

大人が皆、いや、何時も家はこうなんだよとにこやかにLさんに話す姿を眺めて、

家でこんなに豪華にお友達を持て成してくれるのも、全ては私の為と思うと、

偽りの夕餉でありながら、何だか少し嬉しい幸せな気分に成るのでした。

 この家に生まれてよかった、そんな事さえ思いながら父の膝の上に乗っていた気がします。

そこには我が家の団らんがあり、新しく出来た女友達といい、

これから成長して行く自分にとって、とても幸せな日々が花開いて行くような気がしたものでした。

 


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