お世話になります
まず、週刊誌が騒ぎ出す
我々が日々感じ、数字が物語りつつあること
それを一般のマスコミが煽り立てて取り上げはじめる
そして加速する 幾度となく目にした光景であります
◆都心でマンション「大暴落」、売れ残り続出…要注意エリアはここだ!「週刊現代」2016年9月17日号より
◆バブル破裂のカウントダウンが始まっている?首都圏新築マンション市場動向
なんて記事がありました
さてさてどう動いていくのでしょうか
一方で「地方」について取り上げているラジオ番組を聴きました
1日5分程の帯番組の2週間分、飛ばしてしまった日もありますが、メモしました
長くなってしまいましたが、お時間のある時にでも眺めて頂ければ幸いです
今回のお題は「人口減が地方を強くする」であります
参考図書)
人口減が地方を強くする (日経プレミアシリーズ) | |
藤波 匠 | |
日本経済新聞出版社 |
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
文化放送「武田鉄矢・今朝の三枚下ろし」を耳で聞いたメモ、ネット上にある書き起こしを参考にしたものであります
※今回も本は読んでおりません、武田鉄矢氏の主観が多々あると思われます
◆ ◆
小池だろうが誰だろうが、都知事を決めるのに「全国放送」大威張りで流すっていうのは「東京の思い上がりじゃねえか」
それをね、福岡で観てる、だんだん腹が立ってくる
平然と東京の天気を話題にする うるせえ! 博多だよ、俺は、と
『人口減が地方を強くする』という藤波匠さんの1冊、『福井モデル』に続く、硬めの「地方論」ではないか、と
福井モデル、ショックだったんです「日本で一番幸せな県は?」「福井です」
『人口減が地方を強くする』 の腰帯の宣伝文句
「福岡は東京よりも若者が多い」
トンチンカンに聞こえる? 福岡行って下さい 圧倒的に福岡の「街」、特に盛り場に若者が多い
東京の若者より鮮度が良いんだ 「年齢」じゃ無い、「鮮度」っていうのが
◆ ◆
「地方消滅」流行りの四文字熟語にもなった
「地方が滅びつつある」と、だが「本当だろうか?」という意見がこの藤波匠さんの
『人口減が地方を強くする』という1冊です
著者曰く
細やかに見れば、今地方の郡部・田園の若者たちは県庁所在地の都市部へ流れ込んでいる
この流入の最も激しい地方都市の代表が仙台と福岡
東京が地方の若者を吸い上げて「一極集中」が問題にされているが、東京程ではないにしろ、若者流入は金沢・甲府でも起こっている
だから仙台・福岡・金沢・甲府は若い人が増えている
地方創生論は、高齢者にたいして地方移住を促している
「年寄りは田舎行け!」 60歳前後で「Uターン」郡部へという人も確かにある
しかしこの移住は若者の10分の1以下
定年退職後実家へ帰る60代はさらに少なく、75歳以上では地方ではなく都市へ移動してる 例外は沖縄県のみ
地方の介護・生活サービスへの不安が老人を都市部へと向かわせている
地方移住は男性に魅力的で、女性には不安・不満の対象 60歳でのその夫婦の真意は、真逆
父ちゃんは田舎へ行きたがる、母ちゃんは街へ行きたがる
三大都市圏が人口を吸い取ったのは、「オイルショック」1970年代まで
今名古屋・大阪圏への流入はほとんど止まった
対して、1972年から2010年まで、福岡は1.7万人、札幌は1.3万人
波はあるものの、確実に年間7千人以上の転入超過、人が流れ込んでいる
これは福岡に帰ると本当に分かる
昔の福岡の街の外れと思った所が、巨大な商業地になったり、巨大な住宅地になっている
仙台も2800人以上
10万人の東京に比べようもないが、これら中小都市は膨らみ続けている
政治は、東京の過剰をならすべく政策として「地方創生」を言う
「お金あげるから地方に住みな」みたいなことを言い始めている
「低所得者で暮らせる」等を謳い文句にしているが、農業所得平均は132万円にすぎず年間500万円を得ているのはわずか12%の農家に過ぎない
農家は厳しい しかし
北陸地方の世帯所得は軒並み高く、特に福井は東京を上回っている 「ジイちゃんも働く父ちゃんも母ちゃんも働く」ということ、 三世代同居が多いから
「豊かさ」ということを考えると、政治を待たずして独自の幸せを目指す市町村が、日本にポツリ、ポツリと
◆ ◆
東京の他「二大都市」が日本にあります
大阪圏と名古屋圏、これは「大阪」「名古屋」ということではありません
大阪というエリアです 奈良とか和歌山も入っている「大阪圏」、そして岐阜とか三重も入っている「名古屋圏」
ここも、人口減少です
大阪は2000年で1850万人、これは大阪圏・近畿圏ということなんで、そんなふうに人口をカウントして下さい
大阪圏、2014年には13万人減ってます
名古屋圏は2008年がピークで1140万人 2014年で5万人減少
「地方消滅」という危機感は地方の問題でなく、実は大阪や名古屋という都市部へも迫りつつあるということ
何が問題かというと、両都市とも人口減少に対して「機械化」を図っているため人件費は安くなりつつある
「機械化」は業種を限定するため、物づくりの応用力が落ちていく
そういう危険性が大阪・名古屋圏では出てきている
高い技術を持つ高齢者も追われるように去っていく
この人たちを他の地方で活用する「流動性」移住の拡大こそ求められる
人口が減少するならば、人が2つ3つの街に住むライフスタイルもあるだろう 新幹線が縦横に行き交う日本ではこのライフスタイルは可能かもしれない
だから名古屋限定とか大阪限定「その県内に留まらないと仕事が無くなる」と思うと、物づくりのパワーそのものが落ちていく
新幹線がこれだけ便利になったので、この手の技術者たちが「プール」できる別個の街、あるいは「2つか3つ位の街を行き来する」
そういう通勤が可能になれば、日本でその技術を生かすことが出来るようになるのではないか、と
白物家電の中国への流出
これは日本人の技術者が支えている
それから大阪はやっぱり「シャープ」です
真に勿体無くはあるんですけども、、、変化は、とにかくゆっくり始まっています
例えば「農業」
けっして助成金にすがりつく滅び行く産業ではなく、また後継者の無い産業でもない
零細だった農地集約は進み、水田ではゆっくり各農家さんが農地を増やしてるんです
ちょっと前の1.5倍位
「離農者」「放棄水田」等々の問題を抱えても、新規参入がゆっくり増えている
明治以来、人口と逆に減り続けている農業人口が、ここにきて人口が減ると農業人が増え始めた
新規参入は過去4年間で、1730人から3660人に倍増してるんです(スケールは小さいですが)
「農業に魅せられる人」はゆっくり増えてるんです この辺やっぱりTOKIO(トキオ)の力とかあるんでしょうか
それから違った業種に活路を見出す
四国徳島の「上勝町」 日本料理の飾り物、その日本のシェア70%を上勝町は独占している
婆ちゃんたち、山の急斜面の畑・樹木320種に、携帯端末で横の繋がりをしっかりして「何が今売れるか」という事を朝出すと、もう夕方は収入になって入ってくる
この婆ちゃんたちの年収、1千万越えているんです
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「地方消滅」というような不安材料のある四文字熟語が日本の社会の中で、ずいぶん暴れまわりました しかし「それは本当なのだろうか?」と
「本当に地方は消滅する危機にあるのだろうか」真逆のコトを藤波匠さんが意見を仰っております
岡山県 笠岡諸島、瀬戸内海にいくつもの島が並んでおります 「かさおか島づくり海社」というNPO法人立ち上げた
島7つ、合わせて人口1954人
高齢化率66%に対して、このNPOが色々考えた
何を考えたか
デイサービス、バス、買い物支援、特産品の開発、保育園・空き家・観光プロモーション
それを数人の中年のオッサンたちが一手に担ったら、結構うまく回転し始めた
小さい試みであります、この小さいところから大きな流れが始まるのかもしれない
四国の四万十市、ここはガソリンスタンドが無い
ガソリンスタンドが経営が、上手くいかずに撤退した
車が絶対必要な田舎だから本当に死活問題
で、何をやったかというと、全住民が自分で出資して会社を作っちゃった
ガソリンスタンドの経営から始めたんです
これが上手くいったんです
つまり行政にすがりついて「助けて」じゃなくて「住んでる住民みずからが立ち上がると、上手くいくんだ」という
そういう例を残している
日本の町のささやかな運動、そういうものが町づくり村づくり、あるいは市・県の単位でうまく回転し始めたというところがある
◆ ◆
「東京一極集中」というのが凄く、、、
ただ、東京の時代というのも、もしかしたら「ゆっくり終わりつつあるんじゃないか」と思う
明治以来、東京が配電盤、司馬遼太郎さんが言うところの「電気を各地方都市に送る」
ということで日本は回っていた
配電盤としての東京というのが実は終わりつつあるのではないだろうか、と
東京オリンピック、4年後に控えてます
もしかしたら、地方のほうが良かったかもしれないね?
いやいや、色んな考え方あると思うんですが
ちょっとねショックなことがありました
地方が地方だけで作っている番組っていうのが全国でゆっくり増えつつある 東京には「キー局」局があって、電波をローカル局に送ってる
ところが昨今、東京からやって来る番組で数字が取れなくなってる
ローカルは、ローカルのためだけの番組が結構数字良いんです
ということは、東京のセンスが、もうローカルではウケない? 先週申し上げた「都知事選の情報をなんで何時間もやるんだ」と「俺ら関係ねえよローカルは」っていう感覚
福岡で「博多華丸・大吉」数字取ってるんです 福岡オンリーの番組を博多華丸・大吉が
そういうローカルのためのタレントさんっていうのが今続々生まれてるんです
今のところ小さいんですけど、もしかするとこれから、大きな溝を
地方と東京の間に作ってくのではないかという、予感がする
藤波匠さんが仰っている『人口減が地方を強くする』は、こういう問題であります
全国に「過疎」と指定された市町村が797ある
全体の市町村の46.4%、約半分が過疎
「ゆっくり滅んでいくんだ」と
総人口1100万人が過疎に住んでいる
東京と同じくらいの人口が「過疎」と言われる所に住んでる、総人口の約10%
今までは行政にすがり補助金にすがりついていた過疎
いくらお金を注いでも、さっぱりうまくいかない、これが現状です
で、どん底まで落ちる所まで落ちて、民意で志のある者が立ち上がり、この多業務をこなすような、とにかく色んな事を一人で頑張ってやっていく
そうすると不思議とうまくいきだした
多角経営で企業全体のコストが圧縮
規模の小ささの苦しさを越えて、範囲の経済を実らせている
巨大な範囲ではとても通用しないけど、この範囲だったら十分生きていける
だからお爺ちゃんお婆ちゃんの買い物の手伝いをする
電話で呼んで下されば、お爺ちゃんとお婆ちゃんを何処どこまで運ぶタクシーの代わりをしましょう
それから、荷物を運ぶ業務も私共がやります
農家さんがこういう物を出荷なさった時は、この出荷物をココへ運ぶ業務も私がやりましょう
その出荷物の中から名物を作る会社を立ち上げて、味噌を作った醤油を作った、その会社もやります
6つ位を兼務すると、食っていけるようになる
そういう所にゆっくり若者が今、流入しつつあるという
所謂地方の小さな村・町の出来事です
◆ ◆
つい1年前まで大阪で大論議となりました「大阪都構想」、橋下徹市長で大きく揺れました
この橋下市長の主張は「大阪は東京の代わりになりうるんだ」と
だから街の行政の構造そのものを東京と同じようにして、「第2の首都を目指そう」という
でも、この本を読むと、大阪の方、申し訳ございません
大阪って、橋下元市長の言ってることは景気良かったんですが、厳しく現状を分析していないような気がしてきたんです
大阪の苦境を、ヤッパリきっちり分析、もう1回し直したほうがいいんじゃないかと、大阪圏の京都・兵庫・大阪について、2014年に人口減少に転じております
特に大阪圏で神戸が、福岡に抜かれた 人口流入で、福岡が神戸を抜いたんです
本当に福岡は、名古屋・大阪の後ろに回り始めたんですよ
大阪で東証一部、大阪に本社をもつ最大の会社、「武田薬品」です
これが18位
名古屋、1位が「トヨタ」 14位「デンソー」がある
本当に申し訳ないが、やっぱり勢いとしては名古屋なんです
「大阪は今、地方都市なのであります」と
京都に比べ、大阪は本社の数が少ないんです
「村田製作所」「島津製作所」と共に、京都なんですよ本社が
それに皆さん、京都って「京セラ」「任天堂」
コレ聞くと、大阪は京都に負けるんじゃないか そういう勢いの差というのは事実としてあるわけです
で、行政面に関しましては、地域産業活性化を励まし続けた京都と大阪が大きく溝があることは、もう事実としてある
必死になって大阪も頑張っているんですが、やっぱり今近畿圏で一番勢いのある都市は、京都です
しかも観光が凄い
京都にホテルが取れないから、大阪に行ってるんです
それにつけましても、官主導ではなく、独自で地域産業を支援する取り組みが、民間で頑張っているのが、繰り返しますが福岡なんです
「福岡地域戦略推進協議会」「FDC」というのがあるんです
福岡は独自なんですけども、9市8町で、9つの市と8つの町で組んで、アジア中核的拠点戦略を進めてる、つまりアジアに出ていこうとしてるんです
◆ ◆
福岡の自慢話になってしまって真に申し訳ございません
福岡では横の連携がガッチリし、「アジア中核的拠点戦略」アジアに打って出ようという戦略を地域全体が取り組んでいる
この政策によって、2020年 雇用6万人生む、生産総額で2.8兆円。人口7万人増加を目指してる
これが福岡で、現実に着実に進んでる
福岡という街は、中国・上海・香港・台湾の観光客が溢れており、イスラム圏の人も多い
九州大学という名門の大学があるんです「九大」
市内(箱崎)にいたんですが引き払って、糸島半島のミカン畑の広大な敷地に移転したんです 「九州大学 糸島キャンパス」
3万人ですよ! 学生さんと大学職員が
風景が一変した
昔、もう糸島なんて、申し訳ない、糸島の人
小馬鹿にしてね
糸島、街灯、湾に「火の玉が並んどる」とかね
そんなことばっかり言ってた
有名だったのは、糸島って所謂郊外地域からお百姓さんたちが野菜をリアカーに突っ込んで朝、天神まで売りに来る
ずらっと大通りに並べて売るんだ、たくましき農家のオバサンたち
それを私どもは、少し小馬鹿にしながら「糸島のリアカー部隊」つってね
それが今、農業はもちろん中核、「福岡」という巨大消費地があるから、農業は元気がいい、そこに若くて食いざかりの3万人がやって来た
サンタモニカ風になってる、ハンバーガーショップが点々とあって若い女の子たちが白浜で遊んで
九州大学の中を見せてもらったんです
学生食堂にはイスラム食のコーナーがある 教務課が私にきっぱり言った
ドバイまで睨んでる
ドバイの学生が来ても困らないキャンパスを九大は準備してる
大講義室の脇にメッカの方角を指す矢印があって、お祈りできるボックスがある
中東近辺の学生さんたちが過ごしやすい空間であるように、工夫してる
その他、風力発電・水素自動車・新電力に関して、産業界を惹きつける工学部が九州大学にある
わくわくしてくる
ふるさと自慢になってしまいましたが、流れは次第に変わっている
それを大学のキャンパスで感じたもんですから、ご報告がてら
◆ ◆
2006年「10年以内に消滅する」とされた集落は、423もある
4年後、本当に消滅したのは35で8.3%
その後の調査でも、7年後消滅したのが14.6%
「消滅」と言われながら、「なかなか消滅しない」という事実がある
10年以内に消滅すると言われた集落が423あって、実際に10年後消滅したのは、わずか35
対して
この間に誕生した集落が928もある
つまり、消えるよりも増えるほうが多い
簡単に「地方消滅」 という4文字で、ある現象を、表現できなくなってきている、ということか
山梨県甲府は、消滅31に対して新規誕生した集落は351ある
甲府辺りでは、別荘みたいな家が1軒できると、その回りに5、6軒家ができて小さな集落が出来る、というのが多い
今「電気」に関しても「移動」に関しても、便利になってる
物流が抜群に飛躍してる、インフラの整備、それから光ファイバー・インターネット、こういうものが人の暮らしを凄い勢いで簡単に成立させることができる
だから、そこに若い世代が生きていく仕事さえあれば、いともたやすく集落というのは形成できる ということなんです
人口減少が進む中で、人口を奪い合うことはもうナンセンスである
消滅するのは自治体だけで良い、目指すべきは、住民の豊かさである
付加価値の高い仕事につけるか否かが地方の命運を握っており、政治制度・行政支援では地方は創生できない
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ということでした
地方Vs東京という対立構造、地方から東京流入という戦後のパラダイムがすでに終焉している、ということでしょうか
新しい可能性、新しく多様性に富んだモデルがすでん始まっています
ではまた