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記事全文、 「加計ありき」浮き彫り
【 学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が国家戦略特区で獣医学部を新設することについて、理事長の「親友」である安倍晋三首相は「加計ありき」ではないとしています。しかし、山本幸三地方創生相の説明を振り返ると、事業者の選定が「加計ありき」で進められた疑惑が浮き彫りになります。
(砂川祐也)
獣医学部の新設には京都府と京都産業大学も共同で手を挙げていました。ところが、内閣府が今年1月4日に実施した事業者の公募は「広島県・今治市(愛媛県)」の区域に限定。応募したのは、加計学園1校のみです。なぜ内閣府は「広島県・今治市」に区域を限定したのか―。
その理由を山本氏は6月13日の参院内閣委員会でこう説明しています。
「今治市の提案は事業の早期実現が見込まれると判断した」「今治市からは必要な教員も確保しているというように聞いている」
今治市が教員を確保できると判断していることなどから対象区域を限定したというのです。今治市も「実現できると見込まれている」と内閣府に提案したことを認めています。
しかし、教員確保が確実かどうかは事業者が決まっていなければ判断できない問題です。当の今治市は、教員を確保できるとした事業者については「答えられない」としています。
他方で今治市は、国家戦略特区に関して事業者として認定される前から加計学園側との情報共有があったことを認めています。
本紙の調べでは、今治市は昨年10月、加計学園の教職員数、学生数などの構想をもとに大学運営による経済波及効果を算出していました。今治市では加計学園を前提に進んできたのです。
この問題は、日本共産党の田村智子副委員長が参院内閣委員会(6月13日)で追及。「加計学園ありきで具体的な構想を今治市と内閣府が協議していたということだ。そうでなければ説明がつかない」と指摘していました。】