Reflections

時のかけらたち

リスボン物語 Teresa Salgueiro ・・・ Lisbon Story by Venders

2025-01-16 23:59:29 | movie

11月に借りていた「リスボン物語」をやっと見る時間ができました。
サブスクで1ヶ月に4枚借りれるのになんとまた止まってもったいないと思うのですが、
また見たい映画が出てきて、なかなかやめられません。

リスボン物語はあみさんのシャンソンを聴きに行ったときにテレーザ・サルグェイロを知り、見てみたいと
思っていたので借りました。

 

 

Lisbon Story (1994) - Trailer | Director's edition

 

 

録音技師ビンターの許に、友人の映画監督から1枚の絵葉書が届く。国境のなくなったEUの道路を通ってリスボンに彼を
訪ねるビンターだったが、当人はビデオ映像を残して消えていた。ガンマイクで街の音を拾って歩く彼の耳に、美しい女性
テレーザの歌声が届く……。リスボン市の依頼を受けたベンダース監督が、映画百年にあたって世界最高齢のオリベイラ監督
を迎えて軽やかに綴った映画への愛の賛歌。

                                                    映画.comより

1995年製作/104分/ドイツ・ポルトガル合作
原題または英題:Lisbon Story
配給:フランス映画社
劇場公開日:1995年8月26日

監督: ヴィム・ヴェンダース
脚本: ヴィム・ヴェンダース
撮影: リサ・リンズラー
編集: ペーター・プルツィゴッダ、アンヌ・シュネー
音楽: ユルゲン・クンーパー、マドレデウス
出演: リュディガー・フォグラー、パトリック・ボーショー、ピテレーザ・サルゲイロ、マノエル・ド・オリヴェイラ


 

 

ヴェンダースはその国の空気を切り取るのが得意。Perfect Daysでもそうでした。彼の目で見る日本の美しかったこと。
リスボンも同じでした。それはリスボンなのだけど、彼の目で見たリスボンで、どの映画にも同じものが流れている
と思いました。

たくさんの仕掛けがあり、あちこちに宝物が潜んでいるようで・・ Perfect Daysでも何か見逃したのではないかと
後から思ったり・・ リスボン物語はDVDだったので何回か見直しました。

コミカルでチャーミングな映画でした。そしてミステリーもあり・・・
難しいと言えば難しい映画。拾えるものがたくさんあるから・・ ビデオ映像、言葉(詩)、音(街の音、音楽)、景色 ・・
そして映画の過去と現在が行き来する・・・

ヴェンダースの「パリ、テキサス」と「ベルリン天使の詩」は昔TVでやった時に少し見た記憶があるのですが、あまり興味を
ひかなかったと思います。今見てみたい映画となりました。

「リスボン物語」はエリセ監督の「瞳をとじて」のように映画に対する思いが語られていました。

 

詩の断片についてはブログ、トレーダー分岐点の中の評に詳しく載っていました。

映画『リスボン物語』評 (監督:ヴィム・ヴェンダース)

 

サルグェイロがDVDの特典のインタビューでヴェンダースの思いやリスボンについて語っていました。

ヴィム・ヴェンダースが言っているのは
 リスボンには目に見える以上のものがある
リスボンは大変美しい町だが、目に見えないが直観できるものがある
聞こえるもの この町が持つ歴史と関係あるもの
旅立つときに感じる懐かしさと時間が止まったような感覚
この通りに存在する多くの命の感知  多くの古いもの たくさんの思い出
目に見える町の美よりも多くのもの 
それからこの雰囲気、この思い出は私とこの町を関係づける重要な要素です。

そして映画の中でオリヴェイラ監督を通して語られたこと
 神は存在します。そして宇宙は神によって創られました。
 宇宙の意味  
 人類が消滅したら宇宙の意味があるのでしょうか?
 我々は神を模倣し、それが芸術家の存在する理由です。
 芸術家は自分が小さな神であるかのように世界を再創造したいと願います。
 ・・・我々の信仰は我々が信じるから継続します。そして最後には我々は記憶を信じるのです。
 すべてが消え去るから全ての想像が事実だとどうやってわかるのでしょう・・
 だから「想像」が「事実」だということは幻影です。唯一の真実は記憶です。

 ・・・映画はカメラが瞬間をとらえますが、それだけのものです。映画はその瞬間の幻影を引き戻します。
 その瞬間の存在はフィルム以外にはわかりません。
 又、映画は俊寛の存在を保証するでしょうか? わかりません。
 我々は永遠の疑いの中で生きています。 然し地に足をつけ、食べ、人生を楽しんでいます。
 もし私が私でなければ誰でもない・・

 カメラを向けると街は遠のき、薄れて行った・・
 何も無い nada
 pureでありのまま・・私の意思が入っていない

 

芸術の中には音楽も入ると思います。音楽も神の世界をあらわしていると思うことがあります。 

映画はリスボンの音と絵を撮り、生きている人たちと歴史を重ね、リスボン市からの依頼以上の深いものを
ヴェンダース監督は撮ったと思います。

そして何よりも魅力的だったのはテレーザ・サルグェイロの声とマドレデウスの作り上げた音楽でした。

 

Madredeus Alfama, e a maravilhosa Teresa Salgueiro

 

Madredeus (Lisbon Story filme de Wim Wenders 02) - guitarra (letra)

 

Madredeus - Haja O Que Houver

 

Madredeus ao Vivo - O Porto (Live)

 

コメント
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