橋長戯言

Bluegrass Music lover, sometimes fly-fishing addict.
橋長です。

EHAGAKI #332≪縄文人≫

2016年07月11日 | EHAGAKI
「学校で近現代史は時間切れでまともに授業が行われていない」とよく言われます
実際私もそうでありました
現在の政治に直結するこの近現代史、大人も子供も、もっと学ばなければなりません
 
そしてもう一方の古い時代
弥生時代、縄文時代もほとんど学ぶことはありませんでした
もっとも教える材料が無かったのでしょうが
 
最近見聞きするに、縄文時代にロマンを感じています
また、新しい発見もあるそうで、縄文時代に関する本でも読もうかなぁ?
と思っているとラジオで縄文ネタがありました

今回もラジオ、文化放送「武田鉄矢・今朝の三枚下ろし」で取り上げていたモノ
耳で聞いたメモとネット上にあった書き起こしを参考にしたメモであります
(今回も、この本を読んでおりません)

参考図書)
月と蛇と縄文人
大島 直行
寿郎社
 
 ■  ■  ■  ■  ■
 
7月4日(月)

おはようございます武田鉄矢です 以下◆
おはようございます水谷加奈です 以下◇
 
また縄文人が出てまいりました
◇あ、縄文ですね?
 
◆最近研究が進んで、結構新しい事がドンドン分かってるんです
『 月と蛇と縄文人 』 という本、大島直行さんという方がお書きになった、寿郎社
「まあ読んでみっか」と思って読み始めたら、面白いんですよねぇ、新しい縄文の解釈というかなぁ、わくわくすんのよ
 
◆縄文という時代に関しましては色々言われております
日本の縄文時代というのは実は世界の4大文明にも匹敵する文明がそこにあった
だから世界にあった文明は実は4大ではなくて5大文明だったんじゃないか
日本、黄河文明、それからインダス、メソポタミア、エジプト、この5つが実は先行する世界の5大文明だったのではないか
日本で縄文時代は2万年くらい続くのかな?

縄文土器とか見たことあるでしょ?遮光土器とか火焔土器とか
岡本太郎が思わず「バクハツだ!」って言ったヤツでありますけども、造形としては圧倒するような文明ですよね
スゴイ怪奇だと思わない?

「何だコレ?」っていう感じはありますけども
 
じゃ、それが一体何を意味してるのかってのは、解らないんです
ゾーッと背筋が寒いモノがはしったりするんです、私はね
縄文土偶というのは女性なんです、男性全く出てこないと言っていいです
それから何故か、叩き割られているんですよ

わざと叩き割られてる?

◆そう、だから「意図的に割ったんだ」っていうね
それから日本にある「 ストーン・サークル 」
「サークル」っていうだけあって、丸いんですよ、イギリスにもあるヤツも丸いんですよ
何で丸いのかってのは解らないんですよ
 
◇はい

それから新潟、糸魚川、姫川、この流域
翡翠が7千年前から全国へ広がっているんですけども、どのようにして広がっていったのかが解らないんすよ

私たちはその縄文が残した遺物・遺跡というのが、一体何を意味し、一体縄文人は何を考え何を思ってその形にしたのかは、実は何も知らない

その縄文っていうモノが、日本は普段の暮らしの中に無闇に残っている怪文明なんですよ

ん?

縄文の遺物っていうのが、普通の暮らしの中に平気で残ってんの
◇普通の暮らしって、何時の普通の?
◆今!
◇今ですか!今、残ってます?縄文の

「 注連縄(シメナワ)」何であの形なのかっての解らないんです
しかもアレ藁で作ってる、縄文土器の藁と同じじゃないですか、縄じゃないですか

なんて言うんですか?土偶にゴロゴロ付け型をとってるわけですね?
あ、そうかあれ縄文の時からか
 
◆何でゴロゴロやったのか?
しかもね、「滑り止め」とかって言う人居ますけども、ゴロゴロやってない土器も縄文土器であるんですよ
明らかに意図的に何かの意味があって縄文の模様を付けている

で、これまた「してやられたり」ですが
この縄文文明ってのが「只者じゃないぞ!」と騒ぎ始めたのは、実はヨーロッパの人なんです
ドイツに生まれのネリー・ナウマンさんという方がおりまして、この人は「 日本学 」という新しい学問をヨーロッパで起こして縄文を調べてるんですよ
 
◇へえー

で、この方は中国の古代文明、中東、あるいは南米と比較しながら日本の縄文を調べてるんです

日本の地名で「 貝塚 」っていくらでもある
縄文の人たちが食べた貝殻を捨てた大森貝塚とか、貝塚っていう地名が日本に残ってる
縄文の名残ですよね、何百年にも渡って捨ててるんですよ
それはゴミ捨て場とは考えにくいんですよ

ええ!ただの残飯を捨ててたわけじゃないんですか?

No No その貝塚から貝の殻以外のモノも見つかる、それが割れた縄文土器だったりするんですよ
どうも貝塚って、祈りの塚だったのではないかという新説が
これもネリー・ナウマンさんの指摘なんでありますが
その辺り、異国の目から縄文文化というのを眺めてみようかなあと思います

この続き、また明日のまな板の上で

7月5日(火)
 
◆縄文人というのは、いかなる思いであのような文明を、あのような遺跡を残したのであろうか
 
今からクイズ、何のシンボルか当てて下さいね?
 
「 十字架 」
◇え?イエス・キリスト
 
◆そうですね、シンボルですよね
「 三日月 」
◇三日月?シンボル、何だ?
 
◆イスラム教ですね、新月社とかって言いますけども
宗教はシンボルを持っとるんですね

今年辺りね、ヨーロッパで揉めたのは、ヤッパリ三日月と十字架の戦いだと言っても過言ではありません
それから5月、日本で伊勢志摩でサミットをやった
伊勢といえば伊勢神宮、日本の神道の発祥地

神道ってのは非常に特異な宗教でして、神道の驚くべき所は何か?
聖典が無いんです

あ、そうか

神道は何かっていうと、木と岩と水なんですよ
それが三日月を象徴とする宗教、十字架を象徴とする宗教と違うんですね
で、その神道をジーッと睨んでいきますと、その奥に見え隠れするのが実は縄文時代なんです

古事記とか日本書紀を見ましても非常に縄文的ですよね?
分かる?言ってるコト(笑)

◇うふふ
 
◆興味ないだろうけど、私はそう思いますよね
ちょっとこの話横に置いときまして、著者、大島さんは言います

縄文への関心をもったドイツ人ナウマンは、特に縄文土偶の研究を進めた人である
その縄文土偶の特徴、強く表現されているものは何か
乳房、膨らんだ腹とヘソ、さらに顔に描かれている、涙
涙を流してるんです

え、あの目袋みたいなのって涙なんですか?

その目の下からね筋が2本スーッと
で、刺青とかって言われたんですが、アレは涙を表しているんじゃないか

あー、分かります、それは

◆別の土偶で鼻水垂らしてる、それからヨダレを垂らす、そういう表現が縄文土偶にあるんです
どうしてそういうモノを描いたんだろうか?

涙は解りますけど、鼻水とヨダレは何でか? 解らないですね

古事記にも出てきますけど、アノ人は泣くんですね、アマテラスの弟さんのスサノオノミコト
スサノオノミコトって泣いて泣いて泣きじゃくるんです
神が泣くんですよ、子供みたいに

何で泣くんですか?

「お母さんに会いたい」って、そういう直情径行のところが涙を流す縄文土偶と相まって、所謂、人間の体から溢れでるモノ、鼻水・ヨダレ・涙、含めて、そういうモノに一種信仰心と言いますか、そういうモノを込めたという

溢れるモノか
ナウマンは旧石器時代のヨーロッパ、フランスで出土したレリーフ、向こうにも土偶があるんですが、女神像ドルドーニュっていう土偶があるんです
これね「 ローセルの女神 」というお人形さんがあり、そのフランスで遠い昔に作られた、旧石器時代に作られた土偶と、日本の縄文土器が
あまりにも似てるんで驚くんですよ

で、このローセルの女神こそ月の女神なんです
ということは縄文の女たちの土偶も実は月を象徴してるのではないか
女と月、ピーンとくるモノがありませんか?
 
7月6日(水)
 
ヨーロッパ旧石器時代に作られた「 ローセルの女神 」という土の人形があります
その女神は片手に月を、三日月を抱きしめてるんです
何で女神、女性なんです
オッパイもありますから、コレが何で月を抱いているのか?
 
月というのは信仰の対象であった、その月と結びばれているのが女性
何故こんなふうに結びつけられているのか?

よく女性の体は月に左右されるって、出産ナンカもね言われますけど

そうですね、それから朝からなんですが、生理ですよね
◇あ、言われますねえ

月と同調して女性の体が巡っていく、その事にたいする直感が女性と月を結びつけて
しかも体液、人間の体から出る液体で次の生命が生まれていったり、新しい生命が宿ったりするという
その不思議を縄文人たちはあの土偶に託したのではないか

ならば、何で打ち壊すんだっていう話でありますが、コレも何か宗教的にあったんでありましょう
また縄文の土偶の中に絶えず書かれ、描かれる動物が、蛇とカエル
 
これ、どう考えても「 脱皮 」それから「 変態 」だよ
尾っぽがあるくせに、やがて手足が伸びてという
それから、あなたあれ知ってる?勾玉の謎って知ってる?

◇いいえ
 
◆勾玉を「胎児じゃないか」って言った人がいたんだよ
◇ん?
 
お母さんの中に芽生えたばっかりの命の形、それを形にしたのが勾玉ではないか
でも、お母さんのお腹の中見る事なんて出来ないわけだからと思ってたら
昔の人、生き物の腹を割いて中を見るってことは頻繁にあって、サメなんかのお腹を割くと、胎児の形してるんですね

◇え?
そうよ!生き物って発生時、そうじゃん
◇最初は?

生命の記憶を女性のお腹の中で全部辿るわけでしょ、人間の赤ん坊は
それと同じように、だから人間の赤ん坊も魚類として生まれて、尾っぽがへっこんで手が、、、
大体生き物の歴史を全部辿るから、その一番始まりは何かというと、あの胎児の格好になる

それを生魚を割いたり生き物の腹を割いたりするうちに、縄文人は俺たちよりも沢山目撃してる
だからあの勾玉っていうのがああいう形になったのではないかということなんです

ええ
 
で、一旦横に置いておきましたけども、あの注連縄(シメナワ)ね
私は縄文的だって言いましたけど、これも色々説あるんですよ?説あるんですが
あなた見たことないか?出雲大社の注連縄(シメナワ)

どんなのでしたっけ?

もうね1回見てご覧、息飲むよ
◇私20年前くらいに1回行ってるんですけど、記憶が、、、

見た時にさ、ヤマタノオロチが絡まってるって見えたのよ
まさしく3匹の蛇が絡まってるように見えて
それでその蛇の普遍性でありますが、脱皮を繰り返し冬眠し、という

だから縄文人たちが、「この蛇という生き物は不死なのではないだろうか、死なないのではないだろうか」と夢見、それが実は「 縄信仰 」になったっていう

それで土器の中にその蛇のエネルギーが宿るように網目を転がして入れたっていうのが縄文土器ではないのか?

それ信ぴょう性ありますね、なんで昔から蛇ってそんなに神聖視されているのかなって
昔から不思議だったんですよね、蛇が家を守ってるとか色々言うじゃないですか

そうそう、基本的に気味悪がるくせに「積極的に殺せ」とは、昔の教えは言わないんだ
家を守ってるって事があるし「 豊作の神 」だとか、西洋においては「 知恵の神 」だと言う

エデンの園では、人間をたぶらかした知恵者もまた蛇なんで、神話に登場して人間と関わりをもつという生き物としては、最古の歴史をもってる

そう考えると、縄文土器ってなかなかのモンでしょ?

ダンダン自信が湧いてきましたね、武田鉄矢
こういうの勢いがかかってくるもんな、俺も
この続き、また明日のまな板の上で

7月7日(木)
 
縄文土器の網目模様が無くてですね、貝殻模様があったりする
私も見たことありますが、鹿児島県の上野原遺跡には貝殻紋土器ってのが出てるんです

コレ貝殻の模様がね、一杯貼り付けて焼いてあるんだ
ということはコレ、貝殻を守り神とするような部族が住んでたんだろうな、その辺りが縄文の面白さであります
 
俺昔ね、NHKのローカル番組で邪馬台国を探そうって番組でものすごく怖い先生から話を聞いたののよ
その時に何気なくその人が仰ったんだけど、尖底土器っていうのが問題になってて尖底土器って、円錐の形してるの

あ、歴史で習ったなぁ、尖底土器
その尖底土器っていうのは、置けない
◇そう、転がっちゃいますもんね

で、その怖い古代史の先生は「それくらい古代人ってバカだったんだ」って言うのよ
◇うふふ、はい

そんなのが複雑な国家を作れるわけがないし、机の上に立たないようなコップしか作れない人間が、歴史に謎など残すはずがない、って言う
 
で、俺、それ叱られたから、その尖底土器ってスゴく心に残ってて、「置けない物を何で作ったんだ」って思わない?

俺、ふと気付いたんだけど、地面の上ではどうだ?
つまりさ尖底土器って、土に挿せばいいんだよ
◇ブスッとね

そしたらこれくらい安定した器はないわけじゃない
そしたらその時の怖い先生、結構いい加減だなあとおもってさ
この座りの悪いこの尖底土器なんだけど今でも謎なんだけども
この大島直行さんっていうのは、これさあ夜露を集めるためのしんき、神様の器だったんじゃないかと

ちょっとロートみたいな
 
そうそう、それを地面に挿しといて満月の晩にそのままにしとく、想像だよ
そうするとつゆが底に垂れて、いくぶん器の中に溜まる
その夜露を月からの水っていうか、生きる水として、月が流した水として、人々はおまじないで飲んだんじないかという

◇とっても神秘的ですそれは、コレ鉄矢さん論ですか?

◆いやいや、これはもう無茶苦茶、ゴメンナサイ
で、この人の大島さんの面白いのは

土器って、妙に斜め45度くらいを見上げてるじゃない?そういう土器が多い
遮光土器とかは正面だけど、上向いてるヤツってある
しかも平べった~い顔したヤツで
アレ、全員「月、見てるんじゃないか」って言うのよ
 
あ、なんかちょっと繋がってきた?

それで、上向いてる顔の部分に液が溜まるっていう、鼻や口や目の辺りに
それが縄文人たちを励ました生きる清めの水となったんではないか、という

◇はぁ~、美しい

そうすると「水で清める」とかっていうのは、まさしく神道だよ
そんな風に考えると、縄文ってのが霞の向こうから、ぱっとこちら側に来たような

この続き、また明日のまな板の上で

7月8日(金)

◆縄文人とは、満月への信仰があったのではないか?
三日月じゃ無く、満月への信仰があったのではないかと

で、その満月の夜に土偶を並べて、土器の中に夜露を溜めて、溜まった水を飲む
それを「月からの贈り物」と称し、穢(けがれ)を祓う液体としたのではないか
 
◇イメージ膨らみます

◆そうやって考えると、縄文人の思考・思想というのに惹かれていくような気がします
数々残ってる遺跡の中でも、とんでもない物がまた続々と発見されつつあるんです

スイマセン大島先生、話変わっちゃうけど
コレを一生懸命三枚におろしてたら、面白い番組があったのよ
函館新幹線
 
◇はい
 
◆あの函館新幹線を作るために北海道のどっかを掘ってたら、縄文の遺跡が見つかった
「北海道土偶の謎を追う」という番組、この番組が面白かったんです
慌てて座りこんで、わぁ~と色々書いたんだ

まずは新幹線の通った函館、南茅部(みなみかやべ)という所で40年前に1体の土偶が発見された
新幹線着工のための基礎工事で、30cm大の土偶が発見された
その土偶は中空構造、CTスキャンで厚さを測ってみるとわずか3ミリしかない
すごく精巧なんです

で、足元、くるぶしに一つ穴が開けられ、頭部にも穴が
つまり、足元から水が流れ落ちるという構造を持っている

作られたのは検査の結果3500年前のもの、色もわずかに残ってた
色で塗られてたんだって、この縄文土偶
◇色があったんだ
 
◆この色というのが漆(うるし)だそうです
 
◇ええー!
 
◆凄いね日本人、3500年前に漆塗りの土器を作ってた
色は赤と黒だそうです
 
◇おー、漆かー
 
◆この赤と黒、世界の色彩感覚から見てですよ
赤は生命・出産を象徴する色、黒は、葬儀・死を意味する色なんですって
その2色で塗られてるんで、その土偶は生と死を象徴する土偶だったんだろうと

この発見に次いで千歳で小ぶりの、ウチワ大の土の仮面が発見されている
これが2300年前
仮面は左右に紐を通す穴があり、人が顔面に付けられる構造だったと
しかも、その仮面が発見された場所から人骨が見つかり、仮面と全く同じ場所から同時代の柱
丸太の柱が発見された

ということは、土で作った人間のお面ね、コレ拙~いモンですが
迫力あるんだよ、見ると
それは、どうも丸太の木に括り付けられていた、墓標だったらしい
 
◇ほぉ
 
◆仮面を付けた墓標っていうのが2300年前、お墓としてあったという
で、この墓標の下に黒曜石が何枚も埋められていた

黒曜石が出てくる場所って北海道では、1箇所しかないの
コレが、千歳から200kmも離れた遠軽町の白滝っていう町なんです
ココから持ってきたらしい
 
◇200kmも運んだんですか?
 
◆アッと驚くなよ
この遠軽地方の黒曜石と全く同じ物が、青森「 三内丸山遺跡 」からも出土している
ということは、遠軽の黒曜石は、かつて3000年ほど前、船で渡ったヤツがいるんだよ
 
◇あ、船でね
 
◆それで仮面の墓標の主っていうのは、黒曜石の関係者じゃないか?
 
◇関係者って、黒曜石の関係者?

◆ちょっとこれ、来週にしときましょうか
◇わかりました
 
◆いったい黒曜石の関係者、いかなる人物なのか
来週の謎として、今週はここまででございます
 ■  ■  ■  ■  ■
 
ということでした
 
完結すると思って聴いていましたが来週も続くようです
なかなか興味深いですが、まだ本を買う気にはなれません
来週も聞いてみて、面白そうなら続報を書き、関連本を買おおと思います
イマイチなら?
また、別の話題でご機嫌を伺います
 
ではまた