このときの私の経験から推せば、絶望の二字は矛盾した文字の結合であって、人間にはありえない状態の誇張した表現に過ぎないのである。
-大岡昇平 (俘虜記 P81)
先達の以下大岡評を読んで、『俘虜記』を読んでみたくなった。早速今日、いつもの図書館で三巻に分かれた大活字本シリーズ(これしかなかった^^;)を借りてきて、夕刻前に第一巻を読み終えたところだ。
これは・・・スゴイなぁ~!・・・というのが今の感想。単なる戦記物ではもちろんない。戦地でマラリアに侵され、たった一人で生きるか死ぬかのギリギリの際(きわ)に、目前に現れた無防備な米兵の若者を撃ち殺さなかったのは何故か・・・徹底的に掘り下げていくその頭脳の明晰性と強靭性に圧唐ウれている。
大岡は「自分は深い人間ではない。横に拡がって行く人間だ」と自分について語り、興味の赴くままに多様な対象について調べ、考察し、作品にして発表している。何時までも悲観論のなかにとどまっていたら、精神は腐敗する。溜まり水には毒があるのだ。川は流れている限り、腐敗しないのである。」
ついでに、『レイテ戦記』と『昭和末』も一緒に借りてきたが、昭和46年初版の『レイテ戦記』は小さい活字で二段組、大辞林ほどの厚さがある。とても通読できそうにないので、いつもの“拾い読み・斜め読みの術”を使うことになるだろう。
-大岡昇平 (俘虜記 P81)
先達の以下大岡評を読んで、『俘虜記』を読んでみたくなった。早速今日、いつもの図書館で三巻に分かれた大活字本シリーズ(これしかなかった^^;)を借りてきて、夕刻前に第一巻を読み終えたところだ。
これは・・・スゴイなぁ~!・・・というのが今の感想。単なる戦記物ではもちろんない。戦地でマラリアに侵され、たった一人で生きるか死ぬかのギリギリの際(きわ)に、目前に現れた無防備な米兵の若者を撃ち殺さなかったのは何故か・・・徹底的に掘り下げていくその頭脳の明晰性と強靭性に圧唐ウれている。
大岡は「自分は深い人間ではない。横に拡がって行く人間だ」と自分について語り、興味の赴くままに多様な対象について調べ、考察し、作品にして発表している。何時までも悲観論のなかにとどまっていたら、精神は腐敗する。溜まり水には毒があるのだ。川は流れている限り、腐敗しないのである。」
ついでに、『レイテ戦記』と『昭和末』も一緒に借りてきたが、昭和46年初版の『レイテ戦記』は小さい活字で二段組、大辞林ほどの厚さがある。とても通読できそうにないので、いつもの“拾い読み・斜め読みの術”を使うことになるだろう。