Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

今日の思い出を振り返ってみる

2019-02-28 11:10:15 | 日記
 
土筆(3)

 そのような理由から、雪国のこの日は、子供達が気候の良い時期に通常の外遊びに出るという、その年の最初のⅠページになるのでした。少しでも道理が分かる子なら、この日にさも嬉しさで浮き立......
 

 実は本を自費出版します。昨日その本が届きました。今年の4月には書店に並ぶようです。そうはいっても自費出版なので部数は少ないです。このページの読者の皆様など、私の本を読んでみようと思われた方は予約などなさってください。増刷は百冊単位だそうですから、初版を逃すとなかなか購入出来ないと思います。

 さて、自分の生まれて初めての本を手に取り、とても嬉しく、早速父の位牌に供えました。父はかつて私が文章を書く事や、その先進んで作家になる事を夢に描いていたようです。私の高校生くらいまで、時折そんな事を口にして私を促しました。

 私は元々読書や作文が好きでした。学校時代は課題の文章を書く事が楽しかったものです。社会人になって作文する機会など殆ど無かったのですが、ある切っ掛けで詩作するようになり、文章を創作するようになりました。そして書いた自作を投稿するようになりました。その延長がこの本の出版となりました。

 「ローマは一日にして成らず」、私の学校時代、特に小中時代に、父は私の前で時折この言葉を口にしていました。私には父の意図するところが曖昧でしたが、コツコツ勉強しろという意味だと解釈していました。今から思うと、この本は毎日何かしらコツコツとブログに書き込んで来た、そんな日々の結晶です。

 今回この本の出版に当たって、誘ってくださった出版社の方、お世話になった編集、校正の皆様に大変感謝致して居ります。どうもありがとうございました。

 (写真は、仏壇に供えた私の初出版の本です。題名は「めいぷるしろっぷ」です。)


親交 2

2019-02-25 11:59:36 | 日記

 彼は図書館からの帰り道、つい苦笑してしまうので困ってしまいました。このように1人思い出し笑いをしていては、道行く人に変に思われるのではないかと思うと、湧いてくる自分の妙な笑いを引っ込めるのに大層苦労していました。

『いやぁ自分も年を取ったなぁ』

と、人目のある所でふふふと笑いだしてしまう無節操な自分に呆れて、そんな点でもやはり苦笑してしまうのでした。若い頃はこんな人目のある道端で、そんな不遜な行いはしなかったものだ。紫苑さんははあぁと、道の端にある電柱に手を着いて溜息を吐きました。

 彼は現在独り身の所在無さで日々を過ごしているので、暇つぶしに出かける図書館で時折出会う、近頃には珍しく生真面目で勤勉な若者、鷹雄という名前の若者と話す内に、何時しか彼の事を気に入ってしまい、今日まであれこれと世話を焼いて来たのでした。彼は見た目も名前も和風なのに、勤勉な割には日常の一寸した日本人の常識を知らないという、ややお粗末な状態なので、紫煙さんは、今迄特に尋ねたことは無かったのですが、彼は親の仕事で外国に駐在し、その後帰国して来た帰国子女の1人か、どこかの国へ移民した日本人の子孫で、その国での日系何世かにあたる日本への留学生なのだろうと推察していました。

 「今度会ったら聞いてみよう。」

未だ自宅への帰途の道の上、思わずこう声に漏らしてしまうと、紫苑さんは再びハッとして周囲を見回してしまうのでした。彼より自分の方が余程どうかしているのかもしれない。自分がこうだから、少し変わった彼が自分に寄って来たのかもしれないなぁと、紫苑さんは鷹夫君との最初の出会いの時を思い出すように自分の記憶を辿ってみるのでした。


今日の思い出を振り返ってみる

2019-02-25 11:46:00 | 日記
 
土筆(1)

 私は遊び場にしていたある施設の軒先で毎年春になると土筆を眺めていました。   その場所は向きから言うと北西方向になり、日差しが差していた記憶からすると午後の日差し、午後の遅い......
 

 久しぶりに、今日の思い出を振り返ってみるです。新しい作品も書き始めました。早い所ではもう土筆が見られるでしょうか。こちらでも、もう少ししたら土筆が見られそうです。今日は暖かそうです。過去帳も完成しました。

 ただ、母が父の生前に、夫婦で揃って本願寺から頂いた法名を、父の没後に共に掛け軸に仕立ててきた巻物が、母の分だけ仏壇の中に見当たらないのが心配です。何処へ行ったのかと案じています。父の法名掛け軸はきちんと仏壇に下げてあります。母はこれで安心と安堵していただけに、私の方では困ってしまいました。赤い金子の巻物です。父とお揃いです。こんな点、乙女チックで微笑ましいでしょう。


親交

2019-02-22 11:31:24 | 日記

 紫苑さんはほうっと溜息をつきました。

『揶揄われたのかなぁ?』

彼は首を捻って考えてしまいました。

 「何時も礼儀正しい若輩者の彼が、あんな事を言い出すとは思わなかった。」

てっきりふざけているのだと思い、自分は自分を馬鹿にしているのだと、一瞬ムッ!としたものだ。こう紫苑さんは思い出すと、『あの時、ついきっ!と彼を睨みつけてしまって、随分悪い事をしてしまったなぁ。』と後悔するのでした。

 その後の彼の直立した姿勢や、きりりとした顔付を見ていると、紫苑さんは目の前の若者がごく真面目に文章を読み続けているのだと理解出来ました。そして何時もの様に礼儀正しいままの彼なのだと判断したのでした。

 『どうもそうではないらしい』

こう内心呟くと、紫苑さんは、彼はこれを真面目に言っているのか?と考えて、彼の事をどう判断したものかと、思わずしかめっ面をして眉根に皺を寄せそうになりました。それでその後は、普段の様に表面、普通の顔を作るのに苦労してしまいました。目の前の、何時もそれとなく親身になって面倒を見ていた若者を妙な心持で眺めていると、彼が台詞を言い終えました。

 「まぁ、それでいいんじゃないでしょうか。」

穏やかな笑みを両頬に浮かべて、紫苑さんはなるべく普段通りの声音になるように努力してそれだけ言うと

「ちょっと用を思い出したので」

と、今日はこの辺で失礼しますよと言うと、早々に図書館から退出して来たのでした。