5月8日 桐の花
二十四番花信風.
5月10日の天声人語の言葉にひかれました。
新聞を見る暇もあまりないので時々数日分をざっと眺めて
ひっかかるところだけ目を通しています。
「花信風」・・花が咲いたことを知らせる風・・
中国の人の繊細さに驚かされます。
花の香りはなんともいえない空気を作り出してくれますね。
特に春の宵は・・帰り道、薄暗い中で香りだけするというもの
なかなかです。
ああもう立夏も過ぎたんだ・・風が「光る」から「香る」になるという
すてきな表現
冬至の後の二十四節気(にじゅうしせっき)、「小寒」から春の終わりの
「穀雨」の季節に、それぞれの時節に咲く花を知らせる風のことを二十四
番花信風と言います。
小寒から穀雨までの節気は 8、それぞれの節気に咲く花が 3種類ずつ配され、
二十四種類の花の名が列びます。
《立夏を過ぎ、風は「光る」から「薫る」になった。風の名にも色々あるが、
「二十四番花信風(にじゅうしばんかしんふう)」をご存じだろうか。年明けから晩春の
折々に咲く、二十四種の花のたよりを乗せて吹く風を言う。中国伝来の風雅な呼び名である
▼その風はまず、梅の香をもたらす。次には椿(つばき)や水仙、沈丁花(じんちょうげ)。
立春のころには辛夷(こぶし)、さらには梨花(りか)などと続く。そして春の終わりには
牡丹(ぼたん)の知らせを運んでくる。その牡丹前線は、桜を追って東北あたりに入ったらしい。
今年は遅れ気味ですと、風ならぬ読者の女性からたよりを頂いた・・・》
二十四節気の小寒から穀雨までの間の各気の花の開くのを知らせる風のことである。
次のように、各気にそれぞれの花を配している。
・ 小寒……梅・山茶(つばき。「さんちゃ」ツバキの別称)・水仙
・ 大寒……瑞香(じんちょうげ。ジンチョウゲ〔沈丁花〕の漢名)・蘭・山礬(さんばん。アオバナハイノキの漢名)
・ 立春……迎春(おうばい〔黄梅〕。迎春花ともいう)・桜桃(ゆすら。ユスラウメのこと)・望春(こぶし)
・ 雨水……菜・杏(あんず。杏子)・李(すもも)
・ 啓蟄……桃・棣棠(やまぶき。「ていとう」)・薔薇
・ 春分……海棠(かいどう)・梨・木蘭(もくれん。もくらん。木蓮)
・ 清明……桐・麦・柳
・ 穀雨……牡丹・茶蘼(どび。学名Rosa rubusで、バラ科キイチゴ属の植物らしい)・棟(おうち。センダンの古名。樗)
「花信風」(花のたよりを乗せて吹く風)というのが、なんともすてきな言葉である。
春のはじめから初夏まで、次々と咲いていく花のかすかな香を、吹いてくる風の中に感じるという、その感性がすばらしい。
微妙な花の香を嗅ぎ分けて楽しむという風雅さにも、羨ましさを感じてしまう。
http://yuki-wan.at.webry.info/201005/article_9.html より