もう少しすると、こちらでも桜が咲きはじめるのですが、まだ蕾は固いようです。
梅はもう終わりに近付いたとか、春一番の花は梅という人もいますね。
今日病院へ行った所、父はますますか細くなったようで、本当に骨の上に皮がついている感じになっていました。撫でてみると、…骨を撫でているみたいでした。
思わず、ヘンゼルとグレーテルを思い出してしまいました。魔女のおばあさんに食べ終えた骨を見せて、その場をしのいで食べられるのを防いでいたという、あの話を思いだす所でした。今思い出しています。
確かに、感触よくありません、父の手足でも。
どのくらい持つのでしょうか?昨日、転院先が決まってほっとしたものの、いつまで?と思うと、早いようなまだ先のような、延命措置をとるべきかなとも迷いました。
どちらがよいか、父の希望はと考えたりしました。
今日病院から帰る時、いつに無く父は頭を上げてジーっとみているので、何か言いたい事があるのかとベッドまで戻り、「どうかした?」「なぁに?」と聞いてみましたが、
だるいとか、何も、というので、やはりだるいのだという風に感じました。
何時もと同じなのだと歩去り、帰り掛けると、再び頭を上げてジーっと目で追ってくるのです。
やっぱり何か言いたい事があるのでは?
延命措置をしてもらいたいと目で言っているのかな、とも感じました。
こんな感じでしたね父の目穏やかな静かな目では無かったです。
まだ生に執着がある。そう思えた私は、昨日、転院先の方に延命措置について妹と相談したかどうか聞かれたのを思い出し、妹の意向も確かめてみました。
やはり、父が苦しくないように、と、母と私に合わせてくれました。
あとは父の寿命任せといった意向です。安らかに、心穏やかに、安心して入院生活を謳歌(無理かしら?)して欲しいと願っています。
「梅が過ぎ桜は」
桜咲くのを待ちくたびれるのは
今年の開花を待つ期間の長いのは
1日1日が鮮明で暦めくるような日々のおかげ
人々のおかげで今日までと
細々と細々と腕に足に
刻まれている日々命の残り火
皺とも皮膚とも張り付くような骨の硬さを
撫でてみればもういいと
言いつつ延々ともの言いたげに
長く長く後引く視線のもの言いたげに