「仕舞い風呂」
大晦日の仕舞い風呂
のんびり入って今年も最後
皆の終わりの仕舞い風呂
ほかほか湯気たて帰ったことも
髪の毛凍って帰ったことも
年の瀬に急きたてられて
雪道急いで帰途に着く
除夜の鐘を待った夜
大掃除の埃を落とし
洗い場の雑踏
忙しない喧騒
譲ったり取り合ったり
なだめたり仲裁したり
したり顔のおばさんたちの
今はもう無くなってしまった
懐かしくなってしまった込合いの
大晦日の仕舞い風呂
「仕舞い風呂」
大晦日の仕舞い風呂
のんびり入って今年も最後
皆の終わりの仕舞い風呂
ほかほか湯気たて帰ったことも
髪の毛凍って帰ったことも
年の瀬に急きたてられて
雪道急いで帰途に着く
除夜の鐘を待った夜
大掃除の埃を落とし
洗い場の雑踏
忙しない喧騒
譲ったり取り合ったり
なだめたり仲裁したり
したり顔のおばさんたちの
今はもう無くなってしまった
懐かしくなってしまった込合いの
大晦日の仕舞い風呂
「寒咲きデージー」
寒くても
日が当たると花が咲く
そう聞いて買ってきたデージー
地にぺったりと葉を広げ
ロゼッタ状になってしまった
デージー デージー
花咲かないの
ポッチリ蕾をつけたデージー
来春まで花咲かないと思っていたのに
日増しに蕾は大きくなり
花弁も大きく膨らみはじめ
咲くことを期待させる
デージー デ-ジー
花咲かせるの
雪に埋もれてしまったデージー
やっぱり来春までは花咲かないね
純白の中の白いデージー
雪に凍える白いデージー
春の日差しを浴びたなら
デージー デージー
笑っておくれ
いくつもいくつも
花穂をもたげ
きらきらりんと風車
春の日差しを私へ
返しておくれにこやかに
「帰省」
雪道を車に乗りながら
大木に積もる雪を眺めていた
助手席でぼんやりと
梢から降りこぼれる雪を見ていた
倒れた大木に道を阻まれて
こんな田舎道でも渋滞状態
ハハハハハ
雪がさらさらと笑う
つんと弾けながら笑う
ホホホホホ
こぼれ落ちた雪は風に煽られて笑う
退屈な待ち時間
山間の田圃にころころ積もる雪
深々と年は押し詰まる
外は寒いだろうな
暖房のきく車内で
金属に忍び寄る雪の冷えを感じながら
薄ら寒さを心に感じながら
自宅車の順を待っている
そんな事もあった
年末の帰省での途上
私たちの間にも
雪は深々と積もりつつあった
ひんやりとした年の瀬として
年の瀬も押し詰まり
慌しい中、今晴れ間がのぞきました。
お正月に向けて今年一年の後片付けです。
「根雪」
私はこの雪が根雪になる事を望まない
白く踏み固められ美しく照っていても
綺麗な模様を刻んでいても
私はこの雪が根雪になる事を望んではいない
内なる日差しがほのぼのと
周りの雪を融かしていくことを望んでいる
ゆっくりとした時間でもよい
やんわりと融けていくのでもよい
降り積もった雪が融けていくことを望んでいる
この根雪は大好きな白
美しい白
汚れずに純白となって 道となって続いている白
好きな塊となっている白
それは確かな事なのだ
鮮烈な夏の日差しと
艶やかな秋の紅葉と
枯木立のサンドカラーの冬
悶々としてグリーンに輝く気持ち
弾けながら積み上げてきた気持ち
降り積もってきた雪の中にできた
温かな穏やかなほんのりと丸まった
てらてらとした気持ち
私はこの雪が根雪となることを望まない
内なる日差しにほんのりと融けてゆき
ゆるんだ水となり やがて
外の日差しを照り返すようにと願う
「帽子」
帽子編んでるバザーの帽子
ピンクに黄緑苺の色合い
横にお花をつけましょう
黄色いさくらんぼもつけましょう
ほらほら可愛いバザーの帽子
帽子編んでるお前の帽子
中学最後になるのだからね
他人の事より吾が子だものね
大人っぽい色ダークのカラー
明るく付けましょ子豚のマスコット
帽子編んだけど息子の帽子
気に入られなくてハンガーの先
熊さん被って所在無げ
マスコットの子豚も宙ぶらりん
帽子上げましょファンの人に
公演観に行く今日に決めたの
袋に入れてお手紙添えて
ブレードリボンも掛けましょう
クルクル回転したならば
子豚もクルクル目がクルリ
帽子編みましょあなたのために
クルクルクルリン手首を回して