ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

トルコ日記(3)

2010-06-26 06:00:00 | 旅日記
カッパドキア2-洞窟住居訪問と絨毯工場



ギョレメ野外博物館から、しばらくバスで走ります。車窓からは今でも保蔵庫として利用
されている洞窟に混じって、新しく手を加えた住宅が見られるようになりました。



表通りから少し入ったところの一軒のお家にお邪魔しました。この門を入るとバラなどの
花咲く中庭があります。最後に入った♀ペンが、低い木に付いた小さな実を見ていると、
戸口で出迎えたおばあさんが何個か掌に載せてくれました。後で食べてみると青いけど
甘いリンゴでした。



玄関を入ると岩山を刳りぬいた住居だけに、冷たい空気が流れひんやりしています。
一階の一室はこのように食料の貯蔵庫として利用しています。その隣には薪などを積んで
ありました。



中二階、二階は居住部分で、私たちは二階中央のこの大きい部屋に招かれました。
突き当りに大きな明り取りの窓、左側に台所と居室があります。



右側にも家族の居室があります。家財道具は質素ですが、なかなか広くて快適なお住まい
です。



日曜で家にいた高校生のお孫さんがチャイを運んでくれました。
トルコ人は家族や友人たちと語らいながら、この掌に入るような独特の形のグラスで一日に
何杯もチャイを飲みます。
チャイと聞いてネパールトレッキングで毎日飲んだ、あの大きなグラスのミルクティーに似た
ものかと思っていましたが、ここでは紅茶をストレートに煮出してグラスに入れ、砂糖を入れ
て飲むのが習慣です。



オカンの通訳でいろいろとお話しした後、何人かの女性が民俗衣装を着せて貰いました。
幅の広いモンペに似たスカートは外での作業にも動きやすそうです。お婆さんが頭に
スカーフを巻いてくれました。
足元の絨毯はお婆さんの織ったもので、この地方では娘さんが結婚前に自ら織った絨毯を嫁入
りのときに嫁ぎ先に持参する習わしになっています。

心から歓待してくれたお爺さんやお婆さんにお礼を言ってお別れして、近くの絨毯工場へ。
このようなスケジュールは、ショッピングにあまり関心のない私たち夫婦にとって、いつも
時間を持て余すのですが、絨毯の作り方や製品の見分け方はなかなか勉強になりました。



最初の工程で繭から糸を引きだしているところ。何本の糸をより合わせるかで絹糸の太さ
が変わります。



原料の繭と染める前の糸。右に見える色の違う繭も蚕の種類による本来のものです。
これらの違う色を組み合わせた自然な図柄の絨毯も後で見ました。



機織り機で複雑な模様を織りだしているところです。とても神経を使う物凄く細かい作業
で、機織り機にむかう娘さんの表情も真剣そのもの。



別の部屋で、絨毯の品質の見分け方を聞きました。50枚もの絨毯を抱えて走ってきては、
次々に拡げて表裏を見せます。一つのショーを見るようで面白かったです。
柄が細かいものが高級品ですが、裏を見せられると違いがよく分かります。



細い糸で織られた美しいタペストリー。精巧さもお値段も、ため息が出るほどでした。