今日五月二日は八十八夜、昨日5月1日がメーデー、季語ではメーデーは夏で八十八夜は春なのです。小学唱歌「茶摘」でも「夏も近づく八十八夜」というのですから夏にはなっていないわけです。和暦では立春から立夏の前日までが春です、今年は2月4日(和暦一月八日)から5月4日(同四月九日)になり、今日が暦のうえでも夏直前ということです。
メーデーと八十八夜の句を、『角川 俳句大歳時記』の「夏」と「春」から五句づつ、
主婦たたら踏むメーデーやヒロシマに 沢木欣一
労働祭赤旗巻かれ棒赤し 三橋敏雄
ガスタンクが夜の目標メーデー来る 金子兜太
雨にまくつくメーデーの旗振りひらけ 古沢大穂
メーデーの火照りに抱きし妻も老ゆ 苑田ひろまさ
田一枚鏡や八十八夜待つ 阿波野青畝
八十八夜鴉も雌を連れてとぶ 飯島晴子
さびしいぞ八十八夜の踏切は 田中裕明
八十八夜力のかぎり赤子泣く 沼館斐佐子
山菜の灰汁ぬく八十八夜かな 松本喜久江